消費税増税の住宅ローン影響

消費税増税における住宅ローンへの影響です。
お問い合わせから寄せられた相談事例をもとにご紹介します。

マイホーム購入の基礎知識

丸尾 健

丸尾 健 株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティング 代表執行役

大学卒業後、建築関連の仕事を経て大手商社系の中高級住宅を扱うハウスメーカーに入社。在籍期間9年のうち5年は店長職を兼務。MVP賞3回。その後、大手金融機関のファイナンシャル・プランニング部門に転職。FP先進国の米国のファイナンシャルプランニングメソッドトレーニングを受講。2009年9月に独立して、株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティングを設立。FP経験現在9年目。新規年間相談件数120件前後、面談累計件数1,000件以上。主に個別面談を中心に活動している、実務家FP。ライフプラン全体を通してのマネープランの作成、資産形成アドバイスに提案に定評がある。
【得意分野】ライフプラン・不動産購入・住宅ローン・資産形成・保険・相続相談

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【質問】
4月の消費増税以降の住宅購入は、どれくらい割高になるの?

4月以降に家を購入予定です。消費税率8%は消費増税前と比べて、どのくらい購入価格が高くなるのでしょうか?

  • 夫:Aさん/31歳/会社員/年収450万円
  • 妻:B子さん/33歳/主婦
  • 埼玉県川口市に一戸建てを購入予定
  • 購入予定価格は3,900万円(土地1,900万円、建物2,000万円(税抜))

購入者の年収や物件価格によって変わる

4月以降の住宅購入でどれくらい支払額が変化するかは、購入者の年収や物件価格によって変わります。

4月以降に購入した方が、かえってお得になるケースもあります。それは、消費増税の負担を和らげる目的で「住宅ローン減税制度の拡充」や「住まい給付金制度」という2つの制度の実施が4月1日から予定されているからです。

それでは、増税による負担増と、新制度実施による負担減の影響を見てみましょう。

消費増税が住宅購入に及ぼす影響は?

まず、消費税率が8%に上がることによる住宅購入価格の上昇です。

Aさんは土地1,900万円、建物2,100万円(税抜価格2,000万円)の住宅購入を考えています。土地は非課税なので、今年の3月までに住宅を購入した場合、建物部分の2,000万円に対して税率5%分の100万円が消費税として課税されます。

4月からは税率が8%になりますので、増税後の課税額は160万円となり、増税の前後で比べた場合、増税前より購入額は60万円分高くなることが分かります。

住宅ローン減税制度の拡充とは?

次に、負担減をもたらす2つの制度のうち「住宅ローン減税の拡充」です。

そもそも住宅ローン減税とは、居住目的ための住宅をローンで購入する際、住宅ローン残高の一定割合額を一定期間、所得税から控除できるものです。

従来(平成25年1月1日から平成26年3月31日)は、住宅を取得してから10年間「住宅ローンの年末残高の1%」もしくは上限「20万円(認定住宅の場合30万円)」のいずれか少ない方が所得税から控除される仕組みでした。つまり、最大で20(万円)×10(年間)=200万円の控除額となります。

この制度が、消費増税後の平成26年4月1日から平成29年12月31日まで拡充され、住宅ローンの「年末残高の1%」もしくは「40万円(認定住宅の場合50万円)」のいずれか少ない方が所得税から控除されることになります。よって、最大で40(万円)×10(年間)=400万円が控除される計算となります。

今までの制度では、年末残高の1%を控除できるといいながら、住宅ローン残高が2,000万円を超えている場合でも、上限の20万円までしか控除限度額がなかったのに対し、平成26年4月1日からは40万円まで控除できるように拡充されるのです。

この制度は、住宅ローン残高額が2,000万円を超える方にはお得と言えますが、一方で、ローン残高が2,000万円以下と小額の方には恩恵がない制度となります。

さらに、住宅ローン減税は、主に所得税から控除されるので、所得税の納税額以上は控除できません(※)。Aさんのように住宅ローン残高が3,900万円で控除限度額が1%の39万円であっても、年間の所得税納税額が20万円であれば、20万円が控除額の上限となります。(※)控除しきれなかった金額がある場合、住民税から一定額が控除されます。

まとめると、住宅ローンの残高が2,000万円以上の方で、一定額以上の所得税を納めている方は、2014年4月以降住宅ローン減税拡充の恩恵を受けられる可能性があります。しかし、それ以外の方は大きな恩恵を受けられない制度といえます。

住まい給付金制度とは?

一方、住まい給付金とは、収入が低く住宅ローン減税による恩恵を受けられない収入層に対して、消費増税による負担の軽減をはかるものです。そのため、収入が低いほど給付される額が多くなります。

8%へ消費税率が上がった際の給付額(年額)は、目安として年収が425万円以下の方は30万円、425万円~475万円以下の方は20万円、475万円~510万円の方は10万円となります。正確には都道府県民の所得割額によって給付額が決定します。

以上のようにすまい給付金は、住宅ローンの借入残高が少ない方や、所得税の納税額が低い方など、住宅ローン減税の拡充分メリットを受けることができず、単純に消費税増税分が負担増になってしまう層に対して、消費税率引き上げによる負担軽減をはかるものとして用意されているのです。

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