住宅ローン返済中に買い換えした場合の流れ

住宅ローン返済中に新しい家の買い換えをする場合、まず返済中の住宅ローンを完済する必要があります。ほとんどの方が、手元の資金だけでは完済できません。そのような場合、住宅ローンはダブルになるのか、どのようなタイミングで売却や購入を進めればよいのか心配になると思います。
そこで、住宅ローン返済中に買い換えをする場合の流れについて解説します。

住宅ローン見直しのポイント

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、会計事務所に勤務し、巡回監査業務に従事。その後、社会福祉法人をはじめ、地元の上場企業などで長年経理業務を担当。勤務していた事務所の閉鎖に不安を感じ、これをきっかけとして2016年に最短1年で1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得する。FPとして独立し、執筆、講師業を中心に精力的に活動中。
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローン返済中に買い換えする場合の事前準備

通常、住宅ローン返済中に最初の家を売却して新しい家の買い換えをする場合には、査定→売却→完済→新しい物件の住宅ローン借り入れという一連の手続きをたどることになります。この中で特に注意すべき点は「完済」についてです。一般的には、住宅の市場価格は築後20~25年で建物としての価値はゼロになります。(国土交通省資料『中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針のポイント』より)ローン返済中に買い換える場合、最初の家の売却はローンが残らないように売却できることが理想です。しかし、売却時の年数や経済情勢によっては、住宅ローンを完済できる価格で売却できないこともあります。仮に住宅ローンが残ってしまった場合でも、できるだけ有利な条件で売却することがポイントです。

●売却前にすべきこと
マイホームをできるだけ有利な価格で売却するために事前準備をします。

 

【売却前準備の流れ】
①固定資産税の通知書からマイホームの評価額などを把握する

②広告等から類似する物件の評価額を調べる

③複数の不動産業者等にマイホームの売却価格等について査定をしてもらう
●売却に向けてすべきこと
マイホームについて大体の価格が把握できたら、次は実際の売却について不動産業者等と具体的な相談をします。

 

【売却に向けた手続きの流れ】
①不動産業者等と売却価格や時期について相談する

②不動産業者を選定し、売却の依頼をする

③購入希望者が見つかれば不動産業者を介して交渉する

④交渉が成立した場合は売買契約を交わす

⑤売却代金の受け取りとマイホームの受け渡し

売却に向けての手続きでは、マイホームの売却時期について注意しましょう。売却を新しく購入する住宅に先行して行う場合と、購入後に売却をする場合では、それぞれメリット・デメリットがあります。売却時期によって、資金計画等が異なるからです。

 
■売却先行の場合のメリット・デメリット

メリット:
・売却価格によっては、最初のローンを完済できる可能性がある
・売り急がなくてもよいため納得のいく価格で売却が可能

デメリット:
売却が決まって、新しい住宅に住むまでの間、仮住まいを用意しなければならない場合がある

 
■購入先行の場合のメリット・デメリット

メリット:
・新しい家をじっくり探せる
・売却後の仮住まいの心配がない

デメリット:
売却が決まっていないのでローンがダブルになることがある

住宅ローンの「買い換えローン」を検討する

マイホームの売却代金で最初の住宅ローンが完済できなければ、残債がある状態で新しい家の借り入れをすることになり、返済がダブルになります。いわゆるダブルローンとなってしまった場合、毎月の返済が二重になり家計を圧迫します。そこで、買い換えローンを利用することで二重の返済をせず、ひとつのローンにまとめることが可能です。買い換えローンは、最初のローンの残債を、新しい住宅ローンに上乗せして借入れすることができます。買い換えローンはほとんどの金融機関で取り扱っています。申し込みは他の住宅ローンと同様にインターネット等から仮審査である事前審査を申請し、この仮審査に通ってから本審査へと進みます。審査期間などは金融機関によって異なります。また、審査の結果によっては融資が受けられないこともあります。

住宅ローン返済中の買い換えには特約を付けよう

住宅ローン返済中の買い換えでは、資金面からみると売却先行の方が安心です。
しかし、場合によっては新しい家の購入が先行することもあるでしょう。このような場合には、買い換え特約を付けることをお勧めします。買い換え特約とは、マイホームが売れなかった場合、売買契約を解除することができるという特約のことです。気に入った物件が見つかったけど、今住んでいるマイホームが売却できるか心配な方などに有効な特約です。ただし、買い換え特約は買い手にとっては有利な契約でも売り手にとってはあまり歓迎できる特約ではないことを念頭においておきましょう。

買い換え特約以外でも「買い取り」制度を利用するとマイホームの売却が可能になります。
「買い取り」とは、不動産業者にマイホームを買い取ってもらう売却方法のことです。「買い取り」は通常の売買より安い金額での売却になる場合があることに注意が必要ですが、金額さえ折り合えば、どうしても売却したい場合などには有効な方法といえます。

マイホームの買い換えは、売却と購入という2つの契約を実行しなければなりません。どちらを先行するにしても焦らず、ベストなタイミングで行えるようにすることが重要です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加