住宅ローン金利の推移と、金利に左右されない選び方のコツ

住宅ローンを選ぶ際に最も注目するのが「金利」。
これまでの金利の推移を解説するとともに、金利だけでない住宅ローンを選ぶポイントや、借り換えの相談例も紹介します。

住宅ローンの金利

住宅本舗 編集部

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2016年の住宅ローン金利の「今」を検証

金利の推移を振り返る前に、「今」はどうなのでしょうか?

まず、景気の先行きの不透明感。金利上昇の要因として景気改善と物価上昇が挙げられます。日本の景気には、アメリカや中国などの経済大国が大きな影響を与えています。特に中国は、経済に不安定な要素があり、2016年に景気改善とは容易に予想ができません。
さらに、中国発の世界同時株安も大きな影響を与えています。この世界同時株安により日本の株価も下落しています。

このような要因から、2016年の金利も現時点(2016年8月)で低金利となっており、今後も続いていくと予想されます。

これまでの住宅ローン金利の動向

住宅ローンの金利は、90年代前半までは高い水準で推移していました。それ以降は下がり始め、現在では低い水準で金利が安定しています。

変動金利が上昇したのは80~90年代のバブル景気による影響です。90~91年には変動金利が8.5%まで上昇しました。バブル経済崩壊後は金利は一気に下がり始めました。日銀の金融緩和制作も金利の低下に拍車をかけ、96年に2%台まで低下しました。これ以降、変動金利は2%台半ばを維持したまま現在に至ります。

一方、固定金利は2013年に2%まで上昇しました。しかし、これも一時的なもので今は1%台半ばの低水準で推移しています。

住宅ローンの金利が変わる理由。金利が上がる・金利が下がる要因とは

住宅ローンの金利動向はさまざまな要因により左右されます。

金利が上がる要因としては、景気改善、物価・株価の上昇、円安、金融引き締め政策、海外金利の上昇が挙げられます。

金利が下がる要因としては、景気低迷、物価・株価の下落、円高、金融緩和政策、海外金利の下落が挙げられます。

これらはあくまで代表的な要因で、実際は様々な要因を基に総合的に金利が決まるので、例えば景気が良くても物価が下がり、海外金利も下がっているのであれば金利は下がる可能性があります。

住宅ローン金利は、上昇・下降要因を基に決まる「無担保コール翌日物金利」と「10年国債の利回り」を指標に各金融機関が決定します。

「無担保コール翌日物金利」は変動金利の指標となり、「10年国債の利回り」は固定金利の指標となります。

住宅ローンはたった0.1%の上昇でも家計を直撃

「住宅ローンはライフプランとセットで検討を」と言うように、長く付き合っていくのが住宅ローンです。それだけに、金利が家計に与える影響は甚大です。

例えば、4,000万円を期間35年、金利3%の全期間固定で借りたとして、総返済額は6,465万円となります。

これが0.1%変わり、金利3.1%だったらどうでしょう。総返済額は6,559万円となり100万円近くも膨らんでしまいます。

それだけに、住宅ローンの金利タイプの選択は住宅購入における重要課題のひとつといえます。

住宅ローンの金利タイプは、固定・変動のどちらがいいか?

下の図は、3~6年ほど前の金利タイプ選択の内訳となっています。
この時点では変動金利を選択している人は50%近くとなっています。
0.1%でも家計にダメージを与える住宅ローン金利。変動金利と固定金利では1%以上の差がつくこともあります。
眼前の問題である月々の返済が少しでも安くなるのであれば変動金利を選んでしまうのも分かります。

住宅ローン金利タイプ選択の内訳

しかし、2015年に住宅本舗で行った下記のアンケート

住宅ローンは固定と変動のどっちの金利がいい?

こちらによると、ダントツで固定金利が人気となっています。

前述のように、景気の先行きが不安定ということで、青天井に金利が上がってしまう変動金利よりも、先々の生活の見通しが立てられる固定金利が好まれているようです。

変動金利の場合、借り入れ後の金利上昇は、毎月の返済額が増えることを意味します。それが、1万円であっても家計には大きな打撃となります。
住宅ローンの付き合いで一番怖いのは、返済ができなくなることです。ローンの滞納は、家族を育む空間を失うことに直結します。住宅ローン金利の動向に変化が感じられるようになってきたことで、「変動金利」「固定金利」の選択に関心が集まるのも無理のない話です。
大事なことは、金利がどのように変化しても、しっかりと返済を続けていくことです。

金利だけでない住宅ローン選びのポイント

住宅ローンを選ぶ際にどうしても目が行ってしまう金利。月々の返済や、いつまで・どのぐらい稼がないといけないのかといった生活に直結することなので、仕方のないことなのかもしれません。
しかし、本当に金利だけで選んでしまっていいのでしょうか?

金利以外の住宅ローンの選び方も冷静に考える必要があります。
(1)金利タイプの種類と特徴
(2)住宅ローンのリスク
(3)住宅ローン選びのポイント
の3つの視点から「金利だけではない住宅ローンの選び方」を考えたいと思います。

住宅ローンの金利は、「変動金利型」「固定期間選択型」「全期間固定型」の3タイプあります。

「変動金利型」は、6か月ごとに適用金利が見直されます。見直しは、返済完了まで行われます。

「固定期間選択型」は、あらかじめ固定金利の適用期間を決め、適用期間後に変動金利に切り替わります。

「全期間固定型」は、契約時の金利が返済終了まで適用されます。

一般に住宅ローンには、3つのリスクがあります。
(1)変動金利リスク
(2)生命のリスク
(3)火災のリスク
となります。

「変動金利リスク」は、適用金利の変動に伴う返済額の変動の事です。変動金利型は当然ですが、固定期間選択型も変動金利への移行後は、この変動金利リスクにさらされます。

「生命のリスク」は、返済中に借り入れ本人が死亡し、残債の返済が困難になることです。残された家族で返済ができればいいのですが、そうはいきません。このリスクをカバーするために団体信用生命保険(団信)があります。団信が借り入れ本人に代わって返済してくれます。

「火災のリスク」は、火災でマイホームそのものが失われる可能性です。消失した家屋を建て直すには費用がかかります。この費用をカバーするのが火災保険です。住宅ローンは、返済完了まで対象物件に火災保険を付けることが義務づけられる場合が一般的です。

金利タイプ選びで重要なのは「変わらないこと」

これらリスクを確認した上で、住宅ローンの金利タイプを決める前によく考えてほしいことがあります。

1つは、「借り入れ後」のことです。もう1つは、金利変動リスクは「誰が負担するのか」ということです。

金利タイプを比較するとき、つい月々の返済額の違いばかりに目がいきます。しかし、「借り入れ後」を考えた場合、大事なことは返済額の“多い”“少ない”ではなく、返済額が変わらないことです。

全期間固定型は、借り入れ時に全期間の金利が確定します。返済終了まで当初に確定した毎月・毎年の返済額が変わりません。変動金利型と固定期間選択型は、金利の変動に影響を受けます。借り入れ時点では、将来の金利動向がわからないので、返済額がどう変化するのか分かりません。

仮に適用金利が上昇して返済額が増加した場合、一体どういうことが起こる可能性があるのでしょうか。それは、「返済資金計画の狂いによる家計の混乱」です。収入が増えていればいいのですが、そうでなければ奥さんがパートに出る、家計支出の切り詰めなどが必要です。

それでも無理だと大変です。子供の養育費の取り崩しや保険の解約なども必要になります。金利の上昇が続き、未払い利息まで発生・増大すると、やりくりだけでは困難です。新たな借金が必要になったり、家そのものを失う事態に直面するかもしれません。家計の混乱は家庭の安定化を損ない、家族の人生も狂わせます。

毎月・毎年の返済額が変わらなければ、夫の失職などよほどの自体が起こらない限り混乱は避けられます。混乱が避けられれば、家庭の安定化を通じて家族の生活や夢が守れます。金利の低さや返済額の少なさは、“負担の最小化”を保証しても家庭の安定化まで保証するものではありません。

住宅ローンのリスクは誰が負うのか?

金利変動に伴うリスクは誰が負担するのでしょうか? 変動金利型は、借入人がリスクを負います。金利が上昇すれば自動的に返済額が増加します。

これに対して全期間固定型は、貸し手(金融機関)が金利変動のリスクを負います。金利が上昇しても利用者に転嫁できません。上昇に伴う損失は、自分で被るしかありません。

金利が下がっても、この構造は変わりません。変動金利型は、返済額減少の形で借入人がメリットを享受します。全期間固定型は、金利変動とは無関係なので返済減少のメリットはありません。要するに全期間固定型は、貸し手(金融機関)が金利変動のメリット・デメリットをすべて受け取る仕組みなのです。つまり、借り手には金利変動リスクがないということです。

全期間固定型の金利には、貸し手(金融機関)が引き受ける金利変動リスク分が加算されているので、変動金利型や固定期間選択型より高くなります。しかし、返済への不安と家計の混乱を避けることができるのであれば、全期間固定型の金利は決して高いものではありません。

肝心の住宅ローン選びのポイントとは

ポイントは以下の3つが挙げられます。
(1)ライフサイクルから住宅ローンを考える
(2)「返せる額」で資金計画を立てる
(3)住宅ローンの金利タイプとリスクを知る

マイホームの購入は、人生最大の買い物です。ブランドのバッグの衝動買いと同列には扱えません。ポイントをしっかり押さえて検討してください。

子供の進学や結婚、夫の定年退職など家庭のライフイベントとともに家計は変化します。住宅ローンの返済は長期にわたります。ライフサイクルをきちんとイメージして選んでください。

「金融機関が融資できる額」と「家計から無理なく返せる額」は同じではありません。ライフサイクルに基づく収入・支出見通しを確認して、「返済終了まで無理なく返せる額」を計算しましょう。それに基づく借入金額や返済額などの資金計画を立てましょう。

実は、“借り入れ金額が少ない”“返済期間が短い”などの場合は変動金利型の方が固定金利タイプよりもいい場合もあります。これは、金利だけで判断するという一面的な見方だけで住宅ローンは決められないことを意味しています。それぞれの特徴とリスクを理解したうえで、ライフイベントや人生設計に最もマッチする住宅ローンを選ぶ視点が欠かせません。

住宅ローンの借り換えの注意点を実例で紹介

住宅ローンの選び方のポイントを押さえていきました。
では、借り換えではどうなるのでしょう。
ここに、ファイナンシャルプランナーの渡邊さんへの相談実例がありますので、チェックしていきましょう。

京子:近所の奥さんから、住宅ローンを他の金融機関に乗り換えたら「生活が楽になった」って聞きました。そんなことがあるんですか?

渡邊:それは住宅ローンの「借り換え」ですね。借り換えとは、いま借りている住宅ローンから、さらに条件の良いローンに変更し、総返済額を軽くすることです。借り換えの目安としてよく言われるのが、
(1)ローン残高が1000万円以上
(2)完済までの期間が10年以上
(3)借り換え前後の金利差が1%以上
ですが、ローン残高が多い人なら金利差が0.5%程度でも、負担が軽くなる可能性はありますよ。

京子:それはすごい。でも住宅ローン金利って、かなり前から低い状態が続いていますよね。それでも、借り換えのメリットはあるんですか。

渡邊:おっしゃる通り、住宅ローン金利はこれ以上、下がらないような水準に達しているのは確かです。でも金融機関の金利引き下げ競争は依然として激しく、借り換え専用ローンの金利もかなり低めに設定されています。つまり今は、借り換えのチャンスというわけです。

京子:うちが借りたのは、7~8年前だけど、それでも大丈夫かしら?

渡邊:金融機関の金利優遇幅の推移から考えると、今から10年くらい前に借りた人や、京子さんのように2008年から2009年前半に借りた人でも、金利競争が激しくなる前の水準ですから、期待できると思いますよ。

京子:お得といっても、金額が問題よねー。その辺はどうなの。

渡邊:相談者の一例を、お話しましょう。その方は5年ほど前に、借入金額:約2,600万円、借入期間:35年、金利:変動年1.875%で組んだ住宅ローンを、その後、借入金額:約2,300万円、借入期間:30年、金利:変動型年0.875%で借り換えたところ、総返済額は400万円ほど軽減し、月々の返済も約1万1千円軽くなりました。これは、借り換え時点の金利が変動しないと仮定した場合ですが、かなりのメリットが出ることがわかると思います。

京子:うらやましい…。我が家はあれこれ節約して、やっと5千円浮く程度なのに。早速、夫に借り換えのこと、話してみます。

渡邊:でも京子さん、ちょっと待って。確かに借り換えは、家計の節約に大きな効果を発揮しますが、誰でもできるとは限りません。

京子:と言いますと?

渡邊:借り換えは、他の金融機関で新たに住宅ローンを組み直すことですから、一連のローン手続きもイチからご自身で行うことになります。団体信用生命保険も加入し直すので、借り換えの際、ご主人に大きな病歴があったりすると、団信に入れないばかりか、住宅ローンを組むことも原則できません。またローン審査も、借り換え先の金融機関で再び行うことになります。

京子:審査もやり直すんですか。聞いただけでもドキドキだわー。

渡邊:特に注意したいのは、住宅ローンとは別の借り入れが増えている場合です。よくあるのが、カードローンを繰り返し借りているケースですが、それが原因で審査に落ちてしまう可能性もあります。また借り換えの際には、融資手数料や保証料、それに抵当権の抹消・設定費用など、50万円前後の諸費用がかかります。要は、借り換えの費用対効果をきっちり試算しておくことが大切です。

京子:はい、わかりました。

渡邊:ちなみに、借り換え前の住宅ローンで保証料を「一括前払い方式」で支払っている場合は、すでに払い込んだ保証料の払い戻しがあります。いずれにせよ現在は、低金利と金融機関の住宅ローン競争で、借り換えに有利な状況であることは間違いありません。メリットが出そうなら、ぜひトライしてください。

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