離婚をしたら、住宅ローンはどうなる?

平成27年の離婚件数は22万5,000組となっており、3組に1組は離婚するとも言われている今。
住宅ローン返済中の離婚でどのような問題点があるのかについてお伝えします。

マイホーム購入の基礎知識

江原さとみ

江原さとみ ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。SEとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
【企画・編集/SAKU株式会社】

離婚後の家は誰のもの?

そもそも離婚した場合、今持っている家は誰のものになるのでしょうか?
離婚の話し合いの中で夫婦の「どちらが住むか」を決めたとしても、法的な所有者はその家の名義人になります。家の名義人が誰なのかをはっきりしておきましょう。離婚後も継続して住む場合、住む人と名義人を同一にしておくことがトラブルの防止につながります。その家が夫のみの名義なのか、夫婦共同名義なのか、離婚後にその家に誰が住むのかを考慮しなければなりません。
例えば、離婚後に妻がその家に住む場合、夫の名義となっていれば、夫の判断でその家を売却するということも可能になります。
また、2人の共同名義の場合、住宅を売却するには両者の同意が必要となるため、片方が反対したら売却できません。離婚後も住み続けるのであれば、共同名義のままにしておくとトラブルになる可能性があります。離婚してしまった場合は、どちらを名義人にしてどちらが住むのか事前にしっかり話し合い、対応しておきましょう。
また、一般的に離婚時には、財産分与といって夫婦で築いた財産を話し合って分けることもあります。離婚後は、家を手放して売却代金を2人で分けるという選択肢もあります。

住宅ローン返済中の家を売るか、売らないか

離婚の際に問題になるのが住宅ローン返済中の「家」です。
例えば、夫がそのまま住み続けたい場合は、妻が住居の代わりに現金をもらうといった分け方ができればいいのですが、実際は希望通りにはうまくはいかないものです。
住宅ローン返済中の自宅を売却する場合、売却金額で残った住宅ローンをすべて返済できるかどうかがポイントです。もし、自宅を売却してもローン残債の方が売却金額を上回る場合は、その残債をどちらが支払っていくのか、ということも話し合わなくてはなりません。

家を売らずにどちらかが住むといった場合はどうなるでしょうか?
離婚後に住み続ける人が、そのまま住宅ローンを引き継ぐという選択がスムーズです。離婚後に妻が住む場合は、夫名義の住宅ローンを借り換えによって妻が引き継ぐことができます。ただし、妻の収入によっては借り換えの住宅ローン審査が通らない可能性もあります。
また、妻と子が住む家のローンを離婚後の夫が養育費として払い続けるということもあります。この場合、住宅ローンが返済終了するまできちんと返済するというのが大前提です。もし、夫が住宅ローンの返済を怠ってしまうと、最悪の場合、家が競売にかけられるという事態になってしまいます。最悪の事態を避けるためには、離婚協議の内容を公正証書にしておくことが重要です。

妻が連帯保証人になっていたら

家の名義、住宅ローンの返済、離婚後もその家に住み続けるのが夫という場合は、特に問題が無いように見えますが、1つ注意点があります。妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合です。離婚後に夫が住宅ローンの支払いを怠った場合、連帯保証人の妻にも支払いの義務が発生します。これは離婚しているかどうかにかかわらず、債権者と夫婦それぞれ個人との契約であるため、拒否することができません。また、返済が終了するまで、契約している住宅ローンの連帯保証人から妻を外すことも、基本的にはできないのです。
夫単独の収入で住宅ローンを借り換えることで、妻を連帯保証人から外してしまった方がトラブルの回避となります。

離婚をしたら、住宅ローンはどうなるのか?ということについてお伝えしました。何らかの事情で夫婦が別の道を歩むという選択をしなければならないこともあるでしょう。離婚後のトラブルを回避するためにも、住宅ローンだけでなく様々なことを明確にできるよう、よく話し合うことが大切です。

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