金融機関がチェックする住宅ローンの審査項目はここ

住宅ローンの審査は、年収や購入物件の証明になる様々な書類を揃えて提出します。銀行などの金融機関は、提出された書類を基に審査をします。実際のところ、どのような審査項目をクリアしていれば融資を受けることができるのか気になります。
銀行などの金融機関が審査する内容について確認しておきましょう。

住宅ローンの審査に通るためのポイント

森田 和子(もりた かずこ)

森田 和子(もりた かずこ) 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

金融商品の仲介業を行わない独立系のFPとして個人の方への資産・家計のコンサルティングを行っている。お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。企業・学校・イベント等で行うマネープランセミナー・講演も好評。「おかねネット」主宰http://okane-net.com/
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローンの申し込み条件の一例

銀行などの金融機関の住宅ローンの申し込みには、下記のような条件が示されています。
・借入時の年齢が20歳以上、70歳以下
・最終返済時の年齢が満80歳未満
・安定かつ継続した収入があること
・団体信用生命保険に加入できること
・国内に住んでいること

住宅ローンを借りる上で年齢は重要な条件です。一般的に借入時は20歳以上65歳~70歳まで、完済時は75歳~80歳までとなっています。
住宅ローンの返済は、長期間にわたるため、安定した収入が見込めることを重視する銀行などの金融機関は多いです。また、「転職してすぐにはローンが借りられない可能性がある」と言われますが、勤続年数を審査の条件にしている金融機関は多いようです。団体信用生命保険(団信)については、フラット35のように加入が任意の住宅ローンもありますが、民間の金融機関では融資の条件に含まれます。健康状態に問題があり、団体信用生命保険(団信)に加入できない場合には、民間の金融機関で住宅ローンを利用することは難しくなります。
そして、「日本に住んでいる」というだけでなく、国籍が日本であること、また外国人であれば永住許可等を受けていることを条件としている金融機関もあります。
ただし、これらの条件を満たしても融資を受けられるとは限りません。
そのほかにはどのような項目が審査されるのでしょうか。

銀行などの金融機関が住宅ローン審査で考慮している審査項目

国土交通省は住宅ローンを扱う全国の金融機関に「住宅ローンの融資審査を行う際の審査項目」についてアンケート調査をしています。
アンケート調査の結果は、次のようになります。

融資を行う際に考慮する項目(平成27年度調査)

融資を行う際に考慮する項目 考慮する金融機関の割合
1 完済時年齢 99.3%
2 健康状態 98.4%
3 担保評価 97.8%
4 借入時年齢 97.5%
5 勤続年数 96.4%
6 年収 95.6%
7 連帯保証 92.6%
8 金融機関の営業エリア 92.4%
9 融資可能額(融資率)①購入の場合 90.7%
10 融資可能額(融資率)②借り換えの場合 88.4%
11 返済負担率 87.4%
12 カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 77.5%
13 雇用形態 77.1%
14 所有資産 68.0%
15 国籍 64.9%
16 申込人との取引状況 59.5%
17 業種 38.4%
18 雇用先の規模 30.1%
19 家族構成 29.9%
20 性別 21.1%
21 その他 6.6%

※「平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書/国土交通省 住宅局」より

3の「担保評価」とは、住宅ローンの対象になる購入物件そのものの評価です。融資の担保にできる物件であるかどうかを審査されます。
7の「連帯保証」とは、連帯保証人が求められる場合に関係する項目です。契約者のみの収入では問題があり収入合算が必要な場合や、住宅が契約者の単独名義ではない場合などがあります。
9、10の「融資可能額(融資率)」は住宅の物件価格に対する融資額の割合です。頭金の割合が多いほど金利が優遇される金融機関もあるので、自己資金が多いに越したことはありません。
11の「返済負担率」は年収に対する年間返済額の割合をいいます。目安としては、「フラット35」は、年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下が基準とされています。
例えば、年収500万円の方なら年間175万円、月に換算すると約14万円となります。ただし、限度額いっぱい借り入れるのではなく、無理なく返済できる金額を考えて借り入れることが大切です。
12の「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」は、金融機関は信用情報機関に照会を行います。自動車ローンやキャッシングといった住宅ローン以外の借り入れがあるか、クレジットカードの支払いなど延滞がないかなどをチェックします。

スコアリング方式は4割

これらの審査項目に点数をつけ、その合計点によって「融資する・しない」を決めるのをスコアリング方式と呼びます。しかし、下に記載の金融機関へのアンケート結果見ると、部分的にでもこの方式を採用しているのは4割にすぎないことが分かります。クリアしている審査項目が多いからといって必ずしも借りられるわけではなく、また少ないから借りられないということではないようです。

スコアリング方式を中心にして審査を行っている…15.5%
スコアリング方式により一部審査を行っている …24.7%
スコアリング方式では審査を行っていない   …59.7%
(平成27年度調査)

※「平成27年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書/国土交通省 住宅局」より

住宅ローンの審査基準は公表されておらず、金融機関ごとに審査基準のは異なります。そのため、ある金融機関で融資を断られても、他の金融機関でOKが出るケースもありますので、いくつかの金融機関に相談してみるとよいでしょう。

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