住宅ローンの借り換え相談【具体的な借り換えメリット額はいくら?】

時間がなくて住宅ローンの借り換えを検討できていない、そんな方は多いのではないでしょうか。知らない間に相場の3~4倍の住宅ローンを返済している、という場合もあります。特に10年固定金利で借り入れている場合、固定期間が終了した後の金利優遇幅にも注意する必要があります。今回は実際にあった相談事例を元に、どのぐらい借り換えメリットが出るのかを考えてみました。

住宅ローン借り換えの基礎知識

丸尾 健

丸尾 健 株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティング 代表執行役

大学卒業後、建築関連の仕事を経て大手商社系の中高級住宅を扱うハウスメーカーに入社。在籍期間9年のうち5年は店長職を兼務。MVP賞3回。その後、大手金融機関のファイナンシャル・プランニング部門に転職。FP先進国の米国のファイナンシャルプランニングメソッドトレーニングを受講。2009年9月に独立して、株式会社N&Bファイナンシャル・コンサルティングを設立。FP経験現在9年目。新規年間相談件数120件前後、面談累計件数1,000件以上。主に個別面談を中心に活動している、実務家FP。ライフプラン全体を通してのマネープランの作成、資産形成アドバイスの提案に定評がある。

ご面談日 2017年11月21日
ご相談者 佐藤 勝子様(仮名)/53歳(独身)/職業:看護師

佐藤様とは外資系生命保険の営業マンのご紹介でお会いしました。
普段、看護師として働き、趣味で合唱サークルにも行っていること、お母様が高齢でやや体調を崩し気味のため、通院に付き添うなど非常に忙しい生活を送っておられました。そのため、ゆっくり自分のお金のことを検討する時間が無かったところ、経験豊富な住宅ローン専門のファイナンシャルプランナーに相談ができると聞いて、弊社事務所までお越しいただきました。
当日もお打合せ後、用事があるとのことで、世間話もそこそこにご相談をスタートしました。
早速お持ちいただいた住宅ローンの「返済予定表」(※1)を確認させていただくと、大手銀行の10年固定金利プランのものでした。

また、ちょうど10年の固定期間が終わったタイミングで、新しい条件に変更となっており、その案内のハガキもお持ちでした。

  • 佐藤様のお借入プラン(当初)
項目名
金利タイプ 10年固定金利
借り入れ金利 2.475%
当初借入 2,800万円
月額返済 99,723円
  • 佐藤さまのお借入プラン(固定期間終了後)
項目名
金利タイプ 変動金利
借り入れ金利 2.275%
当初借入 2,182万円
月額返済 97,405円

表は左右にスクロールできます。

まず、住宅ローン専門FPの私がすぐにお伝えしたいところは、借り換えた場合のメリットについてです。佐藤さまのケースの場合、最新の金利水準を知っていれば、大幅に借り換えメリットがでることは計算するまでもなく明らかです。
現在のプランは変動金利2.275%ですが、最新の金利は0.5%~高くても0.875%位です。

つまり、現在借り入れ中の金利と比べると4分の1~3分の1くらいが平均的な相場なのに、3倍~4倍の金利で住宅ローンを借りているという、重症患者の状況でした。
「家賃10万円が相場であり、それを知らないがゆえに30~40万円で借りている」というケースはほとんどないと思うのですが、住宅ローンの金利については、まだまだこのように最新金利の4倍の金利で借りているという方は少なくありません。

借換えが成功した場合、毎月返済額と総返済額は下記のように変わります。

残債 金利 月額返済額 総返済額
現在のプラン 2,182万円  2.275%  97,405円  2,863万円
借り換え後のプラン 2,250万円(※2)  0.497%  79,771円  2,393万円
差分 +68万円  -1.778%  -17,634円 -470万円

表は左右にスクロールできます。

・上記は比較計算上、変動金利で今後の金利上昇はなかったという前提で計算しています。  現在借り入れ中の金利も、新しく借り入れる金利も双方変動金利のため、同条件で比較計算しています。
・某ネット銀行で借り換えをした場合を想定しています。

借換えした瞬間、借入金額は増加しますが、現状よりも毎月返済で17,634円 総返済額で470万円安くなることはほぼ確定します。
これが、住宅ローンを借り換えすることの1つ目かつ最大の効果です!!
佐藤さまは上記のような借り換えメリットが出ることがわかりました。では私の場合はどうなの?という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
次月は「実際に借り換えメリットが出るのかどうかをセルフチェックするためのポイント」についてお伝えします。

※1 返済予定表とは償還表とも呼ばれ、住宅ローンを借りたときに受け取る、今後の返済予定が一覧に記載された用紙になります。
固定金利プランで借りた場合はその固定期間のすべての情報が記載してあり、変動金利プランの場合は半年ごとに向こう半年分の予定が記載されたものが郵送されます。
※2 借換えの際は、それに伴い諸費用がかかります。表記の金額は残債+諸費用を上乗せした金額となります。諸費用とは登録免許税・印紙代・司法書士報酬・銀行の事務手数料などになります。
※本記事は2017年12月より連載中の記事です。連載第2回はこちら。
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