ネット銀行住宅ローンのメリット・デメリットと失敗や後悔をしない比較方法を解説

マイホームの購入を考え始めたとき、多くの方が目にするのがネット銀行の「低金利」な住宅ローン。店舗型銀行よりも総返済額を抑えられるなら、ぜひ検討したい選択肢ですよね。

しかし、その一方で「審査が厳しいらしい」「手続きが全部ネットで不安」「対面で相談できないのは危険では?」といった声も聞こえてきます。メリットが大きいことは分かりつつも、デメリットや失敗談を聞くと、一歩を踏み出すのをためらってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたの疑問や不安を解消するために、ネット銀行の住宅ローンのメリット・デメリットを徹底的に解説します。さらに、先輩たちのリアルな失敗例から学び、「金利の低さ」だけに惑わされない後悔しないための比較方法、そして2025年最新のおすすめネット銀行まで、専門的な情報を分かりやすくまとめました。

この記事を最後まで読めば、ネット銀行住宅ローンの全体像を正しく理解し、自分にとって最適な選択肢はどれなのか、自信を持って判断できるようになるでしょう。

この記事のポイント
  • ネット銀行住宅ローンのメリットと、知っておくべき危険なデメリットがわかる
  • 金利比較の落とし穴や手数料で損をするなど、よくある失敗例と対策を解説
  • 手数料や団信の保障内容まで含めた、後悔しないための正しい比較方法が身につく
  • 【2025年最新】目的や状況に合わせたおすすめのネット銀行が見つかる
目次

そもそもネット銀行の住宅ローンとは?店舗型銀行との違い

ネット銀行の住宅ローンは、低金利を魅力に感じる方が増える一方で、従来の店舗型銀行との違いがよくわからず、利用に踏み切れない方もいるかもしれません。この章では、ネット銀行の基本的な特徴から、店舗型銀行との具体的な違いまでを分かりやすく解説します。これらの違いを理解することが、後悔しない住宅ローン選びの第一歩です。

  • 実店舗がない!手続きはすべてオンラインで完結
  • なぜ金利が低い?コスト構造の違いを解説
  • 審査の仕組みはどう違う?スピードと厳しさのポイント
  • どんな金融商品を扱っている?メガバンクとのサービス比較
  • 提携ATMがメインに!お金の出し入れで知っておくべきこと
  • 対面で相談できない!サポート体制の違いと活用法

実店舗がない!手続きはすべてオンラインで完結

ネット銀行の住宅ローンが持つ最も大きな特徴は、原則として物理的な店舗を持たず、すべての手続きがインターネット上で完結する点です。申し込みから審査、契約に至るまで、パソコンやスマートフォンを使って自宅から進めることができます

このため、平日の日中に銀行窓口へ足を運ぶ時間が取れない方や、近隣に利用したい銀行の支店がない方でも、時間や場所を問わずに手続きを進めることが可能です。多くの銀行では、本人確認書類などもスマートフォンのカメラで撮影した画像をアップロードするだけで提出が完了します。ただ、一部の銀行や手続き内容によっては、書類の郵送が必要になるケースもあるため、事前に確認しておくとよりスムーズに進められるでしょう。このように、手続きの手軽さと利便性の高さが、ネット銀行が支持される大きな理由の一つとなっています。

なぜ金利が低い?コスト構造の違いを解説

ネット銀行の住宅ローンが、店舗型銀行に比べて低い金利を提供できるのには明確な理由があります。それは、事業運営にかかるコスト構造が根本的に異なるからです。

店舗型の銀行は、全国各地に支店を構え、窓口業務を行う行員を配置する必要があります。これには、店舗の家賃や維持費、そして多くの人件費といった莫大な固定費がかかります。一方、ネット銀行は実店舗を持たないため、これらのコストを大幅に削減できます。削減できたコスト分を、住宅ローンの金利引き下げや魅力的なサービスに還元しているのです。住宅ローンは数千万円単位の大きな金額を長期間借り入れるため、わずか0.1%の金利差でも総返済額は数十万円、場合によっては数百万円もの差になります。だからこそ、コストを抑えて低金利を実現できるネット銀行の仕組みは、利用者にとって非常に大きなメリットとなるのです。

審査の仕組みはどう違う?スピードと厳しさのポイント

ネット銀行と店舗型銀行では、住宅ローンの審査プロセスや基準にも違いが見られます。多くの場合、ネット銀行は事前審査の結果が早く、店舗型銀行は比較的時間がかかる傾向にあります。一方で、本審査の厳しさについてはネット銀行の方が厳しいと言われることが少なくありません

なぜなら、ネット銀行は大量の申し込みを効率的に処理するため、提出されたデータをもとにシステムで画一的に審査を行う仕組みが中心だからです。これにより事前審査のスピードは上がりますが、個別の事情を汲んだ柔軟な対応は難しくなります。逆に店舗型銀行では、担当者との面談を通じて人柄や状況を伝える機会があり、それが審査に考慮される可能性も残されています。

項目ネット銀行店舗型銀行(メガバンクなど)
相談方法メール、電話、Web面談が中心対面での相談が可能
審査の進め方主にWeb上で完結店舗や自宅での手続きが中心
審査スピード事前審査は早いが本審査は遅め事前審査はやや遅く、本審査も時間がかかる傾向
審査の厳しさ厳しい傾向(画一的評価)比較的柔軟な対応が期待できる

どんな金融商品を扱っている?メガバンクとのサービス比較

住宅ローンを検討する際、その銀行がどのような金融商品を扱っているかも気になる点かもしれません。結論から言うと、ネット銀行が扱っている金融商品は、店舗型のメガバンクなどと比べて大きな違いはほとんどありません

普通預金や定期預金はもちろんのこと、外貨預金、投資信託、カードローン、そして住宅ローンといった主要な金融サービスは、ほぼ同じように提供されています。そのため、住宅ローン契約を機にメインバンクをネット銀行に移したとしても、日常的なお金のやり取りで不便を感じることは少ないでしょう。むしろ、インターネットバンキングの使いやすさや、各種手数料の安さといった点で、ネット銀行の方が利便性が高いと感じる場面も多いかもしれません。

提携ATMがメインに!お金の出し入れで知っておくべきこと

ネット銀行は自前の店舗や専用ATMをほとんど持っていません。このため、日常的な現金の引き出しや預け入れは、提携しているコンビニエンスストアや他の金融機関のATMを利用するのが基本となります。

「専用ATMがないと不便なのでは?」と感じる方もいるかもしれませんが、実際には全国のコンビニATMが使えるため、むしろ利便性は高いと言えます。多くはセブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、E-net(ファミリーマートなど)といった主要なコンビニATMに対応しています。さらに、多くのネット銀行では、預金残高などの条件に応じて月数回までATM利用手数料が無料になる特典を用意しています。この無料回数をうまく活用すれば、手数料を気にすることなく、店舗型銀行と同じかそれ以上に便利にお金を引き出すことが可能です。

対面で相談できない!サポート体制の違いと活用法

ネット銀行の明確なデメリットとして挙げられるのが、対面での相談が原則としてできない点です。住宅ローンは複雑で専門的な内容も多いため、「担当者の顔を見てじっくり相談したい」と考える方にとっては、大きな不安材料になるでしょう。

このため、手続き中に疑問点や不安が生じた場合の主な相談方法は、電話やメール、チャットになります。最近では、予約制のオンライン相談会を実施している銀行も増えてきました。たしかに、店舗窓口のような手厚いサポートは期待できないかもしれません。しかし、大手通信キャリア系列のauじぶん銀行のように、コールセンターの応対品質に定評がある銀行もあります。もしサポート面を重視するのであれば、こうした利用者の口コミや評判を事前に調べておくと、安心して手続きを進めることができるでしょう。

ネット銀行住宅ローンのメリット【低金利だけじゃない!】

ネット銀行の住宅ローンを選ぶ最大の動機は、多くの場合「金利の低さ」でしょう。しかし、その魅力は金利だけに留まりません。この章では、手続きの利便性や審査のスピード、さらには団体信用生命保険の充実度など、金利以外にも注目すべきネット銀行のメリットを多角的に解説していきます。

  • なんといっても低金利!総返済額を抑えられる仕組み
  • 24時間申し込みOK!時間と場所を選ばない利便性
  • 仮審査(事前審査)の結果が最短即日でわかるスピード感
  • 団体信用生命保険(団信)の保障内容が充実しているケースも
  • ポイント付与や手数料割引など独自の特典が豊富
  • Web上で完結するため印紙税が不要になる場合も

なんといっても低金利!総返済額を抑えられる仕組み

ネット銀行住宅ローンの最大のメリットは、やはり金利水準の低さです。前述の通り、ネット銀行は店舗運営コストや人件費を抑えられるため、その分を金利に反映し、魅力的な条件を提示できます。

住宅ローンのような高額な借り入れでは、わずかな金利差が総返済額に大きな影響を及ぼします。例えば、3,000万円を35年で返済する場合、金利が0.1%違うだけで総返済額は約60万円も変わってきます。これは決して無視できない金額です。低い金利で借り入れができれば、毎月の返済額を抑えることにもつながり、家計に余裕が生まれます。その余裕資金を貯蓄や投資に回したり、繰り上げ返済の原資にしたりと、将来のライフプランにも良い影響を与えるでしょう。

24時間申し込みOK!時間と場所を選ばない利便性

手続きの手軽さも、ネット銀行の大きなメリットの一つです。店舗型銀行の場合、申し込みや契約手続きのために、平日の日中に窓口へ行かなければなりません。これは、仕事で忙しい方にとっては大きな負担となります。

一方、ネット銀行であれば、事前審査の申し込みから契約手続きまで、ほとんどのプロセスをインターネット経由で行えます。24時間いつでもアクセスできるため、仕事終わりの夜間や休日など、自分の都合の良いタイミングで手続きを進めることが可能です。書類のやり取りも、郵送ではなくオンラインでのアップロードで完結する銀行が増えており、手間と時間を大幅に削減できます。このように、現代のライフスタイルに合った柔軟な手続き方法は、多忙な方にとって強力な味方となるはずです。

仮審査(事前審査)の結果が最短即日でわかるスピード感

事前審査(仮審査)の結果がスピーディーにわかることも、ネット銀行ならではの強みです。事前審査とは、年収や勤務先、借入希望額などの自己申告情報をもとに行う簡易的な審査のことです。

店舗型銀行では結果が出るまでに数日から1週間程度かかるのが一般的ですが、ネット銀行の中には最短即日で回答を出すところもあります。住宅購入では、良い物件が見つかった際に、住宅ローンの事前審査に通っていることが購入申し込みの条件になるケースが少なくありません。審査結果が早くわかるということは、人気の物件を他の人に取られてしまうリスクを減らし、有利に交渉を進められる可能性を高めます。審査の結果を待つ間の不安な時間を短縮できるという精神的なメリットも大きいでしょう。

団体信用生命保険(団信)の保障内容が充実しているケースも

住宅ローンを組む際には、ほとんどの場合、団体信用生命保険(団信)への加入が必須となります。これは、契約者に万が一のことがあった場合に、保険金でローン残高が完済される仕組みです。ネット銀行の中には、この団信の保障内容が非常に充実しているところがあります

通常の団信は死亡・高度障害状態のみを保障しますが、例えばauじぶん銀行では、がん診断でローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が金利上乗せなしで付帯します(※加入条件あり)。他にも、特定の疾病に対する保障を手厚くしたプランを、比較的安い上乗せ金利で提供している銀行も多く見られます。低金利であることに加え、こうした手厚い保障を割安で利用できる点は、ネット銀行の隠れた、しかし非常に大きなメリットと言えるでしょう。

ポイント付与や手数料割引など独自の特典が豊富

ネット銀行各社は、顧客獲得のためにユニークで魅力的な特典を用意しています。これは、住宅ローンのような長期的な取引を通じて、自社の他のサービスも利用してもらいたいという狙いがあるからです。

例えば、特定の通信キャリアや電力会社と契約していると住宅ローン金利がさらに引き下げられるサービスや、関連会社のクレジットカードで買い物をした際のポイント還元率がアップするといった特典があります。また、ATM手数料や振込手数料が一定回数無料になるといった、日常的に使えるサービスも充実しています。これらの特典をうまく活用すれば、金利の低さに加えて、生活全般でのお得感を享受することが可能です。住宅ローンを選ぶ際には、こうした付帯サービスにも目を向けてみるとよいでしょう。

Web上で完結するため印紙税が不要になる場合も

住宅ローンを契約する際には、契約書に印紙を貼ることで納税する「印紙税」という費用が発生します。借入額が1,000万円超5,000万円以下の場合、2万円の印紙税がかかるのが一般的です。

しかし、ネット銀行の多くは契約手続きを電子的に行う「電子契約」を採用しています。現在の法律では、電子契約で交わされる契約書は課税文書に該当しないとされているため、印紙税がかかりません。ペアローンなどで2本の契約を結ぶ場合は、この印紙税も2倍になりますが、電子契約であればその分も節約できます。金額としては数万円ですが、住宅購入時には何かと物入りになるため、少しでも諸費用を抑えられるのは嬉しいポイントです。

知らないと危険!ネット銀行住宅ローンのデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、ネット銀行の住宅ローンには知っておくべきデメリットや注意点も存在します。これらの点を理解しないまま手続きを進めてしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。この章では、審査の厳しさや手数料、対応物件の制限など、事前に把握しておくべき重要なポイントを解説します。

  • 本審査に時間がかかりやすい!書類のやり取りが郵送の場合も
  • 審査基準が厳格で、個別の事情が考慮されにくい
  • 借入額によっては事務手数料が高額になる可能性
  • 固定金利は必ずしも低くない?金利タイプごとの特徴
  • 対応不可の物件も?担保評価が厳しいケースとは
  • 「つなぎ融資」に対応していない銀行が多い

本審査に時間がかかりやすい!書類のやり取りが郵送の場合も

ネット銀行は事前審査がスピーディーな反面、本審査には時間がかかる傾向があります。これは、本審査では住民票や印鑑証明書、所得証明書といった公的な書類の提出が求められ、その内容を厳密に確認するプロセスが必要になるからです。

特に、書類のやり取りを郵送で行う銀行の場合、書類の不備や記入漏れがあると、再提出のためにさらに時間がかかってしまいます。対面であればその場で指摘してもらえますが、郵送ではそうはいきません。結果として、申し込みから融資実行までに1ヶ月半以上かかるケースも珍しくありません。不動産の引き渡し日が決まっている場合、融資が間に合わないという事態は絶対に避けなければなりません。スケジュールには十分に余裕を持って申し込むことが重要です。

審査基準が厳格で、個別の事情が考慮されにくい

ネット銀行の審査は、提出された書類やデータに基づいて画一的に行われるため、店舗型銀行に比べて審査基準が厳格であると言われています。貸し倒れのリスクを徹底的に避けるため、申込者の勤務先規模や勤続年数、自己資金の比率などをシビアに評価します。

このため、例えば自営業者や個人事業主、勤続年数が短い方など、収入の安定性という面で少しでも懸念があると、審査に通りにくい傾向があります。店舗型銀行であれば、担当者との面談で事業の将来性などを説明し、個別の事情を考慮してもらえる可能性がありますが、ネット銀行ではそのような柔軟な対応は期待できません。どれか一つでも基準を満たさない項目があれば、融資を断られてしまう可能性があることを理解しておく必要があります。

借入額によっては事務手数料が高額になる可能性

ネット銀行の住宅ローンは、「保証料無料」をうたっている場合が多いですが、その代わりに「融資事務手数料」が高めに設定されている点に注意が必要です。この手数料は、借入額に対して一定の割合(例えば2.2%)がかかる「定率制」が主流です。

仮に3,000万円を借り入れた場合、手数料は66万円にもなります。一方で、店舗型銀行では数万円程度の「定額制」を採用していることも多く、この場合、諸費用全体で比較するとネット銀行の方が高くなる可能性も十分に考えられます。金利の低さだけに目を奪われず、手数料を含めたトータルコストでどちらが有利になるのかを、契約前に必ずシミュレーションすることが大切です。

固定金利は必ずしも低くない?金利タイプごとの特徴

ネット銀行は、変動金利の低さを最大の武器として顧客にアピールしている金融機関が少なくありません。事実、変動金利においては業界トップクラスの低金利を提供している銀行が数多く存在します。

しかし、その一方で、長期間金利が変わらない「全期間固定金利」や、一定期間金利を固定する「固定金利特約」については、店舗型銀行の方が有利な条件を提示している場合があります。もし「将来の金利上昇リスクを避けたい」という理由で固定金利を希望しているのであれば、ネット銀行だけに絞らず、店舗型銀行の金利プランともしっかりと比較検討することをおすすめします。変動金利と固定金利のどちらを重視するかによって、最適な銀行は変わってくるのです。

対応不可の物件も?担保評価が厳しいケースとは

住宅ローンでは、購入する物件を担保として設定します。万が一返済が滞った場合、銀行はその物件を売却して資金を回収するため、物件の担保価値を厳しく審査します。ネット銀行は、この物件審査の基準も厳しい傾向にあります

例えば、土地の所有権がなく建物の権利だけを持つ「借地権」の物件や、現在の耐震基準を満たしていない「旧耐震基準」の中古物件などは、担保価値が低いと判断され、融資の対象外となることがほとんどです。また、再建築ができない物件なども同様です。購入したい物件がこうした条件に当てはまる可能性がある場合は、事前審査を申し込む前に、そのネット銀行が取り扱い可能かどうかを不動産会社経由などで確認しておくと無駄な手間を省けます。

「つなぎ融資」に対応していない銀行が多い

つなぎ融資とは
注文住宅を建てる場合、土地の購入代金や工事の着工金、中間金など、住宅が完成する前にまとまった資金が必要になることがあります。住宅ローンは通常、建物が完成し引き渡されるタイミングで融資が実行されるため、それまでの支払いに充てるための一時的なローン

しかし、多くのネット銀行では、この「つなぎ融資」を取り扱っていません。そのため、注文住宅を検討している方がネット銀行を利用する場合、土地代などを自己資金でまかなうか、つなぎ融資を専門に扱う別の金融機関を探す必要があります。これは非常に手間がかかる上、金利も割高になる可能性があります。注文住宅を計画している方は、この「つなぎ融資」の有無が銀行選びの非常に重要なポイントになることを覚えておきましょう。

ネット銀行住宅ローンで「後悔」…よくある5つの失敗パターン

「低金利だと思って選んだのに、結果的に損をしてしまった」「手続きがうまくいかず、希望の日に融資を受けられなかった」など、ネット銀行の住宅ローンで後悔するケースは少なくありません。この章では、先輩たちの失敗談から、陥りがちな落とし穴と、それを避けるための具体的な対策を学びます。

  • 複数社を比較せず金利だけで決めてしまった失敗
  • 返済計画が甘く、変動金利の上昇リスクに対応できない
  • 「保証料0円」の裏側!事務手数料を含めた総費用で損をする
  • 審査が厳しいことを知らず、希望額の融資を受けられなかった
  • 団信の保障内容をよく確認せず、万が一の備えが不十分に

複数社を比較せず金利だけで決めてしまった失敗

住宅ローン選びで最も陥りやすい失敗が、表面的な金利の低さだけで金融機関を決めてしまうことです。特にネット銀行は魅力的な低金利を提示しているため、一社の広告だけを見て安易に申し込んでしまう方がいます。

しかし、住宅ローンの条件は金利だけでは決まりません。前述の通り、事務手数料の金額や、団体信用生命保険の保障内容、繰り上げ返済のしやすさなど、比較すべき項目は多岐にわたります。ある銀行は金利が少し高くても、手数料が安く、団信の保障が手厚いかもしれません。逆に、金利は最低水準でも、手数料が高額で、結果的に総支払額では他の銀行に劣るというケースも十分にあり得ます。面倒でも必ず複数の銀行のプランを比較し、総合的なコストとサービス内容で判断することが、後悔しないための鉄則です。

返済計画が甘く、変動金利の上昇リスクに対応できない

ネット銀行が提供する変動金利は2024年3月マイナス金利解除後、二度の利上げがあったものの現在もまだ低い水準にあり、毎月の返済額を抑えられるため魅力的です。しかし、変動金利は今後も日銀の利上げが続けば、それに連動して変動金利も上昇し返済額も増えるというリスクを内包しています。

このリスクを十分に理解せず、今の金利水準がずっと続くと考えてギリギリの返済計画を立ててしまうのは非常に危険です。もし将来、さらに金利が上昇して返済額が増えた場合、家計が圧迫され、最悪の場合は返済が困難になる可能性もあります。変動金利を選ぶのであれば、金利が上昇しても家計が破綻しないよう、現在の返済額と上昇後の返済額の差額分を毎月貯蓄に回すなど、具体的な対策を立てておくことが不可欠です。

「保証料0円」の裏側!事務手数料を含めた総費用で損をする

「保証料0円」という言葉は、諸費用を抑えたいと考えている人にとって非常に魅力的に聞こえます。しかし、この言葉だけで判断するのは早計です。多くのネット銀行では、保証料を無料にする代わりに、借入額の2.2%といった定率の事務手数料を設定しています

例えば、4,000万円を借り入れると事務手数料は88万円になります。一方で、店舗型銀行では保証料がかかる代わりに、事務手数料は数万円の定額制という場合があります。どちらの総費用が安くなるかは、保証料の金額と事務手数料を具体的に計算してみなければ分かりません。住宅ローンの諸費用は複雑ですが、「保証料」「事務手数料」「団信料」「印紙税」といった項目をリストアップし、総額で比較する視点を忘れないようにしましょう

審査が厳しいことを知らず、希望額の融資を受けられなかった

ネット銀行の審査が厳しいという特性を理解しないまま申し込んでしまうと、希望していた金額が借りられなかったり、最悪の場合は審査に落ちてしまったりすることがあります。特に、事前審査は通過したのに、詳細な書類を提出する本審査で否決されると、精神的なショックも大きく、住宅の購入計画そのものを見直さなければならなくなります。

自営業の方や、転職して間もない方、他に多くの借り入れがある方などは、ネット銀行の画一的な審査基準では不利になる可能性が高いです。もし自身の属性に少しでも不安がある場合は、ネット銀行だけに絞らず、個別の事情を相談できる店舗型銀行も併願しておくことを強くおすすめします。複数の選択肢を持っておくことが、リスク管理の観点から非常に重要です。

団信の保障内容をよく確認せず、万が一の備えが不十分に

団体信用生命保険(団信)は、自分や家族の将来を守るための重要な保障です。しかし、住宅ローン契約時には金利や手続きのことばかりに気を取られ、団信の内容を詳しく確認しないまま契約してしまう方がいます。

ネット銀行の中には、がん保障などが無料で付帯する手厚いプランがある一方で、基本的な死亡・高度障害保障のみのシンプルなプランしか選べない銀行もあります。また、健康状態に不安がある方が加入できる「ワイド団信」は、金利が上乗せになります。自分たちのライフプランや健康状態を考えたときに、どのような保障が必要なのかを夫婦で話し合い、それに合った団信を提供している銀行を選ぶことが大切です。後から「もっと手厚い保障がある銀行にしておけばよかった」と後悔しないようにしましょう。

失敗しない!ネット銀行住宅ローンの正しい比較方法

ここまでネット銀行のメリット・デメリットや失敗例を見てきました。では、実際に自分に最適な住宅ローンを選ぶためには、どのような視点で比較検討すればよいのでしょうか。この章では、金利だけでなく、手数料や団信、将来的な利便性まで含めた、総合的かつ実践的な比較方法を具体的に解説します。

  • 金利タイプ(変動・固定)の特徴を理解し自分に合うものを選ぶ
  • 表面金利だけでなく「実質金利」と「総支払額」で比較する
  • 手数料・保証料など諸費用を含めたトータルコストを試算する
  • 団体信用生命保険(団信)の保障範囲と上乗せ金利をチェック
  • 繰り上げ返済のしやすさや手数料も重要な比較ポイント
  • 関連サービスの特典(ポイント付与など)も加味して判断する

金利タイプ(変動・固定)の特徴を理解し自分に合うものを選ぶ

住宅ローン比較の第一歩は、金利タイプの特徴を正しく理解することです。金利タイプは大きく「変動金利」と「固定金利」に分かれます

変動金利:半年ごとに金利が見直され、返済額が変わる可能性があります。一般的に固定金利よりも金利が低く設定されているため、毎月の返済額を抑えたい方や、将来金利が上昇しても対応できる資金的余裕がある方に向いています。

固定金利:借り入れ時に決まった金利が全期間、あるいは一定期間変わらないタイプです。返済額が一定のため将来の計画が立てやすい反面、変動金利より金利は高めです。子どもの教育費がかかる時期など、返済額を確定させたい方に向いています。

どちらが良いというわけではなく、ご自身のライフプランやリスク許容度に合わせて選ぶことが何よりも重要です。

表面金利だけでなく「実質金利」と「総支払額」で比較する

広告などで目にする最も低い金利は「表面金利」と呼ばれます。しかし、この数字だけで銀行を比較するのは危険です。住宅ローンを利用するには、金利以外にも事務手数料や保証料といった諸費用がかかるため、これらを含めた実質的な負担率である「実質金利」で比較する必要があります

さらに言えば、最終的には借り入れ期間全体で支払う「総支払額」をシミュレーションし、比較することが最も確実な方法です。多くの金融機関のウェブサイトには返済シミュレーション機能があります。同じ借入額、同じ返済期間で複数の銀行のプランを入力し、総支払額がいくらになるのかを具体的に計算してみましょう。この一手間をかけることで、本当にお得な住宅ローンがどれなのかが一目瞭然になります。

手数料・保証料など諸費用を含めたトータルコストを試算する

総支払額を正確に把握するためには、住宅ローン契約にかかる諸費用(トータルコスト)を漏れなく洗い出すことが不可欠です。ここでは、特に注意すべき諸費用の項目について詳しく見ていきましょう。

事務手数料のタイプをチェックする

事務手数料には、借入額に関わらず一定額がかかる「定額型」と、借入額に比例して金額が決まる「定率型」があります。ネット銀行は後者の定率型(例:借入額×2.2%)が多く、借入額が大きいほど手数料も高額になります。一方、店舗型銀行では数万円程度の定額型も見られます。どちらがお得になるかは、借入額によって変わるため、必ず自分のケースで計算してみることが大切です。

団体信用生命保険料の負担を確認する

一般的な団信の保険料は金利に含まれているため、別途支払う必要はありません。しかし、がん保障や全疾病保障といった手厚い保障を付ける場合、「金利に年0.1%上乗せ」といった形で実質的な保険料負担が発生します。この上乗せ金利が各社で異なるため、保障内容とコストのバランスを比較検討する必要があります。

保証料の有無と仕組みを理解する

保証料とは、万が一返済ができなくなった場合に、保証会社に代わりに返済してもらうための費用です。ネット銀行ではこの保証料が無料のところが多いですが、その分、審査が厳しくなったり事務手数料が高くなったりする傾向があります。店舗型銀行などで保証料が必要な場合は、契約時に一括で支払う「外枠方式」か、金利に上乗せして支払う「内枠方式」かを選べるのが一般的です。

繰り上げ返済手数料も忘れずに

将来、余裕資金ができた際に元金を前倒しで返済する「繰り上げ返済」は、総支払利息を減らすのに非常に有効な手段です。ネット銀行の多くは、この繰り上げ返済手数料を無料としており、インターネットから手軽に手続きができるのが魅力です。しかし、銀行や手続き方法によっては手数料がかかる場合もあるため、将来的に繰り上げ返済を積極的に行いたいと考えている方は、この点も必ず確認しておきましょう。

団体信用生命保険(団信)の保障範囲と上乗せ金利をチェック

団体信用生命保険(団信)は、単なるローン返済のための保険ではなく、家族の生活を守るための生命保険としての側面も持ち合わせています。したがって、保障内容をしっかりと比較検討することが重要です。

基本の死亡・高度障害保障に加えて、どのような疾病が保障対象になるのかを確認しましょう。「3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)」を保障するプランが一般的ですが、最近では生活習慣病全般をカバーする「8大疾病保障」や、すべての病気やケガを対象とする「全疾病保障」なども登場しています。もちろん、保障が手厚くなるほど上乗せされる金利も高くなります。現在加入している生命保険の内容とも照らし合わせながら、自分たちにとって本当に必要な保障は何か、そしてそのためのコストは妥当かを慎重に判断しましょう。

繰り上げ返済のしやすさや手数料も重要な比較ポイント

住宅ローンは30年、35年といった非常に長い期間をかけて返済していくものです。その間に、収入が増えたり、臨時収入があったりして、まとまった資金ができることもあるでしょう。そうした資金を活用して「繰り上げ返済」を行えば、支払う利息を大幅に減らすことができます。

このため、繰り上げ返済のしやすさは、長期的な視点で見ると非常に重要な比較ポイントになります。具体的には、手数料が無料であるか、最低いくらから返済できるか(1円単位、1万円単位など)、インターネットで24時間いつでも手続き可能か、といった点を確認しましょう。特にネット銀行は、この繰り上げ返済の利便性が高い傾向にあり、大きなメリットの一つと言えます。

関連サービスの特典(ポイント付与など)も加味して判断する

最後の比較ポイントとして、住宅ローン契約によって得られる付帯的な特典も考慮に入れると、よりお得な選択ができる場合があります。金利や手数料といった直接的な費用だけでなく、間接的なメリットにも目を向けてみましょう。

例えば、auじぶん銀行では、auの通信サービスや「じぶんでんき」をセットで利用することで、住宅ローンの適用金利が最大で年0.15%も引き下げられます。また、特定の銀行を給与振込口座に指定したり、クレジットカードを作成したりすることで、ATM手数料が無料になったり、ポイント還元率がアップしたりするサービスもあります。これらの特典による経済的なメリットを金額に換算し、トータルコストに含めて比較することで、より総合的な視点での判断が可能になります。

【2025年最新】目的別!おすすめネット銀行住宅ローンランキング

数あるネット銀行の中から、どの銀行を選べば良いのか迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、これまでの比較ポイントを踏まえ、「金利」「団信」「特定のユーザーへの優遇」といった目的別に、おすすめのネット銀行をランキング形式でご紹介します。ご自身の優先順位に合わせて、最適な一社を見つける参考にしてください。

まずは、今回ご紹介する主要ネット銀行3社の特徴を一覧表で比較してみましょう。

項目auじぶん銀行SBI新生銀行住信SBIネット銀行
最低金利(変動)年0.879%(※1)年0.680%年0.948%
事務手数料(税込)借入金額×2.2%借入金額×2.2%借入金額×2.2%
団信の特徴がん50%保障が無料※条件ありがん100%団信は+0.1%がん50%保障が無料付帯※条件あり
主な特徴au関連サービス利用で金利優遇あり自己資金10%以上で金利優遇あり自己資金20%以上で金利優遇あり

※1 審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます。※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。
※上記は2025年10月時点の情報を基にしており、最新の金利や条件は各銀行の公式サイトでご確認ください。

  • 【変動金利で選ぶなら】低金利競争をリードする銀行3選
  • 【団信の充実度で選ぶなら】保障が手厚い銀行比較
  • 【auユーザーにおすすめ】auじぶん銀行の金利優遇と特徴
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  • 【健康に不安がある方に】住信SBIネット銀行の三大疾病団信

【変動金利で選ぶなら】低金利競争をリードする銀行3選

とにかく毎月の返済額を抑えたい、低金利を最優先したいという方には、変動金利の低さに定評のある銀行がおすすめです。ここでは、ネット銀行の中でも特に変動金利の競争をリードしている3行を比較します。

銀行名最低金利(変動)主な金利優遇条件事務手数料(税込)
auじぶん銀行年0.879%(※1)au関連サービス利用(最大-0.15%)借入金額×2.2%
住信SBIネット銀行年0.948%自己資金20%以上で金利優遇あり借入金額×2.2%
SBI新生銀行年0.680%自己資金10%以上で-0.02%借入金額×2.2%

※上記は2025年10月時点の情報を基にしており、最新の金利や条件は各銀行の公式サイトでご確認ください。

第1位:auじぶん銀行

auじぶん銀行の最大の強みは、関連サービスとの連携による金利優遇です。auの携帯電話やじぶんでんきなどを利用している場合、もともと低い基準金利からさらに大幅な引き下げが適用され、業界でもトップクラスの低金利を実現できます。特にau経済圏をよく利用する方にとっては、他の銀行にはない圧倒的なメリットを享受できるでしょう。手続きがオンラインで完結する利便性も高く、総合力で変動金利派の方に最もおすすめできる銀行の一つです。

第2位:住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、特定の条件なしでも常に業界最低水準の変動金利を提供していることが大きな魅力です。特定のキャリアユーザーでなくても、誰もが低金利の恩恵を受けやすい公平さがあります。また、顧客満足度調査でも常に上位にランクインしており、サービスの質や使いやすさにも定評があります。金利の低さはもちろん、銀行としての信頼性やサービスのバランスを重視する方におすすめです。

第3位:SBI新生銀行

SBI新生銀行も、変動金利の低さで上位に位置する銀行です。この銀行のユニークな点は、自己資金を潤沢に用意できる人ほど有利になる金利優遇制度があることです。物件価格の10%以上の自己資金を用意すれば金利が引き下げられるため、頭金をしっかり準備している方にとっては、表示金利よりもさらにお得に借り入れできる可能性があります。手数料プランも複数から選べるため、自分の資金計画に合わせた柔軟な借り入れが可能です。

【団信の充実度で選ぶなら】保障が手厚い銀行比較

万が一の備えを重視したい、生命保険代わりになるような手厚い保障を住宅ローンに付帯させたいという方には、団信のラインナップが充実している銀行がおすすめです。ここでは、特に保障内容に定評のある2行を比較します。

銀行名無料で付帯する主な団信特徴的な有料団信加入時年齢制限(無料団信)
auじぶん銀行がん50%保障+4疾病50%保障+全疾病保障がん100%保障プレミアム(金利+0.05%)ほか50歳以下
住信SBIネット銀行三大疾病50+全疾病保障三大疾病100、ワイド団信ほか50歳以下

※保障の適用には条件があります。詳細は各銀行の公式サイトでご確認ください。

保障範囲とコストのバランスが最強:auじぶん銀行

団信の充実度という点で、現在最も注目すべき銀行がauじぶん銀行です。最大の魅力は、借入時に50歳以下であれば、「がんと診断されたら住宅ローン残高が半分になる」という画期的な保障に加えて、すべての病気やケガによる入院を保障する「全疾病保障」までが、金利の上乗せなし(無料)で付帯することです。これは、他の金融機関では有料オプションとなるのが一般的な手厚い保障であり、コストパフォーマンスは群を抜いています。万が一への備えを、追加負担なく最大限に高めたいと考える方に最適な選択肢と言えるでしょう。

疾病保障と選択肢の広さが魅力:住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は、保障の選択肢の広さが魅力です。特に、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態になった場合にローン残高が0円になる保障は、大きな安心材料となります。さらに特筆すべきは、健康上の理由で通常の団信への加入が難しい方向けに、加入条件を緩和した「ワイド団信」を用意している点です。金利は上乗せになりますが、団信への加入がネックでマイホームを諦めかけていた方にとっては、非常に価値のある選択肢です。基本的な保障から手厚い保障、そして健康に不安がある方向けのプランまで、幅広いニーズに対応できる点が強みです。

【auユーザーにおすすめ】auじぶん銀行の金利優遇と特徴

項目内容
最低金利(年率)年0.729%(※優遇適用時)
事務手数料借入金額×2.2%(税込)
相談方法電話、Web面談、店頭
団信上乗せ金利がん100%保障は0.05%
その他の特徴顧客サポートが充実(コールセンター)

もしauのスマートフォンや関連サービスを利用しているなら、auじぶん銀行は非常に有力な選択肢となります。auじぶん銀行では「住宅ローン金利優遇割」という独自のプログラムを実施しており、対象サービスとのセット契約で金利が大幅に引き下げられます

具体的には、「auモバイル優遇割」で年0.07%、「じぶんでんき優遇割」で年0.03%など、組み合わせることで最大年0.15%もの金利引き下げが適用されます。もともとの金利水準が低い上に、さらなる優遇が受けられるため、auユーザーにとっては他の追随を許さないほどの低金利を実現できる可能性があります。該当する方は、まずauじぶん銀行でシミュレーションしてみることを強くおすすめします。

【自己資金が豊富なら】SBI新生銀行の手数料プラン

項目内容
最低金利年0.660%(自己資金10%以上)
事務手数料借入金額×2.2%(税込)
相談方法電話、Web面談、店頭
団信上乗せ金利がん100%団信は+0.1%
その他の特徴自己資金10%用意する場合は金利0.02%優遇

住宅購入にあたり、ある程度の自己資金(頭金)を用意できる方には、SBI新生銀行が面白い選択肢となるかもしれません。SBI新生銀行の大きな特徴は、手数料プランが複数用意されている点です。

例えば、融資事務手数料を低く抑えるプランや、逆にある程度の手数料を支払う代わりに金利を低くするプランなど、自分の資金計画に合わせて選ぶことができます。さらに、自己資金を物件価格の10%以上用意する場合には、適用金利が引き下げられる優遇措置もあります。このように、自己資金を多く投入できる人ほど有利な条件を引き出しやすい仕組みになっているため、該当する方は検討の価値があるでしょう。

【健康に不安がある方に】住信SBIネット銀行の三大疾病団信

項目内容
最低金利年0.948%
事務手数料借入金額×2.2%(税込)
相談方法電話、Web面談、店頭
団信上乗せ金利3大疾病100+全疾病保障(39歳以下/年0.2%、40歳以上/年0.4%)
その他の特徴50年ローンも対応(ネット銀行初)

健康状態に少し不安があり、通常の団信に加入できるか心配な方や、特定の疾病への備えを手厚くしたい方には、住信SBIネット銀行がおすすめです。

住信SBIネット銀行は、持病がある方でも加入条件が緩和された「ワイド団信」を取り扱っています。金利は上乗せになりますが、団信への加入がネックで住宅ローンを諦めかけていた方にとっては、大きな助けとなるでしょう。また、通常の団信においても「三大疾病保障」が付帯しており、所定の状態になった場合にローン残高が0円になる手厚い保障が魅力です。健康への備えを重視する方は、ぜひチェックしてみてください。

あなたはどっち?ネット銀行の住宅ローンが向いている人・向いていない人

ここまで、ネット銀行の住宅ローンについて様々な角度から解説してきました。最後に、これまでの情報を総まとめし、どのような人がネット銀行に向いていて、どのような人には不向きなのかを具体的に示します。ご自身がどちらのタイプに当てはまるかを確認し、最終的な判断の参考にしてください。

  • 【向いている人】低金利を最優先し、主体的に手続きを進められる
  • 【向いている人】平日に銀行窓口へ行く時間がない
  • 【向いていない人】担当者と対面でじっくり相談しながら決めたい
  • 【向いていない人】自営業や個人事業主など収入が不安定な方
  • 【向いていない人】築古物件や借地権付き物件の購入を検討している
  • 【向いていない人】注文住宅で「つなぎ融資」が必要になる可能性が高い

【向いている人】低金利を最優先し、主体的に手続きを進められる

ネット銀行の住宅ローンが最も向いているのは、何よりもまず金利の低さを重視する方です。総返済額を少しでも抑えたいという明確な目的があるなら、ネット銀行は非常に強力な選択肢となります。

ただし、そのメリットを享受するには、自分で情報を集め、スケジュールを管理し、手続きを主体的に進める姿勢が求められます。書類の準備やオンラインでの入力作業などを、誰かに頼ることなく自分でやり遂げられる人であれば、ネット銀行の利便性を最大限に活用できるでしょう。住宅ローンに関する基本的な知識をある程度持っている方や、自分で調べることを苦にしないタイプの方にぴったりです。

【向いている人】平日に銀行窓口へ行く時間がない

仕事の都合などで、平日の日中に銀行窓口へ行く時間を確保するのが難しい方にも、ネット銀行は非常におすすめです。店舗型銀行では、相談や契約のために何度も足を運ぶ必要がありますが、ネット銀行ならその必要がありません。

インターネット環境さえあれば、24時間いつでも自分の好きな時間に申し込みや手続きを進められます。書類の提出もオンラインで完結することが多く、郵送の手間すら省ける場合があります。このように、時間や場所に縛られずに住宅ローンの手続きを進めたいと考える、忙しい現代人のライフスタイルに最適なサービスと言えるでしょう。

【向いていない人】担当者と対面でじっくり相談しながら決めたい

一方で、高額な借り入れである住宅ローンだからこそ、専門家である担当者と直接顔を合わせて、一つひとつ丁寧に相談しながら進めたいと考える方には、ネット銀行はあまり向いていません。ネット銀行のサポートは電話やメールが基本となり、対面でのきめ細やかな対応は期待できないからです。

特に、住宅ローンに関する知識に自信がなく、手続きの全体像をリードしてもらいたい方や、複雑な質問をその場で解決したい方にとっては、対面相談ができないことは大きな不安要素になります。このような方は、多少金利が高くなったとしても、安心して相談できる地元の地方銀行やメガバンクの窓口を利用する方が、結果的に満足度の高い選択になる可能性が高いです。

【向いていない人】自営業や個人事業主など収入が不安定な方

ネット銀行の審査は、申込者の返済能力をデータに基づいて厳格に判断します。そのため、収入が景気に左右されやすい自営業者や個人事業主、フリーランスの方、あるいは歩合給の割合が高い職業の方などは、「収入の安定性」という点で厳しい評価を受けやすい傾向があります。

店舗型銀行であれば、確定申告書の内容や事業計画などを担当者に直接説明することで、将来性を評価してもらえる可能性がありますが、ネット銀行の画一的な審査では、そうした個別の事情はほとんど考慮されません。審査に通過できないリスクを考えると、収入形態に特徴のある方は、最初から店舗型銀行を中心に検討する方が賢明かもしれません。

【向いていない人】築古物件や借地権付き物件の購入を検討している

購入を希望する物件が、ネット銀行の担保評価基準を満たさない可能性がある場合も注意が必要です。ネット銀行は貸し倒れリスクを避けるため、担保となる物件の資産価値を非常に厳しく審査します。

具体的には、築年数がかなり経過した中古物件(旧耐震基準など)や、土地の所有権がない借地権付きの物件、法律上の問題で再建築ができない物件などは、担保価値が低いと見なされ、融資の対象外となることがほとんどです。もし、このような特徴を持つ物件の購入を検討している場合は、ネット銀行では審査に通らない可能性が高いと認識し、地域の事情に詳しい地方銀行などに相談することをおすすめします。

【向いていない人】注文住宅で「つなぎ融資」が必要になる可能性が高い

注文住宅の建築を計画している方も、ネット銀行を選ぶ際には慎重な判断が必要です。なぜなら、多くのネット銀行は、住宅完成前の土地代や着工金などの支払いに充てる「つなぎ融資」を取り扱っていないからです。

つなぎ融資が利用できない場合、これらの費用をすべて自己資金でまかなうか、別途つなぎ融資を提供してくれる金融機関を探さなければなりません。これは資金計画のハードルを大きく上げることになります。一部、提携ローンという形でつなぎ融資に対応しているネット銀行もありますが、選択肢は限られます。注文住宅を建てる場合は、つなぎ融資にもスムーズに対応してくれる店舗型銀行を含めて、幅広く検討することが不可欠です。

ネット銀行住宅ローンのメリット・デメリットまとめ

本記事では、ネット銀行の住宅ローンについて、メリット・デメリットから失敗しないための比較方法、そしておすすめの銀行まで詳しく解説してきました。

ネット銀行の魅力は、何といっても店舗運営コストを抑えることで実現した「低金利」と、オンラインで手続きが完結する「利便性」にあります。一方で、「審査が厳格」「対面相談ができない」「つなぎ融資に非対応」といったデメリットも存在します。

後悔しない住宅ローン選びの鍵は、これらのメリットとデメリットを正しく理解し、ご自身のライフプランや性格、購入したい物件の特性と照らし合わせて、最適な金融機関を見極めることです。表面的な金利だけでなく、手数料を含めた総支払額や団信の保障内容まで、総合的な視点で比較検討することが重要です。

・本ページは参考情報の提供を目的としています。
・掲載商品、金利情報等は各金融機関ホームページの掲載情報をもとに作成しております。詳細は各金融機関のホームページからご確認をお願いいたします。
・各金融機関の商品改定やキャンペーンの実施、金利更新のタイミング等により、本ページに掲載された金利情報が最新でない場合があります。
・当社は、本ページにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性、その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
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