住宅ローン以外に、毎月思わぬ経費が2万円もかかったTさん夫婦の実例

マイホームを維持していくためには、返済額を支払う以外に、ランニングコストがかかるのをご存知でしょうか。特にマンションの購入を考えている人は、月々の住宅ローン支払いとは別に、必ず発生する経費についても頭に入れて試算をしないと、毎月の返済が困難になる場合もあります。マンションの購入で想定外の経費がかかってしまっているTさん夫妻の事例を紹介します。

住宅ローンの返済が苦しい

大村美穂(回遊舎)

大村美穂 (回遊舎)

金融を専門とする編集・制作プロダクション回遊舎にて、住宅に関わる分野を中心に編集・執筆を行う。AFP(日本FP協会認定)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。

マイホーム購入は大満足だったが、ランニングコストという落とし穴が…

3500万円以内という予算を決め、2016年にフルリノベーション済みの中古マンションを約3000万円の価格で購入したTさん夫妻(夫/36歳会社員、妻/29歳会社員)。購入時の自己資金として約600万円を準備し、およそ2300万円(毎月返済額約6万円/月)の住宅ローンを組みました。

「中古物件は契約後すぐに引っ越して住み始めることができるので、賃貸マンションの家賃の支払いをムダにすることがありませんでした。さらに中古物件でもフルリノベーション済みで新築並みの快適さがあり、賃貸マンションよりも広々とした空間で過ごせる生活に満足していました」

大満足のマイホーム購入でしたが、ひとつだけ、想定外だったことがあると話します。それが、マンションでの生活に必ずかかってくる毎月の「経費(ランニングコスト)」の問題でした。

住宅ローンの返済以外に1か月2万円の出費は覚悟しよう

マンションの場合、新築にせよ中古にせよ、戸建てとは異なり、毎月メンテナンスのための「管理費」と「修繕積立金」を住宅ローンとは別に支払うことになります。どちらの費用も毎月必ず発生する出費なので、月々の返済計画を立てる上では、住宅ローンの支払いだけではなく、管理費と修繕積立金のことまで考えなくてはなりません。

つまり、住宅ローンのシミュレーションをする際にローン借入可能額を計算し、その金額を予算としてマンションを選ぶ人がいますが、これでは管理費や修繕積立金といった経費にまで支払いが回らなくなるのでNG。その金額には、全国平均で管理費が1万661円、修繕積立金は1万783円。合計2万円程度の出費が必要になることを考慮しましょう。

全国平均の管理費と修繕積立金の計算式

※出典:国土交通省「平成25年度マンション総合調査」

また、修繕積立金の額は新築時には6000円台でも、徐々にその額は高くなり、築11年以上になると一気に高額化することが下図を見ても分かります。Tさん宅も築15年の中古物件のため、やはり費用が高くなっているようです。新築マンションを購入する場合も、年を重ねるごとに経費が高くなっていくことを頭に入れておきましょう。

新築マンションおよび築年別中古マンションの平均月額修繕積立金額

経費が思わぬ負担となることも。購入前の確認は必須!

さらに、一番のネックがマンションの駐車場代でした。Tさんのマンションの場合、車を所持していない世帯でも、毎月の駐車場代を約2万円負担するルールとなっていたのです。つまり、Tさんは管理費・修繕積立金の約3万円に加え、駐車場代を約2万円、つまり住宅ローン以外に毎月約5万円を支払っているのです。

Tさんの住宅ローン以外のランニングコストの合計

「契約の際に説明を受けた記憶はあるのですが、『いずれは車を持つこともあるかもしれないから』と、金額をしっかり確認せぬまま大切な話を流してしまいました。車を持っていないにも関わらず、この想定外の経費が、案外毎月の負担になっています」

ただ、毎月のローン支払い額はおよそ6万円なのに対して経費は約5万円と、これだけ経費の金額が大きくても、Tさんは「自分の買える金額」を基にした予算3500万円ギリギリの価格の物件ではなく、約3000万円という身の丈に合った物件を選んだため、毎月の支払いも問題なく支払うことができています。予算ギリギリの3500万円の物件を購入していたら、毎月の支払いが厳しかったことでしょう。

とはいえ、車を持っていないにも関わらず発生する月2万円の出費はやはり重いのは確かです。「当分車の購入予定もないので、空きのままにしておくより、貸し出しをしようと検討しています」と話していました。

今回とりあげた、管理費・修繕積立金・駐車場の経費のほかにも、マイホーム購入後にかかる税金や保険を含めた維持費も含めて購入前にしっかり試算することが大切です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加