住宅ローン繰り上げ返済は期間短縮か返済額軽減か

少しでも返済を楽にしたい「繰り上げ返済」。実は、繰り上げ返済にもタイプが2通りあった。
ファイナンシャルプランナーの渡邊さんが、繰り上げ返済の注意点を解説。

住宅ローン返済額を上乗せする

住宅本舗 編集部

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由里(40代主婦):今年は、「繰り上げ返済元年」。どんどん返していきますよ。

渡邊さん:無理な繰り上げ返済は禁物です。生活設計を優先して!

住宅ローン繰り上げ返済は期間短縮か返済額軽減か

由里:パートを始めて、生活にゆとりが出てきました。これを機に、住宅ローンの早期完済をめざします!

渡邊:いよいよ繰り上げ返済の出番ですね。何といっても、前倒しで住宅ローンを返すことによる、支払い利息の削減効果は大きいですよ。

由里:でも繰り上げ返済って、いくつかパターンがあると聞きました。そこがよくわからなくて…

渡邊:では、繰り上げ返済についてざっと説明しますね。繰り上げ返済には、住宅ローンを一気に返済する「全額繰り上げ返済」と、残高の一部を数回にわけて返していく「一部繰り上げ返済」があります。退職金などの大きなお金がない場合は、後者を地道に行っていく形です。

由里:うちはまだ主人が現役だし、子どもも独立していないので、一部繰り上げ返済のほうですね。

渡邊:さらに一部繰り上げ返済には、方法が2種類あります。まず、月々の返済額は変えずに繰り上げ返済することで、残りの返済期間を短くする「期間短縮型」(以下、短縮型)、もう1つは、返済期間は据え置いて毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」(以下、軽減型)です。

由里:うちは、どっちがいいのかしら…

渡邊:そうおっしゃる方も多いのですが、では今後、何らかの事情で家庭の収入が下がってしまったらどうですか。毎月の返済額は変わりませんから、資金繰りが大きく悪化する可能性があります。しかも、返済が厳しいからといって、いったん短縮した返済期間を延長することは、民間金融機関では原則できません。また、ハイペースで繰り上げ返済をした結果、これまでの返済期間と残りの返済期間の合計が10年を切ると、住宅ローン控除が適用されなくなる点も注意してください。

由里:返済期間と住宅ローン控除は盲点かも。聞いておいてよかった。

渡邊:その点、「軽減型」は、将来家計の負担が増えたり、収入が減った場合に助かります。とくにこのご時勢、気をつけておきたいのは、住宅ローン金利の動向です。

由里:確か主人も、アベノミクスでこれから金利が上がるって言ってました。そうなれば大変です…

渡邊:そこで「軽減型」なら、こんな活用が考えられます。たとえば住宅ローンを、借入金額3千万円、返済期間30年、10年固定金利期間選択型(当初期間1.5%)で組んだとします。この場合、当初10年間の返済額は月10万3,536円ですが、11年目の適用金利が4%に上がったとすると、返済額も13万20円に跳ね上がってしまいます。でもここで、約445万円の「軽減型」の繰り上げ返済を行えば、毎月の返済負担は増えません。つまりこのケースでは、金利が4%まで上昇しても、家計に悪影響は出ないんです。

由里:なるほど。将来の金利変動に備えて、繰り上げ資金を貯めておけば、金利の上昇にも耐えられるし、いざとなったら他の使い道にも利用できるわけね。

渡邊:はい。今回は、「軽減型」のメリットにスポットをあてましたが、「短縮型」の利息削減効果も魅力です。いずれにしても、現在の貯蓄状況や、今後のライフプラン、将来の金利動向をよく考慮して、どちらの返済方法が適しているか、よく検討してみてくださいね。

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(記事提供:ニッキンマネー 2015年1月号 p70-p71)

◆参考記事:
期間短縮と返済額軽減、繰り上げ返済するならどっちがお得?
住宅ローンの繰り上げ返済について

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