フルローンで借りられる住宅ローンおすすめ7選!頭金なしでも後悔しない賢い選び方

「頭金を貯めてからマイホームを購入しよう」と思っていませんか?

実は今、住宅価格の高騰や低金利の恩恵を受けて、フルローン(頭金なし)で住宅を購入する人が急増しています。

住宅ローン利用者の約3割が頭金なしで購入しているというデータもあり、「頭金を貯める=常識」という時代は終わりつつあるのかもしれません。

ただし、ここで多くの方が見落としている重要な事実があります。「フルローン=自己資金ゼロで家が買える」というのは大きな誤解なのです。契約時に必要な「手付金」は現金で用意しなければなりません。

本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。

記事のポイント
  • フルローンに対応したおすすめ住宅ローン7選(金利・手数料を徹底比較)
  • 「手付金」の落とし穴と必要な現金の目安
  • フルローンで後悔する人・しない人の違い
  • 審査に通るための具体的なポイント

住宅ローン選びで失敗しないために、ぜひ最後までお読みください。

目次

【結論】フルローンにおすすめの住宅ローン7選|目的別ランキング

まずは結論からお伝えします。フルローンで住宅を購入する場合、「金利の低さ」だけでなく「諸費用込みで借りられるか」「保障内容」「審査の通りやすさ」を総合的に判断することが重要です。

以下の比較表で、2026年1月時点の最新情報をもとにおすすめの住宅ローンをご紹介していきます。

順位金融機関変動金利(税込)事務手数料諸費用込み団信保障こんな人におすすめ
1位SBI新生銀行年0.640%借入額×2.2%安心保障付団信無料諸費用込み・手数料重視の方
2位auじぶん銀行年0.729%借入額×2.2%がん50%保障無料保障を重視したい方
3位住信SBIネット銀行年0.698%借入額×2.2%全疾病保障無料病気への備えを万全にしたい方
4位PayPay銀行年0.630%借入額×2.2%がん50%保障無料ネット完結で手軽に申込みたい方
5位イオン銀行年0.780%借入額×2.2%がん保障+0.1%イオンでよく買い物をする方
6位ソニー銀行年0.70%借入額×2.2%がん50%保障金利タイプを柔軟に変更したい方
7位ARUHI(フラット35)年2.110%借入額×2.2%新機構団信金利上昇リスクを避けたい方

※金利は審査結果や借入条件、借入月により異なります。最新の金利は公式サイトを確認ください。

それでは、各銀行の特徴を詳しく見ていきましょう。

【総合1位】SBI新生銀行|諸費用込み&充実の保障が魅力

SBI新生銀行の住宅ローンは、フルローンを検討している方にとって最もバランスの良い選択肢といえるでしょう。

SBI新生銀行の最大の魅力は、諸費用込みで借入可能という点です。登記費用や仲介手数料なども含めて融資を受けられるため、手元資金が少ない方でも住宅購入がしやすくなっています。

変動金利はトップクラスの低金利を実現しています。さらに、「安心保障付団信」が無料で付帯されており、死亡・高度障害だけでなく、要介護状態になった場合もローン残高がゼロになる保障が受けられます。

事務手数料は借入額の2.2%ですが、保証料や一部繰上返済手数料が無料という「5つの0円」サービスも魅力的です。50年ローンにも対応しているため、月々の返済額を抑えたい方にも向いています。

ただし注意点として、SBI新生銀行では「5年ルール」「125%ルール」が適用されません。金利上昇時には返済額がすぐに変動するため、金利変動リスクへの備えが必要です。

【2位】auじぶん銀行|がん50%保障が無料付帯

auじぶん銀行の住宅ローンは、がん診断時に住宅ローン残高の50%が保障される団信が無料で付帯される点が大きな特徴です。

日本人の2人に1人ががんにかかるといわれる時代において、この保障は非常に心強いものがあります。金利上乗せなしでこの保障が受けられるのは、auじぶん銀行ならではのメリットといえるでしょう。

変動金利は非常に低く設定されています。au回線やじぶんでんきを利用していない場合でも他と競争力のある金利です。

諸費用込みでの借入も可能で、フルローンを検討している方には使いやすい住宅ローンです。審査もネット完結で進められるため、忙しい方でも手続きを進めやすいでしょう。

ただし、がん100%保障にアップグレードする場合は金利上乗せが必要になります。ご自身の健康状態やリスク許容度に応じて、保障内容を検討してみてください。

【3位】住信SBIネット銀行|全疾病保障が無料で最強クラス

住信SBIネット銀行の住宅ローンの最大の強みは、すべての病気・ケガ(精神障がい等を除く)に対応した「全疾病保障」が無料で付帯される点です。

がん保障だけでなく、心疾患や脳卒中などの3大疾病、さらにその他の病気やケガで就業不能になった場合も保障されるのは、住信SBIネット銀行ならではの特徴といえます。

変動金利は他のネット銀行と比較するとやや高めに見えますが、保障内容を考慮すると非常にコストパフォーマンスの高い住宅ローンです。

また、物件価格の80%以下でお借入れの場合はさらに金利が優遇されます。頭金を少しでも用意できる方は、より有利な条件で借りられる可能性があります。

住宅ローン残高を無料でATMから確認できるなど、SBIグループならではの利便性も魅力です。

【4位】PayPay銀行|審査が比較的通りやすくネット完結

PayPay銀行の住宅ローンは、ネット銀行の中でも審査が比較的通りやすいという評判があり、フルローンを検討している方にとって心強い選択肢です。

変動金利は低金利を実現しています。キャンペーンを利用しない場合でも十分に競争力のある水準です。

がん50%保障団信が無料で付帯されており、保障面でも充実しています。また、申込みから契約までネットで完結できるため、平日に銀行へ行く時間が取れない方にも向いています。

特に注目したいのは、母子家庭や転職直後の方でも審査に通ったという口コミが多い点です。他の銀行で審査に落ちてしまった方も、PayPay銀行なら通過できる可能性があります。

ただし、審査基準は個人の状況によって異なりますので、まずは事前審査を申し込んでみることをおすすめします。

【5位】イオン銀行|買い物5%OFF特典付き

イオン銀行の住宅ローンは、住宅ローンを借りるとイオングループでの買い物が毎日5%OFFになる特典が魅力です。

変動金利は低金利を実現しています。諸費用込みでの借入も可能で、フルローンを検討している方にも対応しています。

イオンやイオンモールでよく買い物をするご家庭であれば、この5%OFFの恩恵は非常に大きいものがあります。年間の食費・日用品費が100万円であれば、年間5万円の節約になる計算です。

また、イオン銀行は全国のイオンモール内に店舗を構えているため、対面で相談できるという安心感もあります。ネット銀行の手続きに不安がある方や、専門スタッフに相談しながら進めたい方におすすめです。

がん保障は金利+0.1%の上乗せが必要ですが、基本の団信(死亡・高度障害保障)は無料で付帯されます。

【6位】ソニー銀行|借入後の金利タイプ変更が自由

ソニー銀行の住宅ローンの特徴は、借入後に金利タイプを自由に変更できる柔軟性です。

変動金利は競争力のある水準です。ソニー銀行では、変動金利から固定金利への変更、固定金利から変動金利への変更が何度でも可能です(手数料がかかる場合があります)。

「今は変動金利で借りて、金利が上がりそうになったら固定に切り替えたい」という方には、非常に使いやすい住宅ローンといえるでしょう。

また、がん50%保障団信は無料で付帯可能です。基本の団信(死亡・高度障害保障)は無料で、保証料や繰上返済手数料も無料となっています。

諸費用込みでの借入にも対応しており、フルローンを検討している方にも適しています。

【7位】ARUHI(フラット35)|全期間固定で金利上昇リスクなし

ARUHIのフラット35は、全期間固定金利で借りたい方におすすめの選択肢です。

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンで、借入から完済まで金利が変わりません。

変動金利と比較すると金利は高めですが、今後の金利上昇リスクを完全に排除できるという大きなメリットがあります。返済額が固定されるため、将来の家計計画が立てやすくなります。

ただし、フラット35でフルローン(融資率9割超)を利用する場合は、金利が約0.2〜0.4%上乗せされます。頭金を1割用意できる方は、より低い金利で借りられますので、検討してみてください。

ARUHIでは「フラットα」という商品で、頭金分を別途融資してもらうことも可能です。どうしても頭金が用意できない方は、この併用も選択肢の一つです。

【重要】フルローンの落とし穴|「手付金」は別途現金で必要です

ここまでフルローンに対応した住宅ローンをご紹介してきましたが、多くの方が見落としている重要なポイントがあります。それは、「フルローン=自己資金ゼロで家が買える」というわけではないということです。

住宅を購入する際には、売買契約時に「手付金」を現金で支払う必要があります。この手付金は住宅ローンに組み込むことができないため、必ず自己資金として用意しなければなりません。

競合サイトの多くはこの点に触れていませんが、これは住宅購入を検討する上で非常に重要な情報です。知らずに契約直前で慌てることがないよう、しっかりと理解しておきましょう。

フルローン≠自己資金ゼロ!必要な現金の内訳

フルローンで住宅を購入する場合でも、以下の費用は現金で用意する必要があります。

【契約時に現金で必要な費用】

費用項目金額の目安支払いタイミング
手付金物件価格の5〜10%売買契約時
印紙代1〜6万円程度契約時
仲介手数料の一部仲介手数料の半額程度契約時または決済時

たとえば4,000万円の住宅を購入する場合、手付金だけで200万円〜400万円が必要になります。「フルローンで借りるから現金は要らない」と思っていると、契約直前で資金が足りないという事態に陥りかねません。

ただし、ここで朗報があります。手付金は住宅ローン実行時に購入代金に充当されるため、実質的には戻ってくるのです。つまり、契約から決済までの「つなぎ」として一時的に用意する必要があるということです。

手付金の相場と支払いタイミング

手付金の相場は物件価格の5〜10%が一般的です。

物件価格手付金の目安(5%)手付金の目安(10%)
3,000万円150万円300万円
4,000万円200万円400万円
5,000万円250万円500万円

手付金を支払うタイミングは、売買契約を締結する日です。住宅ローンの融資実行はそれより後になるため、この時点ではまだローンのお金を使うことができません。

注文住宅の場合は、土地の購入時と建築工事請負契約時の2回、手付金が必要になることもあります。物件の種類によって必要な金額や回数が異なりますので、事前に不動産会社に確認しておくことをおすすめします。

なお、不動産会社(宅地建物取引業者)が売主の場合、宅地建物取引業法により**手付金の上限は物件価格の20%**と定められています。これを超える金額を請求されることはありませんので、ご安心ください。

手付金を用意できない場合の対処法3つ

「フルローンで住宅を購入したいけれど、手付金も用意できない」という方は、以下の3つの方法を検討してみてください。

対処法1:不動産会社に減額交渉をする

手付金の金額は法律で厳密に決められているわけではなく、売主と買主の合意で決まります。資金状況を正直に伝えて、手付金の減額を交渉することは可能です。

ただし、手付金が少なすぎると売主側のリスクが高まるため、あまりに大幅な減額は難しい場合があります。物件価格の5%程度までの減額であれば、応じてもらえる可能性があるでしょう。

対処法2:親・祖父母から援助を受ける

住宅取得資金として親や祖父母から贈与を受ける場合、一定の条件を満たせば最大1,000万円まで贈与税が非課税になります(省エネ等住宅の場合)。

この制度を利用すれば、手付金分の資金援助を受けても贈与税の心配がありません。ご両親や祖父母に相談してみることをおすすめします。

対処法3:一時的に親族から借りる

贈与ではなく「借入」という形であれば、返済を前提に資金を工面することも可能です。住宅ローン実行後に手付金相当額が戻ってきますので、そのタイミングで返済する計画を立てましょう。

ただし、親族間であっても借用書を作成しておくことをおすすめします。贈与と見なされると贈与税の対象になる可能性があるためです。

フルローンとは?頭金なしで住宅ローンを組む基礎知識

ここからは、フルローンについての基礎知識を詳しく解説していきます。「そもそもフルローンって何?」という方も、この章を読めば全体像が理解できるようになります。

フルローンの定義と仕組み

フルローンとは、物件価格の100%を住宅ローンで借り入れる方法のことです。従来の住宅ローンでは「頭金は物件価格の2割程度を用意するのが常識」とされてきましたが、低金利時代の今、フルローンで購入する方が増えています。

2024年10月時点で変動金利を選択した人は全体の77.4%に達しており、低金利を活かしてフルローンで購入する傾向が強まっています。

フルローンの仕組みを具体例で見てみましょう。

【例:4,000万円の住宅をフルローンで購入する場合】

  • 物件価格:4,000万円
  • 頭金:0円
  • 住宅ローン借入額:4,000万円

このように、物件価格の全額を住宅ローンで賄うのがフルローンです。頭金を用意する必要がないため、貯蓄が少ない方でも住宅購入に踏み切れるというメリットがあります。

フルローンとオーバーローンの違い

フルローンと似た言葉に「オーバーローン」があります。この2つは混同されやすいのですが、意味が異なりますので整理しておきましょう。

用語意味具体例
フルローン物件価格の100%を借り入れる4,000万円の物件に4,000万円借入
オーバーローン物件価格+諸費用を借り入れる4,000万円の物件に4,300万円借入

オーバーローンとは、物件価格に加えて諸費用(登記費用・仲介手数料・保険料など)も含めて借り入れる方法です。諸費用は物件価格の5〜10%程度かかるため、オーバーローンを利用すれば、より少ない自己資金で住宅を購入できます。

本記事でご紹介した住宅ローンの多くは「諸費用込み」に対応しており、実質的にオーバーローンが可能です。ただし、金融機関によっては諸費用を別途用意する必要がある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

頭金なしで住宅ローンを組む人の割合【最新データ】

「頭金なしで住宅を買う人は本当にいるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。実際のデータを見てみましょう。

頭金の平均額は以下のようになっています。

住宅の種類頭金の平均額物件価格に占める割合
注文住宅(土地付)約440万円約10%
建売住宅約270万円約8%
中古マンション約340万円約11%

ただし、これは「平均」の数値であり、頭金ゼロで購入している人も全体の約2〜3割を占めています。特に若い世代では、貯蓄が十分でない状態でもフルローンで住宅を購入するケースが増えています。

低金利時代の今、「頭金を貯めている間に住宅価格が上がってしまった」「家賃を払い続けるのがもったいない」という理由で、フルローンを選択する人が多くなっているのです。

【徹底比較】頭金ありvsフルローン|どっちがお得?

「頭金を貯めてから買うべき?それとも今すぐフルローンで買うべき?」これは住宅購入を検討する多くの方が悩むポイントです。

この章では、具体的なシミュレーションを通じて、どちらがお得なのかを検証していきます。

【シミュレーション】3,500万円を借りた場合の総支払額比較

まずは、頭金の有無による総支払額の違いを見てみましょう。3,500万円の住宅を購入する場合で比較します。

【前提条件】

  • 物件価格:3,500万円
  • 借入期間:35年
  • 変動金利:年0.6%(全期間固定と仮定)
  • 元利均等返済・ボーナス払いなし
項目フルローン頭金200万円頭金500万円
借入額3,500万円3,300万円3,000万円
月々の返済額92,315円87,039円79,127円
総返済額約3,877万円約3,656万円約3,323万円
支払利息約377万円約356万円約323万円

このシミュレーションを見ると、頭金を500万円入れた場合とフルローンでは、総返済額に約54万円の差が生じることがわかります。単純に数字だけを見れば、頭金を多く入れた方がお得に見えます。

しかし、この比較には重要な視点が抜けています。それは「頭金を貯めている間に発生するコスト」です。

頭金を貯めてから買う vs 今すぐフルローン|5年後の差は?

次に、「5年間頭金を貯めてから購入する場合」と「今すぐフルローンで購入する場合」を比較してみましょう。

【ケースA:今すぐフルローンで購入】

  • 借入額:3,500万円
  • 月々の返済額:92,315円
  • 35年後の総返済額:約3,877万円

【ケースB:5年後に頭金500万円で購入】

  • 5年間の家賃(月10万円×12ヶ月×5年):600万円
  • 頭金:500万円
  • 借入額:3,000万円(物件価格は変わらないと仮定)
  • 月々の返済額:79,127円
  • 30年後の総返済額:約2,848万円

【5年後時点での比較】

項目ケースA(今すぐ)ケースB(5年後)
5年間で支払った金額約554万円(返済額)600万円(家賃)+ 500万円(貯蓄)= 1,100万円
住宅ローン残債約3,103万円3,000万円
持ち家の有無ありなし

この比較からわかるのは、5年間家賃を払いながら頭金を貯めると、その間に600万円もの「消えるお金」が発生するということです。

さらに現実的な問題として、5年後に住宅価格や金利が上昇している可能性もあります。特に金利については、日本銀行が2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げており、今後も上昇傾向が続くと予想されています。

結論:繰上返済前提ならフルローンも有効

以上のシミュレーションから、以下の条件に当てはまる方はフルローンが有効といえます。

  • 現在賃貸に住んでおり、家賃を払い続けている
  • 今後も収入が安定する見込みがある
  • 余裕ができたら繰上返済をする意思がある
  • 低金利のうちに借りておきたい

逆に、頭金を貯めてから購入した方が良い方は以下のような場合です。

  • 現在実家住まいで家賃がかからない
  • 収入が不安定、または転職を予定している
  • 借入額を少なくして返済負担を軽くしたい
  • 金利上昇リスクを最小限に抑えたい

どちらが正解かは、ご自身の状況によって異なります。大切なのは、両方のメリット・デメリットを理解した上で判断することです。

フルローンで住宅ローンを組む5つのメリット

フルローンには、頭金を用意する場合にはないメリットがあります。ここでは、フルローンならではの5つのメリットを詳しく解説していきます。

手元資金を残せるから急な出費に対応できる

フルローンの最大のメリットは、手元に現金を残しておけるという点です。住宅購入後には、引っ越し費用、家具・家電の購入費、カーテンや照明などの費用が発生します。また、住み始めてからも予期せぬ出費は必ず発生するものです。

生活防衛資金として最低でも生活費の3〜6ヶ月分を手元に残しておくことが大切です。頭金を全額出し切ってしまうと、この生活防衛資金が確保できなくなるリスクがあります。

フルローンであれば、貯蓄を温存しながら住宅を購入できるため、万が一の事態にも対応しやすくなります。

住宅購入のタイミングを逃さない

「頭金を貯めてから」と思っているうちに、気に入った物件が売れてしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。特に人気エリアの物件は、募集開始からすぐに売れてしまうことも珍しくありません。

フルローンを活用すれば、理想の物件を見つけたタイミングですぐに購入に踏み切れます。また、住宅価格が上昇傾向にある今、早めに購入しておくことで将来的な値上がりリスクを回避できる可能性もあります。

住宅ローン控除を最大限活用できる

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、借入額が多いほど控除額が大きくなる仕組みです。フルローンで借入額を最大化することで、より多くの税金還付を受けられる可能性があります。

2022年以降に入居した場合の住宅ローン控除は、借入残高の0.7%が最大13年間にわたって所得税・住民税から控除されます(控除限度額は住宅の種類により異なります)。

たとえば、借入額が4,000万円の場合と3,000万円の場合では、1年目の控除額に約7万円の差が生じる計算です。13年間の累計では、かなりの差額になる可能性があります。

ただし、住宅ローン控除を受けるには確定申告が必要です。控除を最大限活用するためにも、制度の詳細をしっかり確認しておきましょう。

低金利のうちに長期返済をスタートできる

2026年1月時点で、変動金利は年0.5〜0.7%台と歴史的な低水準にあります。この低金利を活かして早めに返済をスタートすることで、利息負担を抑えながら住宅を取得できるというメリットがあります。

日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%に引き上げており、今後も金利上昇が続く可能性があります。「頭金を貯めてから」と待っているうちに金利が上昇すれば、頭金を入れても総返済額が増えてしまう可能性があります。

もちろん、変動金利には金利上昇リスクがありますが、現時点での低金利を活用するという選択は、一つの合理的な判断といえるでしょう。

繰上返済で調整すれば総支払額は抑えられる

フルローンで借りたとしても、余裕ができたときに繰上返済をすれば、頭金を入れた場合と同様の効果が得られます。

たとえば、フルローンで借りた後に100万円の繰上返済をすると、その時点で借入元本が100万円減少します。返済期間を短縮する「期間短縮型」を選べば、支払う利息を大幅に削減できます。

多くのネット銀行では、繰上返済手数料が無料となっています。ボーナス時や臨時収入があったときにこまめに繰上返済することで、総返済額をコントロールすることが可能です。

フルローンで住宅ローンを組む5つのデメリット・リスク

フルローンにはメリットがある一方で、見過ごせないデメリットやリスクも存在します。後悔しないためにも、これらのポイントをしっかり理解しておきましょう。

毎月の返済額が増える

借入額が多くなれば、当然ながら毎月の返済額も増加します。先ほどのシミュレーションでも見たように、頭金500万円の場合と比較すると、フルローンでは月々約1.3万円返済額が多くなります。

この差額を35年間で計算すると、約550万円もの差になります。毎月の家計に余裕がない状態でフルローンを組むと、生活が苦しくなるリスクがあります。

住宅ローンの返済は長期間にわたるため、無理のない返済計画を立てることが重要です。返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)は25%以内を目安にするとよいでしょう。

金利上昇時の返済額増加リスクが大きい

変動金利でフルローンを組んだ場合、金利が上昇すると返済額も大きく増加するリスクがあります。借入額が多いほど、金利上昇の影響を受けやすくなるのです。

具体的にシミュレーションしてみましょう。借入額3,500万円・35年返済の場合、金利が1%上昇すると以下のように変化します。

金利月々の返済額増加額
0.6%92,315円
1.6%109,260円+16,945円
2.6%127,326円+35,011円

金利が2%上昇すると、月々の返済額は約3.5万円も増えることになります。年間では42万円、10年間では420万円もの負担増です。

金利上昇に備えて、返済額が増えても対応できる家計の余裕を確保しておくことが大切です。

審査が厳しくなる傾向がある

フルローンは、頭金ありの場合と比較して審査が厳しくなる傾向にあります。金融機関にとっては、借入額が大きいほど貸し倒れリスクが高くなるためです。

特に以下のような条件に当てはまる方は、審査に通りにくくなる可能性があります。

  • 勤続年数が3年未満
  • 年収に対して借入額が大きい(返済負担率が高い)
  • 他に借入がある(カーローン、リボ払いなど)
  • 過去にクレジットカードの延滞歴がある

審査に不安がある方は、複数の金融機関に事前審査を申し込むことをおすすめします。1社で落ちても、別の銀行で通る可能性は十分にあります。

担保割れ(オーバーローン状態)のリスク

フルローンで購入した場合、住宅の資産価値よりも住宅ローン残高の方が大きい「担保割れ」状態になりやすいというリスクがあります。

特に新築住宅は、購入直後に資産価値が10〜20%程度下落するといわれています。4,000万円で購入した住宅が、数年後には3,200万円程度の価値になっている可能性があるのです。

担保割れ状態だと、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 住宅を売却してもローンを完済できない
  • 転勤や離婚などで売却が必要になったときに困る
  • 住み替えローンを利用しにくくなる

将来的に住み替えの可能性がある方は、この点を念頭に置いておく必要があります。

一部の金融機関では金利優遇が受けられない

金融機関によっては、頭金を一定以上入れることで金利優遇が受けられる商品があります。フルローンの場合、この優遇が受けられないため、結果的に金利が高くなる可能性があります。

たとえば、フラット35では融資率9割以下(頭金1割以上)の場合と9割超(頭金1割未満)の場合で、金利に約0.2〜0.4%の差があります。住信SBIネット銀行でも、物件価格の80%以下で借り入れる場合は金利優遇が受けられます。

フルローンを選ぶ場合は、金利優遇の有無を確認した上で、総合的にお得かどうかを判断することが重要です。

【後悔パターン5選】フルローンで失敗する人の共通点

フルローンで住宅を購入して後悔する人には、いくつかの共通点があります。ここでは、実際によくある後悔パターンと、その回避策をご紹介します。

後悔①:手付金のことを考えていなかった

最も多い後悔パターンが、「フルローン=自己資金ゼロ」と思い込んでいたケースです。

「住宅ローンで全額借りられるから大丈夫」と思って契約に臨んだところ、手付金として200万円を現金で用意するよう言われて慌てたという方は少なくありません。

この後悔を避けるためには、住宅購入を検討し始めた段階で最低でも物件価格の5%程度は現金で用意しておくことをおすすめします。

後悔②:金利上昇を想定していなかった

「今の低金利がずっと続く」と思い込んでフルローンを組み、その後の金利上昇で返済額が大幅に増えてしまったというケースもあります。

日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、その後も段階的に利上げを実施しています。今後も金利上昇が続く可能性は十分にあります。

金利上昇に備えるためには、以下の対策が有効です。

  • 返済額が1〜2%上昇しても対応できる家計にしておく
  • 固定金利を選択する、または固定期間選択型を検討する
  • 余裕ができたら繰上返済をして借入残高を減らす

後悔③:諸費用を甘く見積もっていた

物件価格だけを見て予算を決めてしまい、諸費用で200〜300万円もかかることを知らなかったという後悔もあります。

住宅購入時にかかる諸費用には、以下のようなものがあります。

  • 仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)
  • 登記費用(登録免許税+司法書士報酬)
  • 住宅ローン関連費用(事務手数料・保証料など)
  • 火災保険料・地震保険料
  • 不動産取得税
  • 引っ越し費用・家具家電購入費

これらを合計すると、物件価格の5〜10%程度になることが一般的です。4,000万円の物件であれば、200〜400万円の諸費用が必要になります。

「諸費用込み」で借りられる住宅ローンを選べば、この負担を軽減できます。本記事でご紹介した銀行の多くは諸費用込みに対応していますので、ぜひ検討してみてください。

後悔④:ライフプランの変化を考えていなかった

住宅ローンを組んだ後に、育休や転職で収入が減少し、返済が苦しくなったというケースもあります。

35年という長期のローンを組む以上、その間にライフプランが変化する可能性は十分にあります。出産、育児、転職、介護など、収入が減少するイベントは誰にでも起こりえます。

この後悔を避けるためには、将来のライフプランを想定した上で、無理のない借入額を設定することが重要です。「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えましょう。

後悔⑤:繰上返済する余裕がなかった

「余裕ができたら繰上返済しよう」と思ってフルローンを組んだものの、結局繰上返済する余裕がないまま35年間払い続けたというケースもあります。

繰上返済を前提にフルローンを組む場合は、具体的にいつ、いくら繰上返済するのか計画を立てておくことが大切です。「いつかやろう」では、結局やらないまま終わってしまうことが多いのです。

たとえば、「毎年ボーナス時に30万円を繰上返済する」「子どもが独立したら月々の返済額を増やす」など、具体的な計画を立てておきましょう。

フルローンの審査に通るための5つのポイント

フルローンは審査が厳しくなる傾向にありますが、適切な対策を取れば審査に通る可能性は十分にあります。ここでは、審査に通るための具体的なポイントをご紹介します。

ポイント①:返済負担率を年収の25%以内に抑える

住宅金融支援機構では、フラット35の審査基準として返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を以下のように定めています。

年収返済負担率の上限
400万円未満30%以下
400万円以上35%以下

これはあくまで「審査に通る上限」であり、実際に無理なく返済できる水準ではありません。実際には25%以内を目安にすることをおすすめします。

たとえば、年収500万円の方であれば、年間返済額は125万円以内(月々約10.4万円)に抑えるのが理想的です。

ポイント②:勤続年数3年以上、安定収入を証明する

多くの金融機関では、勤続年数が3年以上であることを審査の目安としています。転職直後や就職したばかりの方は、審査に不利になる可能性があります。

ただし、金融機関によっては勤続年数が短くても審査に通るケースがあります。特にPayPay銀行やネット銀行系は、比較的柔軟な審査をしているという評判があります。

また、収入が安定していることを証明するために、源泉徴収票や確定申告書などの書類をしっかり準備しておきましょう。

ポイント③:他の借入(カーローン・リボ払い)を完済する

住宅ローンの審査では、住宅ローン以外の借入も考慮されます。カーローン、リボ払い、クレジットカードのキャッシングなどがあると、審査に不利になる可能性があります。

これらの借入がある場合は、可能であれば住宅ローン申込前に完済しておくことをおすすめします。完済が難しい場合でも、残高を減らしておくことで審査にプラスに働きます。

また、使っていないクレジットカードがあれば解約しておくことも有効です。利用していなくても「借入枠」として審査で考慮される場合があるためです。

ポイント④:物件の担保評価を確認する

フルローンの場合、物件の担保評価額が重要になります。金融機関は、万が一返済が滞った場合に物件を売却して回収できるかどうかを審査で確認しています。

一般的に、新築物件は担保評価が高く、中古物件は低くなる傾向があります。築年数が古い物件や、立地条件が良くない物件は、担保評価が低くなりやすいため、フルローンの審査が厳しくなる可能性があります。

フルローンでの購入を検討している場合は、担保評価が出やすい物件を選ぶことも一つの戦略です。

ポイント⑤:事前審査を複数銀行で受ける

1つの銀行で審査に落ちても、別の銀行では通る可能性があります。審査基準は金融機関ごとに異なるため、諦めずに複数の銀行に申し込んでみましょう。

事前審査(仮審査)は無料で、信用情報に傷がつくこともありません。本記事でご紹介した銀行の中から、3〜5社程度に事前審査を申し込むことをおすすめします。

【Q&A】フルローンでよくある質問

フルローンについてよくある質問にお答えします。気になる疑問を解消してから、住宅購入に臨みましょう。

Q1. フラット35でフルローンは組める?

A: 組めますが、金利が高くなります。

フラット35では、融資率9割超(頭金1割未満)でも借入は可能です。ただし、融資率9割以下の場合と比較して、金利が約0.2〜0.4%高くなります。

2026年1月時点のフラット35金利(21年以上35年以下)は以下の通りです。

融資率金利の範囲
9割以下年1.860%〜2.680%
9割超年2.100%〜2.920%

どうしても頭金が用意できない場合は、ARUHIの「フラットα」のように、頭金分を別のローンで借りる方法もあります。ただし、その分金利負担は増えますので、総返済額をしっかりシミュレーションした上で判断しましょう。

Q2. 諸費用込みで借りられる住宅ローンはどこ?

A: ネット銀行を中心に、多くの金融機関が対応しています。

本記事でご紹介した銀行は、いずれも諸費用込みでの借入に対応しています。

金融機関諸費用込み備考
SBI新生銀行登記費用、仲介手数料なども融資対象
auじぶん銀行諸費用は借入額の10%まで
住信SBIネット銀行諸費用全般に対応
PayPay銀行諸費用の種類により異なる
イオン銀行一部制限あり

ただし、金融機関によって融資対象となる諸費用の範囲が異なります。詳細は各銀行の公式サイトで確認するか、直接問い合わせることをおすすめします。

Q3. 年収400万円でフルローンは可能?

A: 借入額によりますが、可能な場合が多いです。

年収400万円の場合、返済負担率25%を目安にすると、年間返済額は100万円(月々約8.3万円)が上限となります。変動金利0.6%・35年返済で計算すると、借入可能額は約3,000万円程度です。

ただし、これはあくまで目安であり、実際の借入可能額は金融機関の審査によって決まります。他の借入状況や勤続年数、物件の担保評価なども考慮されます。

年収400万円でフルローンを組む場合は、以下の点に注意しましょう。

  • 返済負担率を25%以内に抑える
  • 金利上昇に備えて余裕を持った借入額にする
  • 繰上返済の計画を立てておく

Q4. 変動金利と固定金利、フルローンならどっち?

A: リスク許容度によって判断してください。

フルローンは借入額が大きくなるため、金利上昇時の影響も大きくなります。金利上昇リスクを避けたい方は、固定金利を選択した方が安心です。

一方、現時点での金利の低さを重視する場合は、変動金利を選ぶメリットがあります。ただし、将来の金利上昇に備えて、返済額が増えても対応できる家計にしておくことが重要です。

迷う場合は、「10年固定」などの固定期間選択型を選ぶのも一つの方法です。当初10年間は金利が固定されるため、ある程度のリスクヘッジができます。

Q5. 頭金なしで住宅ローン控除は受けられる?

A: 問題なく受けられます。

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、頭金の有無に関係なく受けられます。むしろ、借入額が多いほど控除額が大きくなるため、フルローンの方が控除額は増えます。

ただし、控除を受けるには以下の条件を満たす必要があります。

  • 借入期間が10年以上であること
  • 住宅の床面積が50㎡以上であること(一部40㎡以上)
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること
  • その他所定の条件を満たすこと

Q6. フルローンで団信は加入できる?

A: 加入できます。ただし、借入額に上限がある場合があります。

団体信用生命保険(団信)への加入は、借入額に関係なく可能です。ただし、金融機関によっては団信の保障上限額が設定されている場合があります。

たとえば、がん100%保障団信の保障上限が1億円と設定されている場合、借入額がそれを超えると保障対象外となる可能性があります。

また、団信に加入するには健康状態の告知が必要です。持病がある方は、告知内容によっては加入できない場合もあります。その場合は、「ワイド団信」や「団信なしのフラット35」などの選択肢を検討してみてください。

まとめ:フルローンで後悔しないための3つのステップ

ここまでフルローンについて詳しく解説してきましたが、最後に後悔しないための3つのステップをまとめておきます。

ステップ1:手付金+諸費用で最低200万円は現金で確保

「フルローン=自己資金ゼロ」ではありません。契約時に必要な手付金は現金で用意する必要があります

物件価格の5%を目安に、最低でも100〜200万円程度は手元に準備しておきましょう。諸費用込みで借りられる住宅ローンを選べば、それ以外の諸費用はローンで賄えます。

ステップ2:返済負担率25%以内、金利1%上昇も想定してシミュレーション

借入額を決める際は、現在の金利だけでなく、金利上昇時のことも想定してシミュレーションしましょう。

返済負担率は25%以内を目安に、金利が1〜2%上昇しても返済できる余裕を持っておくことが重要です。

ステップ3:複数銀行で事前審査→条件比較して決定

1つの銀行だけで決めず、複数の銀行に事前審査を申し込んで条件を比較しましょう。金利だけでなく、事務手数料、団信の保障内容、諸費用込みの可否なども含めて総合的に判断することが大切です。

【タイプ別おすすめ住宅ローン】

あなたのタイプおすすめの住宅ローン
諸費用込み・手数料重視の方SBI新生銀行
がん保障を重視したい方auじぶん銀行
全疾病保障で万全の備えをしたい方住信SBIネット銀行
審査に不安がある方PayPay銀行
イオンでよく買い物をする方イオン銀行
金利タイプを柔軟に変更したい方ソニー銀行
金利上昇リスクを排除したい方ARUHI(フラット35)

フルローンは、正しく理解して活用すれば、住宅購入の有力な選択肢となります。本記事の情報を参考に、ご自身に合った住宅ローンを見つけてください。

住宅購入は人生で最も大きな買い物の一つです。焦らず、じっくりと検討した上で、後悔のない選択をしていただければ幸いです。

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