東京ロンドンNY時間の特徴!時間帯別の値動きと戦略

東京ロンドンNY時間の特徴!時間帯別の値動きと戦略

「東京時間は動かない、ロンドン時間から本番、という説明はよく見る。でも実際に何時から何時までがどの時間帯なのか、そこで何が起きているのかがはっきりしない」

こういった疑問に答えます。

先に結論を書きます。市場の境目は各社の説明で1時間ずれることがあり、「ロンドン時間は何時から」を厳密に決めることはできません。一方で、時刻が公表されている出来事はいくつもあります。午前9時55分の仲値、米国東部時間8時30分の統計発表、日本時間の早朝に来るロールオーバー。この記事では値動きの大きさではなく、その時間に確実に起きる出来事で3つの時間帯を並べ直します。そして「勝ちやすい時間」には統計がなく、「コストが違う時間」には公表値があるという事実まで示します。

時間帯によってスプレッドを変えている会社もあります。取引条件を時間帯まで含めて見比べたい方は、主要FX会社の取引条件を比較したページに一覧をまとめています。

日本時間主に動いている市場その時間に起きることが公表されている出来事
5:00頃から8:00頃ウェリントン、シドニーニューヨーククローズによるスワップの判定(日本時間6:50から6:55前後、夏時間は5:50から5:55前後)。各社の日次メンテナンス
8:00頃から10:00東京午前9時55分に対顧客レートの基準となる仲値が発表される
10:00から16:00東京、アジア仲値が決まったあとの時間帯。時刻の決まった制度的イベントは確認できず
16:00頃から21:00頃ロンドン(冬時間は17時頃から)欧州の経済指標の発表。国内各社の取引時間は変わらない
21:00頃から24:00ロンドンとニューヨークが重なる米国東部時間8時30分の主要統計が入る(夏時間で21時30分、標準時間で22時30分)
24:00から翌1:00ニューヨークニューヨークオプションカット、続いてロンドン市場の仲値
翌1:00から5:00ニューヨーク後半クローズに向かう時間帯。ヒロセ通商のスプレッド区分では午前3時から広い側に切り替わる

※日本時間の市場区分は各社の解説によるもので、夏時間か冬時間かで1時間前後ずれます。いずれも2026年7月時点の各社公表内容にもとづくもの。

自分の口座が何時から何時まで動くのかを先に確認したい方は、FXの取引時間を会社ごとに整理した記事に公表値を並べています。

市場の境目は会社の説明で1時間ずれるので、時刻が確定した出来事で並べ直す

まず、この記事がなぜ「値動きの大きさ」で時間帯を並べないのかを説明しておきます。理由は単純で、境目そのものが1つに決まらないから。

外為どっとコムは、東京市場を日本時間の8時から17時、ロンドン市場を16時から26時(冬時間は17時から27時)、ニューヨーク市場を21時から早朝6時(冬時間は22時から早朝7時)と説明しています(外為どっとコム「FXの取引時間は?為替取引が活発になる時間帯」)。

OANDA証券は、東京市場を8時から17時頃、ロンドン市場を標準時間16時から2時・サマータイム15時から1時、ニューヨーク市場を標準時間22時から6時・サマータイム21時から5時としています(OANDA証券「FXの取引時間」)。

開始時刻で食い違うのはロンドンだけで、東京とニューヨークは2社とも同じ時刻から始めています。ニューヨークの終了だけは1時間違いますが、話がややこしくなるのは入口のほう。取引所の株式と違い、為替には開場を告げる仕組みがないので、こういうことが起こります。

市場外為どっとコムの記載OANDA証券の記載
東京8時から17時8時から17時頃
ロンドン(夏時間)16時から26時15時から1時
ニューヨーク(夏時間)21時から早朝6時21時から5時
ロンドン(冬時間)17時から27時16時から2時
ニューヨーク(冬時間)22時から早朝7時22時から6時

そこで、この記事では別の並べ方を採ります。時刻が公表されている出来事だけを軸にする方法です。

仲値の発表時刻、統計の発表時刻、スワップの判定時刻、スプレッドの切り替え時刻。これらはすべて「何時何分」まで公表されていて、会社によってぶれません。時間帯を語るなら、こちらのほうが土台として頑丈だと考えています。

東京時間は午前9時55分に仲値が決まる。時刻が公表されている数少ない出来事

日本の朝でいちばん明確な時刻が、仲値です。

外為どっとコムの用語集によれば、仲値は「銀行の窓口のレートの基準になる相場」で、午前10時ごろのインターバンク市場の水準を参考に決定され、大きな為替変動がない限りその日一日適用されます。英語名はTelegraphic Transfer Middle rate(外為どっとコム 用語集「仲値」)。

同社の取引時間の解説では、もう少し細かく「午前9時55分には基準レート(TTM)を決める『仲値』が発表され」、仲値が決まって10時を過ぎると値動きが落ち着く傾向がある、と書かれています。

銀行側の説明も確認しておきます。三菱UFJ銀行は、TTSを「電信売り相場 仕向送金、外貨預金作成時等に使用」、TTBを「電信買い相場 被仕向送金、外貨預金出金時等に使用」と定義しています(三菱UFJ銀行「外国為替相場関連用語」)。

正直に書くと、この2ページを含めて銀行側でTTM(仲値)そのものの定義と決定時刻を明記したページは見つけられませんでした。確認できたのは、TTSとTTBという売り買い2つのレートが存在すること、米ドルなら片道の差が通常1ドルにつき2円、インターネットバンキングでは50銭という点まで(三菱UFJ銀行「外貨預金で使う為替相場とは」)。

そしてもうひとつ、正直に補足を。仲値の前後に円買い需要が集中する「仲値不足」や、5と10のつく日に決済が集まる「五十日(ゴトー日)」という言葉があります。これらを裏づける公式ページは今回見つけられませんでした。相場の経験則として語られているもの、という位置づけで受け取ってください。

ロンドンとニューヨークが重なる夜に、米国の主要統計が入ってくる

日本の夕方から夜にかけて、2つの大きな市場が順に立ち上がります。この帯に何が起きるのかは、統計の発表時刻から具体的に押さえられます。

米労働統計局が公開している発表スケジュールでは、雇用統計もCPIも発表時刻はすべて米国東部時間の午前8時30分です(米労働統計局「Employment Situation 発表スケジュール」)。

日本時間に直すと、米国が夏時間の期間は21時30分、標準時間の期間は22時30分。つまり米国の主要統計は、日本の夜に集中して届きます。

外為どっとコムの解説では、19時頃にヨーロッパ勢が昼休みに入るため値動きが一旦落ち着く傾向にあること、21時以降(冬時間は22時以降)はニューヨーク市場と重なり1日で最も取引が活発な時間帯になることが書かれています。

ここで、時間帯の話とスタイルの話を分けておきます。統計の発表時刻に合わせて売買するかどうかは、保有期間によって答えが変わるからです。回転数の多い手法での立ち回りはスキャルピングに向く時間帯と指標発表時の対応をまとめた記事で扱っているので、数分単位で回す方はそちらを参照してください。

この記事で押さえてほしいのは、夜の時間帯が「動くから重要」なのではなく「発表時刻が確定している情報が入ってくるから予定を立てられる」という点です。

日付が変わる前後には、オプションカットとロンドンの仲値がある

夜の後半にも、時刻の決まった出来事が2つ続きます。あまり語られない部分ですが、押さえておくと24時前後の動きに納得がいくはず。

外為どっとコムは、日本時間の24時を「ニューヨークオプションカットと呼ばれる通貨オプションの権利行使の期限時刻」と説明しています。さらに翌1時になるとロンドン市場の仲値が決まるため、実需筋の取引によって値動きが活発になる傾向があるとしています。

ロンドンにも仲値があるという点は、東京の仲値しか知らない方には意外かもしれません。銀行の対顧客レートの基準を決める作業は、どの市場でも行われているということ。

ひとつ注意があります。同ページのニューヨーク市場の時間は夏時間を基準に書かれており、冬時間は1時間後ろになると併記されています。この記述からすると24時のオプションカットと翌1時のロンドン仲値も冬時間には1時間後ろにずれると読めますが、そこまでは明記されていません。自分の口座のチャートで時刻を確かめるのが確実です。

早朝のロールオーバーでは、スワップの判定と各社のメンテナンスが重なる

1日の区切りは、日本時間の深夜ではなくニューヨーククローズに置かれています。ここがロールオーバーの時刻です。

みんなのFXは、判定時刻をニューヨーク市場クローズの日本時間午前6時50分(サマータイム中は5時50分)と明記し、この時刻をまたいで保有したポジションに1日分のスワップが付くと説明しています(みんなのFX「スワップポイントとは?」)。

外為どっとコムは同じ判定時刻を冬時間6時55分、夏時間5時55分としています(外為どっとコム「金利差調整額『スワップポイント』」)。

会社ニューヨーククローズの判定時刻(冬時間)同(夏時間)
みんなのFX午前6時50分午前5時50分
外為どっとコム午前6時55分午前5時55分

5分の違いですが、この数分の差でスワップが1日分付くか付かないかが変わります。会社ごとの公表値を確認しておく価値はあるところ。

そしてこの時刻の直後に、多くの会社が日次メンテナンスに入ります。レート配信が止まるため、注文を出しても約定しません。ロールオーバーの前後は、スワップの判定とシステムの切り替えが同時に起きる時間帯だと理解しておいてください。

朝のスプレッドが高いのは、公表値の段階ですでに29.5倍の差がついているから

「FXの朝のスプレッドが高いのはなぜですか」という質問に、正面から答えます。理由は流動性の薄さですが、それ以上に重要なのは、会社が自ら時間帯を区切って別の数値を公表しているという事実のほうです。

ヒロセ通商は米ドル/円のスプレッドを、AM9:00から翌AM3:00が0.2銭、AM3:00からAM9:00が5.9銭と公表しています。ユーロ/円は0.4銭と9.9銭、ポンド/円は0.9銭と19.9銭です(ヒロセ通商「LION FXスプレッド情報」)。

金額に直します。前提は、日本銀行の外国為替市況による2026年7月21日17時時点の米ドル/円162.59円台(日本銀行「外国為替市況(日次)」)、取引数量2万5,000通貨、スプレッドは1往復につき1回発生、クロス円の1pipsは0.01円とします。

時間帯提示スプレッド1往復のコストpips換算
AM9:00から翌AM3:000.2銭50円0.2pips
AM3:00からAM9:005.9銭1,475円5.9pips

差額は1往復で1,425円。倍率にして29.5倍です。

この1,475円がどれくらいの重さなのか、別の角度からも見ておきます。2万5,000通貨の取引金額は406万4,750円で、証拠金率4%なら必要証拠金は16万2,590円。5.9銭の1往復コストは、その約0.91%にあたります。

もっと直感的な言い方をすると、早朝に1往復するコストで、9時以降なら29.5往復できる計算です。同じ会社、同じ通貨ペア、同じ数量。違うのは時計だけ。

ヒロセ通商は、流動性の低い時間帯や指標発表時等にはスプレッドが広がる場合があるとも注記しています。つまり5.9銭という数字ですら上限ではなく、条件次第でさらに広がりうるということ。※2026年7月時点の公表値です。条件は改定されるため公式サイトで確認してください。

「勝ちやすい時間」を示す統計はない。確実に違うのはコストのほう

「FXで勝ちやすい時間は?」という問いに、私は数字で答えられません。ここは正直に書きます。

今回、時間帯別の勝率や平均値幅を継続的に集計した公的なデータ、あるいはFX会社が公表しているデータを探しましたが、見つけられませんでした。「この時間は平均何pips動く」という数字を見かけることはありますが、出所が確認できる公表統計に行き当たらないということ。

だから、時間帯を選ぶ判断は勝率ではなく、確認できる事実の側から組み立てるほうが確実です。確認できる事実は3つあります。

  1. スプレッドは時間帯で変わる。ヒロセ通商の米ドル/円は0.2銭と5.9銭で29.5倍の開き
  2. 統計の発表時刻は確定している。米国の主要統計は東部時間8時30分で、日本時間では夜
  3. 取引できない時間が毎日ある。各社の日次メンテナンス中は注文が約定しない

この3つはどれも公表値で確かめられます。勝率のように「本当かどうか分からない情報」ではありません。

私は、時間帯選びを「勝てる時間を探す作業」ではなく「不利な条件を避ける作業」として組み立てることをおすすめします。前者には根拠がなく、後者には公表値という根拠があるので。

やってはいけない時間帯があるとすれば、条件が公表値から外れる時間

「FXをやってはいけない時間帯は?」という質問には、条件で答えられます。避ける理由が公表値で説明できる時間帯は3つです。

避けたほうがよい時間帯根拠何が起きるか
早朝(スプレッド区分の広い側)ヒロセ通商は午前3時から9時の米ドル/円を5.9銭と公表1往復のコストが29.5倍になる
日次メンテナンスの前後各社が停止する時間帯を公式ページで公表注文を出しても約定しない
統計発表の直後の数分ヒロセ通商が指標発表時等のスプレッド拡大を注記提示条件が平常と変わる

3つに共通しているのは、「会社が公表している通常の取引条件が当てはまらない時間」だということ。値動きが荒いから危ないのではなく、条件が公表値どおりに機能しない可能性があるから避ける、という理屈です。

逆に言えば、これ以外の時間帯を一律に「やってはいけない」と切り分ける根拠は見つかりませんでした。東京時間の午前が悪いとか、金曜の夜が危ないといった話には、確認できる裏づけがありません。

ここは断言しますが、避けるべき時間の判断基準は「動くかどうか」ではなく「条件が公表値どおりか」です。とはいえ、生活の都合で早朝しか触れないという方もいるはず。その場合は数量を落として、往復コストが許容範囲に収まる形にすれば選択肢としては成立します。

ヒロセ通商の取引時間は米国標準時で月曜7時00分から土曜6時30分、夏時間で月曜6時30分から土曜5時30分です(ヒロセ通商「取引要綱(LION FX)」)。スプレッドの区分が変わる午前3時と午前9時は、この取引時間の内側にあります。取引できる時間と、有利な条件で取引できる時間は別物だということ。

東京ロンドンNY時間と時間帯選びで検索されている5つの疑問

時間帯ごとの出来事はここまでで整理できました。残るのは細かい確認事項です。よく調べられている5つに答えます。

FXでやってはいけない時間帯はいつですか?

条件が公表値どおりに機能しない時間帯です。具体的には、スプレッドが広い側に切り替わる早朝、各社の日次メンテナンス前後、統計発表直後の数分。

この3つ以外を一律に避ける根拠は見つかりませんでした。「この時間は危ない」という話を聞いたら、まずその根拠が公表値なのか経験則なのかを確かめてください。

FXで勝ちやすい時間はありますか?

時間帯別の勝率を示す公表データは見つかりませんでした。したがって「この時間が勝ちやすい」とは書けません。

代わりに言えるのは、コストが確実に違うということ。同じ2万5,000通貨の1往復で50円と1,475円の差がつくなら、条件のよい時間に寄せるだけで結果は変わります。

東京時間とロンドン時間、ニューヨーク時間は日本時間の何時からですか?

会社の解説によって数字が分かれます。東京はおおむね8時から17時で一致しますが、ロンドンの開始は夏時間で16時とする説明と15時とする説明があり、1時間の幅があります(冬時間ではそれぞれ17時と16時)。

厳密な境目を決めるより、仲値が9時55分、米国統計が東部時間8時30分といった確定した時刻を覚えるほうが実務的です。

仲値とは何ですか。FXにも関係しますか?

仲値は銀行の窓口レートの基準になる相場で、午前10時ごろのインターバンク市場の水準を参考に決まり、その日一日適用されます。銀行の対顧客取引の基準なので、FXの取引レートそのものではありません。

ただし、この時刻の前後に銀行の実需の取引が集中するため、東京時間で最も時刻がはっきりした場面ではあります。

オーストラリアやウェリントンの市場はFXに関係ありますか?

日本時間の早朝に動いているのがこの地域です。OANDA証券はウェリントン・シドニー市場を標準時間で日本時間5時から14時、サマータイムで4時から13時としています。

ただしこの時間帯は、ヒロセ通商が米ドル/円を5.9銭と区分している午前3時から9時と重なります。時間帯別のスプレッドを公表している会社は多くないので、自分の口座の提示値を早朝に一度見ておくのが確実。動いてはいるものの、取引条件は日中と同じではないという理解でいてください。

時間帯は値動きで選ぶより、公表されている条件で選ぶほうが確実

3つの市場を「動く時間」と「動かない時間」で分けるのは、実は根拠の薄い整理でした。時刻が確定しているのは値動きではなく、制度の側だからです。

  • 市場の境目は会社の説明で1時間ずれることがあり、ロンドンの開始時刻には夏時間で16時と15時の2説がある
  • 東京時間で時刻が公表されているのは午前9時55分の仲値で、仲値不足やゴトー日を裏づける公式ページは見つからなかった
  • 米国の主要統計は東部時間8時30分に固定され、日本時間では夏時間21時30分・標準時間22時30分になる
  • スワップの判定時刻は会社ごとに5分違い、みんなのFXが6時50分、外為どっとコムが6時55分(いずれも冬時間)
  • 2万5,000通貨の1往復コストは0.2銭で50円、5.9銭で1,475円。同じ条件で29.5倍の差がつく

時間帯の次に確認しておきたいのが、市場が止まる土日と祝日の扱いです。週明けに窓が開いたときポジションと注文がどうなるかはFXの土日と祝日の相場をまとめた記事に金額つきで整理してあります。

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