「フラット35」の金利が2か月続けて上昇。今後はどうなる?

「住宅ローン」というと、銀行ローンをまず思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、もし条件が合えば、住宅金融支援機構の「フラット35」が最もお得なのをご存知でしょうか? 下落を続け、日銀のマイナス金利導入により過去最低を記録したフラット35の金利も、ここ2か月上昇しています。フラット35の金利がじわじわ上がっていくかも、という今、どんな影響が考えられるでしょうか?

フラット35比較

酒井富士子,回遊舎,経済ジャーナリスト

酒井富士子(回遊舎) 経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト。株式会社回遊舎代表取締役。日経ホーム出版社に入社、「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに入社。「あるじゃん」「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。近著に『60代の得する「働き方」ガイド』 (近代セールス社)がある。

下落を続けていた「フラット35」の金利が一段落?

フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して利用できるローン。全期間固定金利型なのが特徴で、借り入れ時の金利が返済終了まで続きます。
「金利が変わらない=返済額が一定」ということは、将来、金利が上昇してもそれに連動して、返済額が上がることがないので、長期でライフプランを立てやすいというメリットがあります。

その「フラット35」ですが、実は、日銀のマイナス金利導入により、金利が過去最低を記録していました。グラフを見ると分かりますが、2013年に2%を割り、そのときも過去最低と世の中では騒がれたものでした。それが、2014年12月には1.6%を割り、2015年は1.5%前後で推移していました。それが今年に入り3月に1.25%、4月1.19%、そして8月にはついに1%割れの0.9%をつけていました(実際は金融機関により、多少設定金利は異なります)。

出典:住宅金融支援機構

ところが、9月から一貫して金融緩和を提言し、マイナス金利まで導入した日銀の姿勢に変化が見られると市場が察知。金利を決める指標となる長期金利が、少しだけですが、上昇を始めたため、フラット35の金利もそれに合わせて、9月、10月と2か月続けて上がっています。ついに、下落を続けた「フラット35」の金利もここで一段落ということがいえるのかもしれません。

「フラット35」の金利、今後どうなる?

フラット35の金利がこれ以上、下落せず、もしかしたら、少しずつ上がっていくかも、という今、私たちへの影響にはどんなことが考えられるでしょうか?

実は、「フラット35」の利用は新規に家を買って住宅ローンを組む人だけに限られたものではありません。既にローンを組んでいる人の“借り換え”にも対応しています。借り換えとは、今の借り入れ先とは別の銀行でローンを組んで、元のローンを完済する方法。元のローンより低い金利で借り換えれば、金利が下がった分だけ、総返済額が減らせるというわけです。

そうした中、1%前後まで下がっている「フラット35」に借り換えれば、返済が終わるまでこの低金利を享受できるわけで、千載一遇のチャンス到来といえるわけです。

実際に機構が2015年11月から2016年2月に住宅ローンを借りた人を対象に実施したアンケート調査で、全期間固定金利型の利用者は、全体の36%。前回の調査の29%より大幅に増えています。

あるメガバンク担当者は、マイナス金利導入前までは変動金利と固定金利の利用者の割合は8対2だったものが、7対3にまで比率が変わってきていると話しています。また、今借り換えをする人は、変動金利より固定金利を選択する人が圧倒的だといいます。

これから、家を買う人や借り換えを検討したい人にとっては、今後の「フラット35」の金利動向が気になるところですが、10月31日から2日間開く日銀の金融政策決定会合でも、追加の金融緩和は見送る可能性が高いです。日銀は9月に、短期金利をマイナス0.1%、長期金利(10年物国債の利回り)を0%程度に誘導するという新政策を決定しています。今までの量的緩和政策(日銀が国債などを大量に買い取り、世の中に大量のお金を出回らせる政策)から金利重視に方針転換したわけです。つまり、当分は今の金利を継続させていく方針ということ。つまり、「フラット35」の金利も、今後、大幅に上がったり下がったりは、しばらくなさそうだ、ということになります。

まだまだ、史上最低金利に近い低金利は続いています。新規の借り入れの人はもちろんですが、借り換えを検討の人は急いだ方がいいかもしれません。

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