借り換えしても住宅ローン控除は使える?

住宅ローン返済中の人にとって住宅ローン控除のメリットは大きいです。さらに、総返済額を軽減させる効果が期待できる住宅ローンの借り換えも大きなメリットがあります。では、住宅ローンの控除を受けている方が、借り換えを行った場合、その後の住宅ローン控除はどうなるのでしょうか?
今回は、借り換えした場合の住宅ローン控除についてご紹介します。

住宅ローン控除・減税の計算方法

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、会計事務所に勤務し、巡回監査業務に従事。その後、社会福祉法人をはじめ、地元の上場企業などで長年経理業務を担当。勤務していた事務所の閉鎖に不安を感じ、これをきっかけとして2016年に最短1年で1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得する。FPとして独立し、執筆、講師業を中心に精力的に活動中。
【企画・編集/SAKU株式会社】

借り換え後の住宅ローン控除について

住宅ローン控除は、マイホームの取得に際し、借入金がある場合に10年間、年末の住宅ローン残高の1%の税額控除が受けられるという制度です。住宅ローンの控除を受けている人が借り換えを行った場合、その後の住宅ローン控除については国税庁のHPに適用の可否が記載されています。

国税庁では、住宅ローン控除の対象となる住宅ローンとはマイホームの購入や増改築のために必要な資金の借り入れでなければならないとしています。したがって、住宅ローンの借り換えは、既に借り入れしているローンの完済のための借り入れに該当し、原則、住宅ローン控除の対象とはなりません。

上記のように借り換えした場合、原則これまで受けていた住宅ローン控除は受けられなくなります。しかし、そのような場合でも一定の要件を満たすことで、引き続き住宅ローン控除を受けられるケースがあることも併せて明記されています。

借り換え後も住宅ローン控除を受けるには

住宅ローン返済中の方が借り換えを行う場合、借り換え後に住宅ローン控除を受けるためには一定の要件を満たす必要があります。借り換え後に住宅ローン控除が受けられるケースでは、借り換え前に控除を受けていた方が引き続き適用を受けるケースと住宅ローン控除を受けていなかった方が借り換えにより要件を満たすようになったことで適用対象になるケースとがあります。それぞれのケースについて住宅ローン控除を受けるための要件についてご紹介します。

●借り換え直前の住宅ローンの返済期間が10年以上の場合
借り換え直前の住宅ローンの返済期間が10年以上ある人が借り換えをした場合、以下の要件を満たすことで引き続き控除を受けることができます。

①借り換えした住宅ローン等が借り換え直前の住宅ローン等の返済であることが明らかであること
②借り換えした住宅ローン等の返済期間が10年以上あることなど、住宅ローン控除の要件を満たしていること

尚、この適用がある場合でも住宅ローンを受けられる期間に変更はありません。したがって、控除を受けられる期間は借り換えから10年間ではなく、マイホームに実際に住むこととなったときから10年間です。
例えば、借り換え直前の住宅ローンの住宅ローン控除が4年経過した後に借り換えを行った場合、控除期間である10年から4年差し引いた6年が借り換え後の控除期間になります。

●借り換え直前の住宅ローンの返済期間が10年未満の場合
借り換え直前の住宅ローンの返済期間が10年未満の場合(※つなぎ融資を含む)や金融機関等から借り入れせず、両親や親類、知人などから借り入れた場合でも、その後、返済期間10年以上の住宅ローンに借り換えることで、これまで受けられなかった住宅ローン控除が受けられるようになります。
その他の要件については、10年以上の場合と同様(①と②)です。

※つなぎ融資とは、融資を受ける前に土地取得費用や工事費などを払わなくてはならないときに一時的に民間金融機関から借り入れるローンのことをいいます。マイホームの物件の所有権・抵当権を登記した後でなければ、融資を受けられないようなフラット35などで借り入れをする場合に利用されています。

借り換え後の住宅ローン残高とは

住宅ローンの借り換えで、借り換え直前のローン残高に加えて諸費用も一緒に借り換えをする場合、

「①借り換え直前の借入金額 < 借り換え後の新たな借入金額」

となるケースがあります。逆に諸費用を含めない場合は、

「②借り換え直前の借入金額 ≧ 借り換え後の新たな借入金額」

で借り換えをするケースも考えられます。2つのケースでは住宅ローン控除の対象となるローン残高が異なります。それぞれのローン残高の金額は以下の方法で求めます。

【住宅ローン残高の求め方】
借り換え直前の住宅ローン残高を(a)、借り換え後の新たな住宅ローン等の借入金額を(b)とします。

①(a)<(b)の場合 → (b)の年末残高×(a)÷(b)

②(a)≧(b)の場合 → 住宅ローン控除の対象となる残高は(b)の年末残高

このように借り換え後の借入金額が借り換え前のローン残高より多くても少なくても要件さえ満たせば住宅ローン控除は受けることができます。

住宅ローン控除のメリットを活用したいと考えている方は、借り換えしても条件が合えば控除の対象となるケースがあるので、もう一度ご自身のケースを見直してみましょう。

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