住宅ローンの返済が苦しいと思ったらすべきこと

住宅ローンの返済はとても長い期間続くものです。その間にお子様が成長し、教育費などの支出が増えたり、仕事の状況が変わって返済が困難になっていくこともあります。
そんな時、何も対策をせずに滞納してしまうと、競売という最悪の結果になってしまうことも。
そんな最悪の状況に陥る前に、住宅ローンの返済が苦しくなったらすべきことについてお伝えします。

住宅ローンの返済が苦しい

江原さとみ

江原さとみ ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。SEとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローンの返済が苦しい! まずは銀行などの金融機関に相談

住宅ローンの返済が苦しくなってきたら、滞納する前に、まずは借り入れ先の銀行などの金融機関に相談しましょう。返済が厳しくなった理由やこの困難な状況がいつまで続くのか、今後の収入の見込み、返済のスケジュールなどについて説明します。
教育費のように一時的に支出が増えるのであれば、一定期間の返済額の減額で対応できるかもしれません。ボーナスや月々の返済額を変更するといった、住宅ローンの返済計画の見直しを銀行などの金融機関と相談します。
どのような対応ができるかは銀行などの金融機関によって異なります。
多くの銀行などの金融機関では、住宅ローンを返済している人向けに店頭や電話による専用相談窓口を設けています。
また、高い金利で借りている住宅ローンであれば、低金利の住宅ローンへ借り換えをすることで月々の返済額を減らすことができるかもしれません。借り換えを視野に入れるという点でも滞納は避けたいところ。住宅ローンを滞納してしまうと、借り換え時の審査に影響がでる可能性があります。支払いが困難になりそうなときは早め早めの対処を心がけましょう。

フラット35での返済方法の変更は3タイプ

返済方法の見直しの方法は金融機関によって異なります。
フラット35の場合、返済方法の変更には、以下の3タイプがあります。

●例:フラット35の返済方法の変更

こんな時に利用したい 変更方法
仕事の状況などにより年収が減ってしまった 返済期間を延長して月々の返済額を減額する
教育費や入院など、一時的に支出が増えた 一定期間の返済額を減らして減額期間後の返済額を増額する
ボーナスが減ってしまった ・月々の返済額を増額してボーナス返済(ボーナス払い)を減額する
・ボーナス返済月の変更
・ボーナス返済の取り止め

上記の3タイプを組み合わせて利用することも可能です。また、失業や20%以上の減収が原因で返済が苦しいのであれば、返済期間の延長のほかに、利息のみを支払う期間(最長3年)を設けるなどの対応ができます。これらの返済方法に変更するには、フラット35を申し込んだ銀行などの金融機関に相談しましょう。
ただし、返済期間を延長して月々の返済額を減額するには、収入や負担率など一定の条件があり、審査に通らないと利用できません。返済期間の延長は、月々の返済額を減額できる代わりに総支払額は増加するので注意が必要です。

任意売却という選択肢も

返済が困難になり、借入先に相談しないで滞納し続けてしまうと、住宅ローンの債権が保証会社などに移ってしまいます。そうなると強制的に退去させられ、自宅が競売にかけられることになります。競売での売却情報は公開されているため、その事実は周囲に知られてしまいます。また、一般の不動産市場で取り引きされている価格よりも、低い価格での売却となってしまうかもしれません。
銀行などの金融機関に相談しても住宅ローンの支払いが難しく、住宅を手放すしかないという場合、「任意売却」という方法があります。任意売却は、借り入れている銀行などの金融機関や保証会社などの債権者の合意に基づいて住宅を売却する手続きです。通常の不動産売買と同様に、不動産業者を介した流通市場で取引されるため、競売よりは高い金額で売却することができます。競売のように差し押さえなどの強制退去とはならず、引っ越し時期についても、ある程度柔軟に決めることができます。
また、自宅を手放す際に注意したいのが、住宅ローンの残債と売却金額との差です。住宅ローンの残債よりも高い金額で売却できれば利益が残ります。しかし、住宅ローンの残債よりも売却金額が低ければ、返済を続けることになってしまいます。このことからも、売却金額が低くなってしまう競売よりも、任意売却を選択した方が住宅ローンの債務も少なくなります。

住宅ローン返済が苦しいと思ったら対処すべき方法についてお伝えしました。これらの方法は早ければ早いほど対処が有効になります。「何とかなる」で乗り切ろうとせず、「念のため」の早め早めの行動を心がけることが大切です。

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