住宅ローン借り換え時の審査条件はここに注意!

低金利時代が到来して、住宅ローンの借り換えを考えている人も多いことでしょう。でも、ちょっと待ってください。借り換えは新しい住宅ローンを借りるということ。新規に住宅ローンの審査を受けた時と、今の経済や健康の状況にお変わりはありませんか?
住宅ローンを借り換える時に見落としがちな注意点をお伝えしてきます。

住宅ローン借り換えのポイント

江原さとみ

江原さとみ ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。SEとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローンの借り換えも審査が必要

住宅ローン借り換え時は担保評価が甘くなり、人物評価(年収等)が厳しくなる

借り換え審査を申し込む際には次の点に気をつけましょう。

・財形住宅融資などの公的住宅ローンへ借り換えはできない
・借り換え申請時に健康状態が悪化していると、借り入れ条件である団体信用生命保険に加入ができないため、借り換えができない場合がある
・車のローンや教育ローンなど他のローンの借り入れにより返済負担率(※)が増えている場合も借り換えの審査が通りにくいケースがある

住宅ローンの借り換えも1度審査を通ったことがあるという経験で油断してはいけません。
新規借り入れ時とは違って、建物の価値が目減りしており、約10年後には減価償却で価値は半分近く落ちてしまいます。しかし、価値が半分でもローンも半額になっているとは限りません。金融機関としては、借り換えしてもらって融資額を増やしたいのが本音です。

そこで、担保評価額を甘くし、人物評価を厳しくしてバランスを取ります。
新規借り入れ時の年収基準が200万としたら借り換えは300~400万以上とするケースが多く、返済負担率(※)も同様に新規借り入れ時は35%以内だったのが30%以内になるなど厳しくなります。返済延滞がないかも評価されるので、支払いは忘れずにキチンとしておきましょう。

(※)返済負担率とは年収に占める住宅ローン返済額の割合です。各金融機関では融資の条件として返済負担率の上限を定めています。フラット35では、返済負担率が年収400万円未満の場合30%以下、400万円以上で35%以下という基準があります。

健康状態によっては団体信用生命保険に加入できない!?

銀行や信金などの金融機関では、団体信用生命保険(団信)に加入しないと住宅ローンを組むことができません。病気にかかって手術をしていたり、通院していたなどの健康状態では、団体信用生命保険(団信)に加入することができず、一般の銀行などの金融機関の住宅ローンでは借り入れができなくなるので注意が必要です。
そこで、団体信用生命保険(団信)に加入できないという人のために「ワイド団信」という商品が用意されています。ワイド団信は、通常の団体信用生命保険(団信)に比べて引き受けの範囲を広く設定しています。健康上の理由で通常の団体信用生命保険(団信)に加入できなかった人でも、これなら加入できる可能性があります。
ただし、一般の金融機関の住宅ローンには、団体信用生命保険(団信)にかかる保険料があらかじめ金利に含まれています。既往歴(病歴)がある人が加入できるワイド団信の金利は、通常の団信加入の場合に比べて高くなってしまいます。
「より低金利なものに借り換える」という目的から外れてしまうことはないかどうか、しっかり検討をしましょう。
また、フラット35は団体信用生命保険(団信)への加入が任意となっています。つまり、団体信用生命保険(団信)に加入できなくても借り入れることは可能です。ただし、団体信用生命保険(団信)に加入していないとなると、万一の場合に遺された家族がその住宅ローンを返済していかなくてはならなくなります。団体信用生命保険(団信)に加入せずに住宅ローンを借り入れる場合の対策として、以前から加入していた生命保険でカバーできるかどうかなどの確認をしておくと安心です。

教育ローンや車のローンの借り入れが増えた

住宅ローンの借入可能額を判断するためには、年収に占めるすべての借入金返済額の割合、総返済負担率で判断します。例えば、フラット35では年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下の総返済負担率であることが借り入れの条件です。
ここで注意したいのが“すべて”の借入金返済額ということ。これは住宅ローンだけでなく、車のローンや教育ローンの返済額も合計された金額で判断されます。
車をローンで購入して毎月数万円の返済をしている、その返済金額も含みます。
そして、教育ローンなども同様です。見落としがちなのが、自身が学生時代に借りた返済の終わっていない奨学金や、お子様の大学入学のタイミングで借りた教育ローンです。これらも、総返済負担率に考慮されます。
また、クレジットカードのキャッシング枠は、実際に利用していなくても限度額まで借り入れしているとみなされることがあります。クレジットカードの枚数を増やした際にキャッシングも可能としているかどうかもチェックしておきましょう。
借入金額を考える際には、住宅ローンの残債だけでなく、他の借入の残債についても考慮が必要です。もし、借りている車などのローンの金利が住宅ローンの金利よりも高い場合は、そちらを先に返済して住宅ローンの借入金額を増やす方が対策としては有効になります。

住宅ローンの返済状況を確認

お金を借りるためには信用がとても重要です。過去に住宅ローンの滞納はありませんか? 滞納というと数か月も支払いがされていない状況を思い浮かべるかもしれませんが、「たまたま銀行の残高が足りずローン返済の引き落としができなかった」という、“うっかりミス”も審査には影響してくる可能性があります。住宅ローンの借り換え審査の際には、各銀行などの金融機関は借り入れ状況や滞納履歴などの情報を信用情報機関に照会できます。これで滞納歴があると、銀行などの金融機関は信用できないと判断してしまい、審査が通らなくなってしまうことも考えらえます。
滞納という点で見落としがちな、自身の学生時代に借りた奨学金の返済や携帯電話の支払状況についても確認をしておきましょう。

上記でご紹介した注意点のほかに、転職して間がないという場合も審査が通りにくい要素の1つになります。せっかく、いろいろと準備をしても審査を通らなければ何にもなりません。まずは審査を受ける前にご自身で事前にチェックしておくことが大切です。

みんなはどうなの?借り換え時の審査でつまづいたところ

アンケートの結果、住宅ローン審査時に関する注意点を挙げる人が多く、その他には金利の変動による借り換えの損得についての回答がみられました。

・個人事業主なので確定申告の金額を少なく申告したことにより収入が低くなり審査が厳しい状況でした(40代/男性/自営業(個人事業主))

・土地(名義人が複数)を担保にローンを組みましたが、その結果土地の名義変更の際にも銀行の承諾が必要になり面倒なことになったなぁと感じました。(30代/男性/会社員)

・住宅ローンの借り換えには審査もありますし、諸経費も掛かります。単純に金利が安くなったから借り換えようという考えだと逆に損することもあるので注意が必要です。(30代/男性/会社員)

・クレジットカードでリボ払いにしていた分があり、それもその他借入れと見なされるので精算してしまわないといけなかったことです。(30代/女性/専業主婦)

住宅ローンを借りる際は、貸し手側による厳格なチェックが行われます。具体的には、職業が個人事業主やフリーランスの場合は収入が安定していないと見なされて審査に落ちやすいこと、担保の土地の名義変更の際に貸し手の銀行の承諾が必要なこと、クレジットカードのリボ払いも「その他の借り入れ」に見なされることが、よく見落としがちな注意点のようです。また借り換えに関しては、借り換えに掛かる手数料と金利の変動分によるローンの差額を勘案して検討する必要があることが回答結果から読み取れました。
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2015年10月06日~2015年10月20日
有効回答数:100サンプル

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