住宅ローンの借り換え前に知っておきたいこと

低金利の今、住宅ローンの借り換えを検討している人もいらっしゃるでしょう。住宅ローンの借り換え前に知っておきたいことはどんなことなのか考えていきます。

住宅ローン見直しの基礎知識

江原さとみ

江原さとみ ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。SEとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローンの借り換えメリットがあるのはこんな人

住宅ローンの借り換えとは、現在借りている住宅ローンを一括返済して、より有利な条件のローンを「新たに」借りるということです。
日銀のマイナス金利の影響で、各銀行などの金融機関が設定している住宅ローンの金利は、かなり低い利率になっています。そのため、数年前に長期固定金利で借り入れた人でも、借り換えの効果が大きく表れる可能性があります。
では、どのような人が借り換えに向いているのでしょうか?
一般的に住宅ローンを借り換えて効果がある目安となるのは、下記の3つの条件となります。この条件を満たせば、諸費用を負担してもその効果があるといわれています。

条件①ローン残債が1,000万円以上
条件②返済期間が10年以上残っている
条件③新旧ローンの金利差が1%以上

条件①と②については、返済期間と残債も残り少ないという場合、すでに利息の多くを支払っていています。残債については元金と利息のうち、ほとんどが元金を占めるため、借り換えて新たな利息を支払うことはムダになってしまいます。
また、条件③の「新旧ローンの金利差1%以上」には、考え方に注意を払う必要があります。現在、返済中の住宅ローンが比較的に低い変動金利で借り入れている場合、金利差が1%以上とならないケースも考えられます。
ただし、条件①②の条件における残債や残存年数が大きい場合には、金利差が1%以下でも借り換え効果が十分出てくる可能性があります。
また、現在の住宅ローンが変動金利で、固定金利と大差がない金利であっても、あえてここで固定金利に借り換えることで、将来の金利変動が持つ金利上昇のリスクを抑えることができます。

金利の低い住宅ローンに借り換えたら

実際のところ、住宅ローンを低金利のものに借り換えた場合、どれくらいの効果があるのでしょうか?
例えば、5年前に金利2.5%の35年固定金利で借りた残債2,000万円の住宅ローンを金利1.2%の30年固定金利で借り換えると、以下のようになります。
※ボーナス払い無し

●借り換え比較シミュレーション

金利 月々の返済額 返済総額 支払い利息 利息軽減効果
借り換え前 2.50% 79,024円 28,448,472円 8,448,472円 4,623,201円
借り換え後 1.20% 66,181円 23,825,271円 3,825,271円

※「住宅金融支援機構 借換えシミュレーション」にて試算

今後支払うはずだった利息は約844万円でしたが、1.3%低い金利に借り換えることによって利息分を約382万円まで下げることができて、支払う利息は約462万円減っています。また、月々の返済額も1万円以上少なくなっていますので、借り換えの効果はありそうです。実際はここに借り換えの諸費用がかかるので、諸費用についてもお伝えしていきましょう。

住宅ローンの借り換えにかかる諸費用

事前に知っておきたい借り換えの注意点の1つに、「諸費用」があります。借り換えによってこれから支払うべき利息が軽減されても、それを上回る費用がかかってしまっては本末転倒です。借り換えは、新しく住宅ローンを借りることになるので購入時と同様に様々な諸費用がかかります。

●一般的な借り換えにかかる諸費用
・印紙代
・抵当権抹消のための司法書士費用
・登録免許税
・抵当権設定のための司法書士費用
・事務手数料
・保証料
・団体信用生命保険(団信)の保険料

「事務手数料」と「保証料」については、その有無や金額は借り入れる銀行などの金融機関によって異なります。団体信用生命保険の保険料は、一般の銀行などの金融機関の住宅ローンでは金利に上乗せされているのが通常です。フラット35では任意加入となっていますが、住宅金融支援機構が用意する団信に加入するか、民間の生命保険を利用するといいでしょう。
また、保証料については、借り換え前の住宅ローンで一括支払いしている場合、保証会社が定める割合で保証料が戻ってくることもあります。

住宅ローンの借り換え前に知っておきたいことをお伝えしました。住宅ローンを選ぶのは手間がかかるため、足踏みをしている人もいらっしゃるかもしれません。ただ、低金利時代では資産を増やしていくことは正直難しいですが、住宅ローンを見直すことで家計に余裕ができる、返済期間を短くすることができる可能性があります。この機会に銀行などの金融機関に相談して、借り換えシミュレーションをしてみてはいかがしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加