住宅ローンの繰り上げ返済のメリット・デメリット

住宅ローンの返済では「できるだけ早く返済を終わらせたい」、「月々の返済金額を減らしたい」と考える方も多いでしょう。繰り上げ返済の基本とそのメリットやデメリットについてお伝えします。

住宅ローン返済額を上乗せする

江原さとみ

江原さとみ ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。SEとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローンの繰り上げ返済の仕組み

繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

「期間短縮型」は、返済期間を短くして月々の返済金額は変えない返済方法です。期間短縮型で繰り上げ返済をすると、住宅ローンの支払った金額がそのまま元金の返済に充てられます。元金を返済する期間に相当し、本来支払うはずだった利息を軽減することができます。
「返済額軽減型」は、返済期間は変わらずに月々の返済金額を減らす返済方法です。期間短縮型に比べて利息軽減効果は低くなります。
一般的に、繰り上げ返済効果が大きいため、「期間短縮型」の方が「返済額軽減型」に比べて多くの人に選ばれています。

●期間短縮型のイメージ

●期間短縮型のイメージ

●返済額軽減型のイメージ

●返済額軽減型のイメージ

住宅ローンの繰り上げ返済を効果的に行うために

繰り上げ返済のメリットは、何よりも利息軽減効果です。繰り上げ返済において、利息軽減効果を狙う上でのポイントは、返済額軽減型よりも期間短縮型。実行するタイミングは早い方が有利です。また、“金利が高い”“返済期間が長く残る”“残債がまだ多い”などのケースでも有利になります。
繰り上げ返済では利息軽減効果だけに目が行きがちですが、自身のライフプランに沿った資金計画を選べるということもメリットの1つです。

前述の通り、利息軽減効果だけで見ると期間短縮型を選ぶ方がメリットがあります。
しかし、返済額軽減型では、お子様の成長によって教育費や生活費が大きくなることが予想できる場合、月々の家計のやりくりがしやすくなるメリットがあります。
では、期間短縮型と返済額軽減型はそれぞれどんなケースに向いているのでしょうか?

●期間短縮型に向いているケース
・少しでも支払う利息を減らしたい
・定年までにローンの返済を完済したい

●返済額軽減型に向いているケース
・将来の教育費負担に不安がある
・転職や配偶者の収入が減る予定がある
・ローンの負担が大きく月々の貯金ができない

ボーナス返済(ボーナス払い)を利用している場合は、銀行などの金融機関によって繰り上げ返済分の充当先が異なります。ボーナス返済分を優先する場合や、ボーナス返済分と月々の返済分両方に充当する場合もあるので、繰り上げ返済前に銀行などの金融機関に確認しておきましょう。ボーナス返済分のみに充当することが選択できるのであれば、ボーナス分返済後に貯蓄や余裕資金ができるので将来の資金計画にゆとりが生まれます。

また、固定金利と変動金利のミックスでローン返済している場合、どちらのローンから繰り上げ返済するのか? というのも悩むところです。
一般的に、固定金利の方が変動金利に比べて金利が高く設定されています。フラット35などの長期固定金利を利用している人も多いため、繰り上げ返済の利息軽減効果を考えると長期固定金利を先に返済しようと考えるでしょう。

しかし、変動金利や借入当初何年固定金利といった住宅ローンは、借入時や現在の金利だけでなく将来の金利推移も影響します。例えば、「10年固定金利」の住宅ローンの場合、借り入れ当初10年間は固定金利ですが、10年後には変動金利となります。そのため、10年後に金利が上昇していれば、月々の返済額が増えてしまう可能性もあります。

こういった金利上昇リスクを取りたくない場合は、低金利のうちに変動金利から優先的に繰り上げ返済をするといった対策も有効になります。

住宅ローンの繰り上げ返済の注意点

実は、繰り上げ返済にもデメリットはあります。
繰り上げ返済を積極的に行うことで手元資金がなくなってしまうことです。繰り上げ返済後に「病気やケガでお金が必要になった」「お子様の教育費が予想以上に必要になる」「収入が減ってしまった」といった時に現金がないと大変なことになってしまいます。
また、積極的に繰り上げ返済をしよう!と返済の回数を重ねるのであれば、手数料についても考慮しましょう。手数料の有無は借り入れている金融機関によって違います。利息軽減をしても手数料が大幅にかかってしまっては本末転倒です。
繰り上げ返済は、目的によって効果的な返済方法が異なります。メリットとデメリットを把握し、目先の損得だけでない家族のライフプランに合わせた返済を行っていきましょう。

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