法人向け火災保険は、建物の修理費に加え、設備・在庫と休業中の損失まで比べて選ぶことが大切です。自社ビルを持つ会社と、事務所や店舗を借りている会社では、必要な補償が変わります。
比較候補には、東京海上日動「超ビジネス保険」、三井住友海上「ビジネスキーパー」、損保ジャパン「企業総合補償保険」、AIG損保「ニュープロパティーガード」があります。この記事では、各商品の特徴と、事業所の条件に合わせて確認したい点を整理します。
おすすめ候補4社の比較 | 店舗・事務所・工場別の選び方 | 見積もりでそろえる条件
公式情報の確認日:2026年10月19日。掲載商品は、事業用財産と休業損失への備えを検討できる商品から選定しています。保険料の安さや保険金の支払い実績による順位ではありません。引受けの可否・補償内容は、業種や物件、契約条件により異なります。
法人の火災保険、補償の選び方からご相談ください
マネーライフ本舗を運営するタイズホールディングスでは、法人保険のご相談を承っています。建物や設備・在庫、休業時に必要な備えを整理し、事業に合った補償を一緒に考えます。

フォームの相談内容に「法人の火災保険の相談」とご記入ください。ご希望商品の取扱いやお見積もりの可否は、ご相談の際にご案内します。
法人向け火災保険のおすすめ候補4社を比較
まずは「何をまとめて備えたいか」で候補を絞りましょう。財産・休業・賠償をまとめる商品もあれば、財産と休業の設計を中心に考える商品もあります。
| 保険会社・商品 | 比較候補にしたい場合 | 契約前に見るポイント |
|---|---|---|
| 東京海上日動 超ビジネス保険 | 財産・休業に加え、賠償などもまとめて検討したい | 必要な補償の組み合わせ。貸しビル等の家賃収入は別に確認 |
| 三井住友海上 ビジネスキーパー | 財物と休業の補償をプランから選びたい | 4プランの違い、水災の支払方式・割合 |
| 損保ジャパン 企業総合補償保険 | 所有建物・設備と休業損失、複数物件を整理したい | 財物と利益の補償、保険金額・免責・支払限度額 |
| AIG損保 ニュープロパティーガード | 拠点や財産に合わせて補償を組みたい | 財物・事業継続の特約、水災・地震等のオプション |
※表の特徴は、他社では対応できないことを意味しません。以下は商品の概要であり、記載した補償がすべて自動で付くわけではありません。見積書と重要事項説明書で実際の契約内容を確認してください。
東京海上日動「超ビジネス保険」|財産・休業・賠償をまとめて考えたい会社に

超ビジネス保険は、中小企業の事業活動に伴うリスクに備える保険です。建物や設備・什器、商品などの財産に加え、休業・賠償責任・工事に関する補償を、必要に応じて組み合わせられます。
火災保険だけでなく事業全体の契約も整理したい会社は、比較候補にできます。たとえば店舗の設備の損害と、営業を止めた間の損失を、別々の項目で確認できます。
注意したいのは、休業による損失と家賃収入の減少は同じ補償ではないことです。貸しビルなどの家賃収入は、通常の休業補償ではなく、家賃の補償の条件を確認します。
三井住友海上「ビジネスキーパー」|財物と休業の補償をプランで選びたい会社に

ビジネスキーパーは、財物損害のみ、休業損害のみ、両方という選び方ができる事業活動総合保険です。基本補償は「ワイドPlus」「ワイド」「ベーシック」「エコノミー」の4プランから検討できます。
補償を広く持つか、必要な事故に絞るかを、プラン別に比べたい会社に向いています。借りている店舗・事務所では、借家人賠償責任などのオプションも確認しましょう。
水災は、単に「付いているか」だけでは比べられません。たとえばベーシックでは縮小支払割合を選ぶ仕組みがあるため、自己負担額と、損害額の何割が支払対象になるかまで照合してください。
なお、2024年10月1日以降始期の新規契約では、併用住宅の建物と建物内の家財は引受け対象外とされています。住居と店舗が一体の物件は、対象となる商品から確認が必要です。
損保ジャパン「企業総合補償保険」|所有建物と休業損失を合わせて設計したい会社に

企業総合補償保険は、建物・設備などの財産の損害と、休業による利益の減少を検討できる保険です。事務所・工場・倉庫など、複数の事業用物件をまとめる契約も案内されています。
保険金額や支払限度額、免責金額を設定するため、物件ごとに契約が分かれている会社や、復旧費と休業損失を合わせて見直したい会社の比較候補になります。
利益の補償は、収益の減少額を基にするものと、休業日数に応じるものなどで条件が異なります。復旧にかかる期間と、補償の計算方法をセットで比べましょう。
参考:損保ジャパン「企業総合補償保険」特長・休業による利益の減少の補償
同社の「ビジネスマスター・プラス」とは別の商品です。2026年6月版の同商品のパンフレットでは、建物のリスクを補償する商品として企業総合補償保険などを案内しています。商品名だけで、自社建物の損害まで補償されると判断しないようにしてください。
参考:損保ジャパン「ビジネスマスター・プラス」2026年6月版パンフレット(建物のリスク)
AIG損保「ニュープロパティーガード」|財産や拠点ごとの条件を組みたい会社に

ニュープロパティーガードは、財産の直接損害と、事業中断による損失への備えを設計する企業財産保険です。建物・設備・在庫などの財産や、事業所の条件に合わせて検討できます。
複数の拠点がある会社や、建物と機械・在庫の金額が大きく異なる会社は、対象財産と事業継続の補償を分けて相談すると比較しやすくなります。
水災や地震・噴火・津波の補償は、オプションの確認が必要です。また、居住用建物は併用住宅を含めて対象外とされているため、住居を兼ねた事業所は別途相談してください。
参考:AIG損保「ニュープロパティーガード」保険の対象・オプション
店舗・事務所・工場で、優先する補償は変わる
会社名や保険料から選ぶ前に、自社が損害を負担する財産を確認しましょう。特に賃貸物件では、大家の建物の保険と、自社の設備・商品の保険を分けて考える必要があります。
| 事業所の条件 | 先に確認する財産・損失 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 賃貸の事務所 | 自社のパソコン・什器、内装、休業中の費用 | 大家の契約で、自社の所有物まで補償されるとは限らない |
| 賃貸の飲食店・小売店 | 厨房・レジ・内装・在庫、営業停止による損失 | 借家人賠償と、お客さまへの賠償は別に確認する |
| 自社所有の事務所・店舗 | 建物、設備・什器、在庫、復旧中の利益減少 | 建物だけの契約では、設備や休業の備えが不足し得る |
| 工場・倉庫 | 建物、機械、原材料・製品、再稼働までの損失 | 屋外設備、預かり品、運送中の財物も対象か確認する |
| 賃貸用ビル・複数拠点 | 所有建物、共用設備、事故後の家賃収入 | 家賃収入と自社事業の休業損失を分け、拠点一覧を作る |
賠償責任も一種類ではありません。大家に対する借家人賠償、施設の不備で来訪者をけがさせた場合の賠償、製品や食品が原因の賠償では、必要な補償が違います。財産の保険にすべて含まれるとは考えず、特約・別契約の内容を確認してください。
法人向け火災保険で失敗しないための3つの確認
1.建物だけでなく、設備・在庫の金額も分ける
財産の一覧は「建物」「設備・什器」「商品・原材料」「屋外設備」に分けると、対象の抜けを確認しやすくなります。借り物やリース品、預かり品は、所有者と契約上の負担も伝えましょう。
保険金額は、帳簿上の金額だけで決めないことが大切です。同等の物を買い直す費用を基準にできるか、時価を基準にするかで、事故後に受け取れる額が変わります。在庫が季節で増える会社は、繁忙期の金額も確認してください。
2.休業補償は、売上全額が無条件で支払われるものではない
建物を修理できても、その間に営業を止めれば利益が減り、家賃などの費用も続きます。休業補償では、対象事故、計算に用いる利益・費用、補償期間、免責期間、支払限度額を確認します。
「設備の交換に何か月かかるか」「仮店舗を使えるか」も検討材料です。感染症や食中毒、取引先の事故による休業などは、火災による休業と同じ条件ではないため、必要なら別に対象を確認してください。
3.水災・水ぬれ・地震をひとまとめにしない
洪水・内水氾濫などの水災と、給排水設備の事故などによる水ぬれは、補償項目が分かれます。「水の事故に対応」とだけ聞いて済ませず、所在地のハザードマップと契約上の対象事故を照合しましょう。
地震・噴火・津波による損害は、企業向け火災保険の基本補償とは別に検討します。事業専用の建物や設備・在庫には、住宅向けの地震保険をそのまま使えません。地震危険補償特約などの引受け可否、支払限度額、縮小支払割合を相談してください。
参考:日本損害保険協会「企業向け火災保険・地震危険補償特約」
保険料を比較するなら、見積もり条件をそろえる
法人の火災保険料は、建物の構造・用途・所在地、財産の金額、補償する事故、免責金額などで変わります。小規模事務所と大型工場をまとめた一つの相場だけでは、自社の保険料が妥当か判断できません。
同じ条件の見積書を並べ、保険料と「事故時に残る自己負担」を一緒に比べましょう。保険料が安くても、必要な財産が外れていたり、支払限度額が低かったりすれば、単純に有利とはいえません。
| 用意する情報 | 見積書でそろえる条件 |
|---|---|
| 事業所の一覧 | 所在地・用途・構造・面積・所有/賃貸・拠点数 |
| 財産の一覧 | 建物・設備・在庫ごとの金額、評価方法、対象となる場所 |
| 必要な補償 | 火災・水災・盗難等、休業、借家人賠償などの有無 |
| 自己負担と支払いの上限 | 事故別の免責金額、支払限度額、縮小支払割合 |
| 休業時の条件 | 対象となる利益・費用、補償期間、免責期間 |
| 現在の契約 | 保険証券、特約、満期日。既存契約と重なる部分 |
更新の場合は、新しい契約の補償開始と、現在の契約の満期・解約日を合わせます。引受けの確認が済む前に解約せず、補償の空白ができないよう手続きを進めてください。
法人向け火災保険についてのよくある質問
法人名義でも、住宅向け火災保険に加入できますか?
名義だけでは決まりません。社宅などの居住用建物と、店舗・事務所・工場では対象になる商品が異なります。建物の実際の用途と所有関係を伝えて確認しましょう。店舗併用住宅も、商品によって取扱いが分かれます。
賃貸の事務所でも、火災保険は必要ですか?
自社の什器・設備や内装の損害、大家への賠償、休業時の損失に備える必要があるかを確認します。大家が建物の保険に入っていても、これらが自動で含まれるわけではありません。賃貸借契約で求められる補償も確認してください。
一番安い会社はどこですか?
どの会社が一律に最安とはいえません。業種や物件、補償の組み合わせで保険料と引受条件が変わるためです。まず必要な補償を決め、同じ保険金額・自己負担額・補償期間で見積もりを比較しましょう。
まとめ|法人の火災保険は「復旧できるか」まで考えて選ぶ
法人向け火災保険は、会社名だけでなく、建物・設備・在庫の修理や買い直しと、再開までの利益・費用を分けて比べると選びやすくなります。まず所有・賃貸と資産を整理し、必要な補償をそろえて候補商品を比較してください。
店舗で確認したい補償は、店舗の火災保険の選び方でも詳しく解説しています。今の契約で十分か分からない場合は、保険証券と事業所・財産の一覧を用意して相談しましょう。
いまの契約で、建物・設備・休業の備えは足りていますか?
マネーライフ本舗を運営するタイズホールディングスでは、法人保険のご相談を承っています。建物や設備・在庫、休業時に必要な備えを整理し、事業に合った補償を一緒に考えます。

フォームの相談内容に「法人の火災保険の相談」とご記入ください。ご希望商品の取扱いやお見積もりの可否は、ご相談の際にご案内します。

