リバースモーゲージの公的と民間の違い

リバースモーゲージの公的と民間の違いについて紹介いたします。

住宅ローンと老後の基礎知識

住宅本舗 編集部

住宅本舗 編集部

日本で唯一複数の金融機関に一括で住宅ローンの審査申し込みができる特許を持っている“住宅本舗”が、住宅ローンをはじめとした住宅購入に役立つ情報や世の中の人の傾向をコラム・アンケート記事配信していきます。
また住宅本舗では、住宅ローンの一括審査申し込み以外にも、ファイナンシャル・プランナーによるライフプラン相談サービス、火災保険一括見積もりサービス、また、住宅本舗からの様々な情報をお知らせするメールマガジンもございます。そちらもぜひ合わせてご利用ください。

「リバースモーゲージは老後の支え」へ
「リバースモーゲージの活用法」へ

ここ数年で相次いで取り扱い

リバースモーゲージの歴史は意外と古く、国内では1981年に東京都武蔵野市が導入した「福祉資金貸付制度」が第1号。その後、世田谷区や神戸市など、都市部の自治体を中心に取り扱いの輪が広がっていきました。現在では、厚生労働省が全国の社会福祉協議会を通じた貸付制度を設けているほか、民間金融機関にも拡大しつつあります。

2010年以降を見ると、みずほ銀行、武蔵野銀行(埼玉県)、芝信用金庫(東京都)、世田谷信用金庫などが相次いで取り扱いを開始し、さらには、常陽銀行(茨城県)のような新しいタイプも登場しています。

それぞれの商品性を知る前にまず理解しておきたいのは、公的制度と民間タイプの違いです。自宅を担保にお金を借り入れる点、本人の死亡時に一括返済する点など、リバースモーゲージの基本的なしくみは変わりませんが、その利用目的やサービス内容は大きく異なります。ここでは、厚生労働省の「不動産担保型生活資金貸付制度」と、みずほ銀行のリバースモーゲージを例に比較してみましょう。

福祉か充実か

まず厚生労働省の貸付制度は、低収入高齢者の自立支援を目的とした福祉制度です。そのため利用に際しては、「世帯構成員の年齢が65歳以上」「住民税が非課税」などの要件が設けられており、一定額以上の収入がある人は申し込むことができません。また必要な資金は、1ヵ月30万円を上限に、3ヵ月に1度まとめて受け取る“年金形式”になっていて、生活資金の補完的な役割を果たしています。

なおこの制度は、各都道府県の社会福祉協議会が受付窓口になっていますが、名称やしくみはどこも同じです。2007年からは、先の利用条件をさらに緩和した要保護世帯向けの制度も導入しています。

一方、みずほ銀行のリバースモーゲージは、主により充実したシニアライフをおくるためのローンで、相応の金融資産をすでに保有し、かつ、年金などの安定した収入がある人を対象にしています。また融資金額(貸越極度額)も、1千万円~2億円と高めに設定しているので、それに見合う資産価値の高い持ち家を保有していることも条件です。そのため現状では、持ち家の所在地を東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都4県に限定しています。

ただ、まとまったお金を借りることができる分、お金の使い道は大きく広がります。必要な時にいつでも融資を受けることができますし、一般に数百万円~数千万円単位でかかる高齢者施設への入居一時金や自宅のリフォーム資金に充てることも可能です。特に、「持ち家を子どもに残さず、自分のために使いたい」「独身で相続人がいないため、自分の代で資産を使い切りたい」と考えている人にとっては、有効な選択肢のひとつと言えそうです。

マンションは基本的に対象外

将来、リバースモーゲージの利用を検討する際、いくらまで借りられるかが気になるところでしょう。そのカギとなる「担保評価額」について、確認したいと思います。

一般に、金融機関が融資を行う際には、借り手が万一、返済不能になっても貸したお金をきちんと回収できるよう、土地などの担保を求めます。ただ土地の価格は時々の市況によって変化するため、“確実に”回収できなくなるおそれが出てきます。このため各金融機関では、時価から一定の掛け目を乗じて出た金額を担保評価額に設定しているわけです。一般には「70%」に設定しているところが多く、時価3,000万円の土地でしたら単純に2,100万円が担保評価額となります。

ただし、ここで注意したいのは、「担保評価額=融資金額」ではないということ。一般には、担保評価額×50~70%で設定されているため、先の例でいくと最大1,050万円(金利負担分を除く)まで下がる可能性があるわけです。そのため、自分が想定していたよりも、実際の融資金額が大幅に低くなることがありえます。

また一般に、担保の対象は「土地付き一戸建て住宅」(そもそも土地だけでは、融資を受けることができません)となっていますが、建物は担保評価が難しく、かつ低額になることが多いため、評価の対象外としている金融機関が大半です。マンションも同ように、一部金融機関を除いて対象外ですから、よく注意しておきましょう。

担保評価の理解は欠かせません

実はもうひとつ、リバースモーゲージをより深く理解するにあたって、この担保評価額が大きな意味を持ちます。

もう一度、ローンの返済方法を思い出してください。「本人の死亡後、貸し手(金融機関など)が持ち家を売却し、その資金を返済に充てる」しくみでした。ではもしその間に、地価が大きく下落してしまったらどうでしょう。当然ですが、金融機関は貸したお金をきちんと返してもらえなくなる可能性が高まります。

そのため金融機関では、定期的に担保評価額を見直し、それに応じて融資金額を減らすなどの調整を行います。ただここで気を付けたいのは、担保評価額よりも借りたお金のほうが大きくなった場合です。この対応は金融機関によって異なりますが、一般には新たな借り入れができなくなるほか、超過分の一括返済や追加の担保徴求などの措置が取られます。

とくに地価が大きく上昇し、担保評価額が上がった後は要注意。その勢いでお金を使いすぎ、のちに返済に困ることも十分考えられます。また、もし売却後に負債が残れば、その穴埋めは原則、残された相続人が行うことになります。その点も留意して、計画的な利用を心がけましょう。

「売却しない」新しいカタチ

ここまでは、一般的なリバースモーゲージのお話でしたが、近頃その新しいカタチが登場し、ちょっとした話題を呼んでいます。常陽銀行が取り扱いを始めたリバースモーゲージで、持ち家を賃貸に出して老後資金を準備するしくみです。マイホームの売却を前提としない“家賃返済型”のリバースモーゲージとしては、全国の金融機関初めての取り組みです。

このしくみを活用すれば、安定した賃料収入を得ることができ、高齢者施設への入居や住み替え先の購入、趣味・旅行など、シニアライフを充実させるための資金として役立てることができます。

このように、お住まいの地域や家計の状況、将来マイホームに住み続けるか否かなどで、具体的な商品選択は大きく変わります。その点を踏まえ、慎重に検討してみてください。

(記事提供:ニッキンマネー 2014年4月号 p20-p23)

東京スター銀行のリバースモーゲージ『充実人生』の資料請求はこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加