地震保険の見直し

東日本大震災をきっかけに、関心が高まっている「地震保険」。その地震保険制度が、私たちの暮らしを守る、より信頼できるしくみに生まれ変わろうとしています。

火災保険の見直しの基礎知識

住宅本舗 編集部

住宅本舗 編集部

日本で唯一複数の金融機関に一括で住宅ローンの審査申し込みができる特許を持っている“住宅本舗”が、住宅ローンをはじめとした住宅購入に役立つ情報や世の中の人の傾向をコラム・アンケート記事配信していきます。
また住宅本舗では、住宅ローンの一括審査申し込み以外にも、ファイナンシャル・プランナーによるライフプラン相談サービス、火災保険一括見積もりサービス、また、住宅本舗からの様々な情報をお知らせするメールマガジンもございます。そちらもぜひ合わせてご利用ください。

安定的で強固なしくみへ

地震と津波によって、多くの家屋に甚大な被害をもたらした先の大震災。警察庁の調べによると、家屋の全壊は12万6千戸を超え、半壊被害も約27万戸にのぼりました。震災発生からしばらくはライフラインが復旧せず、生活物資の運搬すらままならなかった窮状は、みなさんご記憶かと思います。

そんな中、被災者のいち早い生活再建に貢献したのが地震保険です。震災後の混乱が続く中、保険会社は、航空写真や衛星写真などによる被災状況の確認に努め、約78万件、1兆2千億円もの保険金を短期間のうちに支払いました。ただその一方、巨額の保険金を支払ったことにより、地震保険の保険金支払いのために備えて積み立てている準備金を大きく取り崩してしまったことも事実です。そうした状況のもと、今後かりに新たな震災が連続して起きるようなことがあれば、現行の制度では立ち行かなくなる可能性が出てきます。そこで国は、安定的かつ強固な制度にするため、地震保険制度の見直しを進めています。

気になる保険料、損害区分は?

2012年4月に発足した財務省の「地震保険制度に関するプロジェクトチーム」では、地震リスクの官民負担のあり方から、商品性や保険料の見直しなど、様ざまな観点から議論が繰り広げられました。半年以上にもおよぶ話し合いの結果、制度の根幹部分は維持することを前提に、報告書が取りまとめられました。この報告書をベースに国と民間が連携して内容を詰め、緊急を要する提言や課題については、順次改正が行われています。

私たちに身近なところで見ていくと、大きな見直しの1つに挙げられるのが「保険料の改定」(図表)です。具体的には、将来の地震リスクをもとに保険料率を見直したほか、都道府県別に区分けしている地震保険料を集約したり、耐震性能のすぐれた建物について保険料の割引率を引き上げることにしました。

新しい保険料率は、2014年7月以降を保険始期とする地震保険に適用され、全国平均では15.5%の値上げとなります。ただし、建物の構造やお住まいの都道府県、または適用される割引の種類によっては、保険料が下がるケースもあるので、きちんと確認しておきましょう。

そしてもう1つ気になるのが「商品性の見直し」です。現行の制度では、建物の損害区分が「全損」「半損」「一部損」の3つに区分されており、これが震災時の迅速な保険金の支払いに大きく寄与しました。ただその半面、該当する損害区分によって支払い保険金に大きな差が生じることから、現在、損害区分を細分化できるかどうかや、支払いの迅速性に与える影響などを踏まえ検討が行われています。

地震保険の重要性を認識して

また今回の震災では、わが家を失ってしまったにもかかわらず、住宅ローンの支払いが続く、いわゆる「二重債務問題」がクローズアップされました。プロジェクトチームではこの問題にも触れ、被災した住宅ローン利用者の金銭的な負担を少しでも和らげることができる地震保険の有効性を指摘しています。

地震保険の加入者は増えつつあるとはいえ、2011年度の火災保険への付帯率は50%を少し超えた程度です。地震保険は、火災保険とセットでないと契約できませんが、火災保険の契約期間中なら、いつでも加入することができます。地震や津波による損害は、地震保険でしか補償されません。まだ加入していないという人は、この機会にぜひ検討してみてください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加