住宅ローン全期間固定金利の特徴

住宅ローンの常識の1つに、「全期間固定金利は変動金利より総返済額が多くなり損」というものがあります。
この『常識』、本当に正しいのでしょうか。そうとも言えない借入後の現実があります。それは、実際の返済期間です。

住宅ローンの金利

住宅本舗 編集部

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住宅ローン全期間固定金利の特徴

住宅ローンの平均は20年以下です

住宅ローンの常識の1つに、「全期間固定金利は変動金利より総返済額が多くなり損」というものがあります。この『常識』、本当に正しいのでしょうか。そうとも言えない借入後の現実があります。それは、実際の返済期間です。

実は、住宅ローンの平均返済期間は「15年から20年以下」(大手銀)と言われています。これは、返済期限前に前倒しして完済する人が、数多くいることを示しています。「全期間固定金利を選択した人にこの傾向が強い」とも言います。前倒し方法は、一部繰り上げ返済が最も多く、退職金や預貯金で、残額を一括返済をする人もいます。

初めて借りる人には想像もできないでしょうが、借入後、前倒しで完済する人が大勢いるというのも現実なのです。こうなると、全期間固定金利の返済額が常に最も多くなるかどうか疑問です。

図表は試算です。2,500万円を借りて3回の一部繰り上げ返済で合計600万円返済すると、総返済額が736万円減少します。全期間固定金利は、一部繰り上げ返済をすると確実に総返済額が減少します。返済資金は、全額元金部分の返済に充てられるので、元金減少分の利息分も減るからです。736万円と600万円の差額136万円が利息の減少分です。

元利均等返済は、最初に利息部分を多く取るので、返済時期が早いほど利息の減少額は大きくなります。返済期限前に完済した人は、間違いなく当初返済額よりも少ない返済額ですんでいます。

図表の試算でも住宅ローンの返済資金とは別に、600万円の一部繰り上げ返済資金を用意しなければならないので容易な話ではありません。しかし、1回目の一部繰り上げ返済後、返済期間を変更しなければ毎月の返済額のみ減少します。従来の返済額との差額を積み立てていけば、5年後の一部繰り上げ返済の原資を貯めることは十分に可能です。

つまり、積極的に返済することが次の返済原資を貯めることにつながるのです。返済期限前に完済した人の多くは、節約や収入増の努力だけではなく、そうした工夫もこらしたと思います。

住宅ローンリスクの負担方法が違う

変動金利でも同じことはできます。一部繰り上げ返済も可能ですし、返済資金は元金部分の返済にも充てられます。しかし、全期間固定金利のように「確実に総返済額が減少する」かどうかわかりません。それは、金利リスクの負担方法が違うからです。

全期間固定金利の金利リスクは、お金を貸した側が負います。借入側は、借入後の金利動向や、それに伴う負担の増減とは無縁です。金利変動の影響を受けないしくみなので、前倒し返済すれば、その分だけ元利金が確実に減少します。変動金利は、逆に借入側が金利リスクを負います。適用金利が上昇したら返済額の増加分は借入側が負担します。適用金利の動向次第で返済額が変動するしくみですから、「確実に総返済額が減少する」とは言えません。
誰しも借金は早く返したいと考えます。総返済額がわからない先行き不透明な状況では、前倒しの意欲は起こりません。前倒しのための資金計画が立てられないからです。全期間固定金利に前倒しの傾向が強いのは、そうした人間心理の裏返しに思えます。

全期間固定金利の住宅ローンは、多くの金融機関が取り扱っていますが、住宅金融支援機構のフラット35が最も有名です。フラット35は、一部繰り上げ返済の手数料が無料です。返済方法を変更する場合も同ように無料です。

同社もホームページで、ローンシミュレーションサービスを提供しています。一部繰り上げ返済のシミュレーションもできます。一度試してみて、返済額の減少効果を実感してほしいと思います。

(記事提供:ニッキンマネー 2013年11月号 p28-p29)

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