マイホーム購入の流れ / 物件見学時の注意点

色々な方法で見に行く物件が決まったら、実際の見学に行きます。
物件ごとに見学の時の注意点をお話しします。
※「物件周辺をよく確認しましょう」とか他のサイトによく掲載されているような当たり前の注意点は省いています。

マイホーム購入の準備

成冨 宏樹

成冨 宏樹 株式会社ゼネラルホームズ 代表取締役

大手総合デベロッパーでの営業マネージャー職、マンション企画職を経て、2012年に不動産購入・住宅ローン・家計の見直し・リフォームなど、住宅に係るサービスをワンストップでサポートすることを目指す法人、株式会社ゼネラルホームズを設立。社長業の傍ら、宅地建物取引士、FP技能士の資格を生かして実務にも従事中。

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物件ごとの説明の前に…すべての物件で注意すべきポイント

買うときは舞い上がってるので抜けがちになるポイントの一つとして、維持費に係る問題です。
戸建てもマンションも買っただけで終わりではありません。長年にわたって維持しなければいけないわけですから、その維持費が重しになるような要素をよく見ておかなくてはいけません。

よく問題になるものとして以下が多くなります。

●マンションの修繕積立金
修繕計画がどうなっているのか、いつ修繕積立金が上がる予定なのか見学時に確認しましょう。
総戸数の少ないマンションは維持費を割る戸数が少ないので、毎月の維持費である修繕積立金が高い傾向があります。
高い分、物件としては安く買わないと割に合わないので、検討する場合は価格を少し厳しめに見る必要があります。

●マンションの共用設備
「スポーツジム」「カラオケルーム」などなど豪華な共用設備は目を奪われがちですが、維持費が掛かることを忘れてはいけません。
総戸数の多いマンションは割り算で分が良いので、結構な豪華施設を付けることがあります。
余談ですが、最近は豪華な共用施設を売りにする物件は減ってきたように思います。
だんだん必要ないことが分かってきたのかもしれません。
中古物件でも「もともと豪華共用施設があったけど、お金がかかるから廃止して別の用途に変更した」と聞く物件も多いです。
見学時に共用施設はよく確認し、維持費の掛かりそうなものがないかチェックしましょう。

●戸建てのエレベータ
法定点検を行わなくてはいけないので、結構な維持費がかかります。
見学の時にオーナーさんに聞いて、維持費がどれくらいか聞きましょう。

●太陽光パネル
まだ流行ったばかりで、機器も新しく、売電収入も入るようなので問題になってないですが、筆者の主観としては更新期に来たり、故障などで売電できなくなった時に維持費だけが残る危険性を感じています。
マンションでも戸建てでも設置している物件が増えてきました。
「いつ入れたものなのか」「売電契約の内容」「故障などが起きた時の処理方法」等について見学時にチェックした方が良いでしょう。

「新築マンション」、「新築戸建」を見に行く時の注意点

この2つは、建物完成前にモデルルームやモデルハウスで販売が先行していることが多いです。
そのため、完成を見ずに、モデルルームや図面などで購入を決断する難しさがあります。
この難しさと引き換えにあるメリットとしては、購入した部屋を自分好みにカスタマイズ工事をして引き渡してもらえることです。
それを見越して、販売業者もモデルルームとして用意している部屋には、標準仕様ではないオプションを多数つけて販売しています。
その点も頭に入れて見学に臨む必要があります。

まず標準仕様をよく確認し、自分たちが必要なオプションを付けたらいくらになるのかも把握して検討しましょう。
オプション工事は発注した時にお金を払わなくてはいけないので、頭金や諸費用にも影響します。

オプション工事でどれを行うか検討するコツとして「完成前にやらなくてはいけない工事とそうでないものを分ける」ことです。

どういうことか下記に具体例を記します。
間取りの変更→完成前にやらなくてはいけない
食器棚の設置→完成後でも設置可
床の色や材質の変更→完成前にやらなくてはいけない
ピクチャーレールの設置→完成後でも設置可
コンセント(照明を含む)やスイッチの増設→完成前にやらなくてはいけない
※「完成前にやらなくてはいけない」という表現は「完成前にやっといた方が良い」という定義でそう表現しています。
完成後でもリフォームすればなんでもできると言えばできるのですが、壊して作るとかこういう工程になってしまうものです。

こういったように分けて、完成前にやらなくてはいけないものだけを購入時には検討するというやり方をお勧めします。
何故かと言うと、私は実務でたくさんの住宅購入に携わってきましたが、下記のような場面によく遭遇するからです。

オプション工事で設置をお願いした食器棚と同じようなものが別のところで安く売っていた。
オプション工事は総じて高いです。間取りの変更などはオプション工事でやっとかないと、完成後にリフォームでやるしかないので、高いお金を出してもオプション工事でやる意味がありますが、完成後でもよいような内容は、完成後に自分でネットなどで探した業者にお願いした方が安くてよいものが手に入ることが多いので、オプション工事でやらなくてもよい内容です。

オプション工事で設置をお願いした食器棚がイメージと違った
オプション工事なので、当然完成後にしか実物を見られません。オプション工事はおろか、本工事も完成後にしか見られないわけですから、見たことのないキッチンに想像で発注する食器棚がイメージと違う危険性は当然に発生するわけです。発注が完成後でよいなら、せめてキッチンの完成を見てから希望に合いそうな食器棚を発注した方がこういった危険性は下がります。

作り付けの棚をオプション工事で発注したが、引越してモノを置いてみたら、標準で設置されているクローゼットで十分足りた。
せっかく高いオプション工事代金を払ってやってもらったのに、必要なかったという話です。「完成後に頼めるもの=実際に生活してみて必要なことが分かってから頼むことができる」という図式で頭を整理し、慌てる必要はありません。

新築戸建てはカーテンレールや網戸、雨戸、コンセント、外構工事など生活に最低必要なものまで「オプション」としている業者さんも一部あるようです。
新築マンションはオプションなしで買っても普通に生活ができるようになっていることがほとんどです。

部屋の中のカスタマイズに夢中になりすぎて他のことが手落ちになってはいけません。
何せ未完成で契約するわけですから、下記のことも注意して検討しましょう。

コンセントやテレビアンテナジャック、電話線などの位置

図面に表記されてるので、位置を把握し、自分が想像する家具配置をしたときに不足がないかチェックしましょう。
足りなければ、増設のオプションを検討しましょう。
オプション工事代もさほど高くないので、迷ったら多めにつけておいた方が無難です。

完成後の日当たりがどうなるのか?

日当たりを重視する人は「日影図(にちえいず)」という資料を見せてもらって、自分の検討物件の日当たりがどうなるのか確認しましょう。
今はコンピューターが進化しているので、設計事務所に言えば簡単に作ってもらえます。
にも拘わらず、見せてもらえない業者さんは何か見せたくない理由があるか、面倒くさがって逃げているだけです。

自分の部屋からの眺めがどうなるか?

「眺望(ちょうぼう)」といいます。バルコニーや窓からどんな景色が見えるのかという話です。
隣の建物とくっつきすぎてたりすると、眺めも悪いし、部屋も暗くなります。
余談ですが、同じ広さ、同じ間取りでも眺望の悪い部屋は価格がぐっと安くなっていることが多いです。
眺望を重視せずに価格勝負で買いたいという方にはかえっておすすめだったりしますし、何年か住んで賃貸に出すかもしれない人は、分譲価格が低い方が利回りが良くなったりすることも考えられるので、一概に悪いことばかりではありません。
価格とのバランスも良く見て検討しましょう。

完成して現物を見せて販売をしている物件の見学方法の注意点はこれから話す、「中古マンション」「中古戸建て」の見学注意点と大体一緒なので、ここでは詳しくお話しません。
一つだけ申し上げるとすれば、完成する前に販売するのがセオリーの新築物件で「完成してしまっている」ということは、販売に苦戦しているという見方もできます。(例外も多々あるので一概には言えません)

多少価格交渉ができる可能性があるので、頭に入れておきましょう。

「中古マンション」、「中古戸建て」の見学時の注意点

見学を申込する時には、日時に余裕を持って見学の予約をしましょう。
中古物件は「現在居住中」で販売されている物件も多いのですが、これは「今の持ち主が住んでいる」ということです。
いきなり「今日今から見に行きたい」と言っても、家にいなければ見せてもらえないわけです。
前もって予約しておけば、一日で見たい物件をすべて回れる可能性が高くなるので、その点は注意していただきたいところです。

部屋の中に入ったら、あくまで「居住中」ということを忘れず、勝手に色々と収納を開けたりせずに、居住者に一言声掛けして見学させてもらうように気を配りたいものです。

意外とこのマナーの点は重要です。
見学した物件を気に入って、購入の段になったら、オーナーさんと色々と交渉事が発生するわけですが、マナーが悪かった見学者はこの時に損をします。
オーナーさんも人間ですから、マナーが悪かった人に色々と交渉されても条件を飲む気が起きにくいのです。
価格や引渡時期、オーナーさんで補修をお願いしたい箇所など、購入を決めたらオーナーさんに配慮をいただきたいポイントは多々ありますので、印象の良さに気を配って見学は行いましょう。

物件の中で見るべきポイントは以下です。

部屋の傷み具合

水回りや、壁紙、床などの傷み具合をチェックしましょう。
どこが補修が必要かメモなどを残しておき、後でリフォーム相場を不動産業者に聞くなり、ネットで調べたりでリサーチしましょう。
必要であれば許可を取って、写真撮影しておくのも一考です。
おおざっぱですがランクごとに下記にリフォーム値段の目安を記しておきます。

・梅コース(全室壁紙の張替とクリーニング程度)
50万円~100万円程度

・竹コース(梅コースに加えて、水回りを全面交換)
250万円~300万円程度

・松コース(梅、竹コースに加えて、フローリングの張替、間取りの変更等)
400万円~500万円程度

・特上コース(既存のモノを全部壊して、総とっかえ)
700万円~1500万円程度

マンションなら管理状態、戸建てなら近隣の状況

マンションは管理で買えと言われるくらいなので、管理面はよく見ておきましょう。
掃除が行き届いていなかったり、自転車置き場がぐちゃぐちゃに置かれていたりしたら要注意です。
みんなが通る廊下などに私物がたくさん置いてあったりするマンションは管理と住民の質が悪いので、私は基本的にお勧めしてません。
マンションの掲示板などにはマンション内で問題になっていることなどが掲示されている場合もあるので、チェックしておくとよいです。

戸建ても隣近所の家の様子は是非見ておきましょう。
ゴミ屋敷まで行かなくても、庭などにゴミなどがやたらある家などの隣に住んでしまうと、後々大変な思いをすることもあります。
見学が終わった後もしばらくブラブラしてみたりして、隣近所から騒音などがしないかとか見ておいた方がベターです。

意外に大切なゴミ出し問題

マンション、戸建てともゴミ出しの方法はチェックしておいた方が良いです。
やたら遠かったり、導線が悪いと毎日のことなので結構ツライです。
ゴミ出し場を見ることで住民の質もよくわかるので、地味なポイントですが見ておいた方が良いと思います。

違法建築問題などのチェック

後から建て増したような部分やポツンと庭などに別で小屋などがあったりする場合は注意ポイントです。
こういうのがあったら、案内の業者さんなどに詳細を確認し、違法性がないのかなどを聞いてみた方が良いです。
違法建築だったりすると、後から撤去を命じられてその費用がふりかかって来たり、住宅ローンも組むことができないなどの結果に陥ることがあります。

マンションだと、避難ハッチをふさぐようにウッドデッキなどが貼られていないか、大型の物置などがバルコニーに置かれていないかなどをチェックします。
これは私自身の体験ですが、前のオーナーさんが避難経路をふさぐような形でウッドデッキや物置を設置したままの物件を購入してしまい、後で指摘されて撤去費用をこっちで持たされたことがありました。

こういったものがある場合は、自分が住むときまでに撤去してもらうことを契約の条件にした方が良いです。

駐車場への導線確認

車に乗る人は戸建てもマンションも駐車場への車の導線を見ましょう。
差し支えなければ周辺から物件まで実際に車を走らせて、車庫入れまで行ってみましょう。
車庫入れしにくかったり、中央分離帯や一方通行などの影響で大きく回り道をさせられたりするネックが顕在化します。

私が長年やってきて、落ちた落とし穴を中心に書いてみました。
見学した後は、購入検討するために情報を整理しなくてはいけないので、物件ごとにきちんとメモを取り、後でわかりやすいようにしておきましょう。

次は「物件を決め、契約する」ときの注意点をお話しします。

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