「楽天FXは楽天ポイントが貯まるらしい。MT4も使えると聞いたけれど、口座を2つ作る必要があるという話もあって、実際どこまで手軽なのかが分からない」
こういった疑問に答えます。
楽天FXの特徴は2つあります。ひとつはレバレッジコースを5段階から選び、さらにロスカット水準を5%刻みで自分で決められること。もうひとつがMT4への対応ですが、EAを本番口座で動かすには楽天FX口座と楽天MT4口座の2口座が必要です。楽天ポイントについては期待しすぎないほうがいい。10枚(10万通貨)ごとに1ポイントという水準で、米ドル/円162.59円なら約1,626万円ぶんの取引で1円相当という計算になります。ポイント目当てで選ぶ口座ではありません。
取引ツールや条件を他社と並べて確認したい方は、FX会社の条件比較ページで環境まわりの項目を見比べてみてください。
| 項目 | 楽天FX(楽天証券)の公表内容 |
|---|---|
| 取扱通貨ペア | 38通貨ペア(対円18、その他20) |
| 取引単位 | 1枚は1万通貨。1,000通貨単位から取引可能と案内 |
| レバレッジコース | スタンダード25倍、10倍、5倍、2倍、1倍の5種類 |
| ロスカット水準 | コースごとに選択可能。スタンダード25倍コースは50〜95%を5%刻みで設定 |
| 追証 | スタンダード25倍コースと法人口座で発生。取引日終了時点の評価で維持率100%割れが条件 |
| 取引手数料 | 無料 |
| 米ドル/円スプレッド | 私が確認した公式ページでは具体的な数値の掲載を確認できず |
| 信託保全先 | 金融機関名は私が確認した公式ページでは特定できず |
| 登録番号 | 関東財務局長(金商)第195号 |
| 加入協会 | 日本証券業協会、金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会ほか |
| 取引時間(冬時間) | 月曜は午前7時開始、火曜から金曜は午前7時10分開始、終了は翌日午前6時55分 |
| 取引時間(夏時間) | 月曜は午前7時開始、火曜から金曜は午前6時10分開始、終了は翌日午前5時55分 |
| MT4 | 提供中。EAを本番口座で使うには楽天FX口座と楽天MT4口座の2口座が必要 |
※ここに並べたのは2026年7月26日に楽天証券の取引ルールおよび楽天FXの案内ページで確認できた内容です。確認できなかった項目はその旨を記載しています。条件は改定されるため、口座の申し込み前に公式サイトで最新の記載をご確認ください。
レバレッジコースとロスカット水準を、どちらも自分で決められる
楽天FXの取引条件を読んでいて、最初に目に留まったのがここです。上限の置き方を2つの軸で調整できる会社は多くありません。
同社の取引ルールによれば、個人のレバレッジコースはスタンダード25倍(証拠金率4%)、10倍(10%)、5倍(20%)、2倍(50%)、1倍(100%)の5種類。口座開設当初はスタンダード25倍コース、ロスカット水準50%が設定されています(楽天証券「取扱通貨ペア・必要証拠金(楽天FX)」)。
ロスカット水準の選択範囲は、コースによって変わります。
| レバレッジコース | 証拠金率 | ロスカット水準の選択範囲 | 追証 |
|---|---|---|---|
| スタンダード25倍 | 4% | 50〜95%(5%刻み) | あり |
| レバレッジ10倍 | 10% | 40〜95%(5%刻み) | 対象外 |
| レバレッジ5倍 | 20% | 20〜95%(5%刻み) | 対象外 |
| レバレッジ2倍 | 50% | 20〜95%(5%刻み) | 対象外 |
| レバレッジ1倍 | 100% | 20〜95%(5%刻み) | 対象外 |
追証が発生するのは、スタンダード25倍コースと法人口座だけです。取引日終了時点の評価で証拠金維持率が100%を割り込んでいる場合が条件(楽天証券「楽天FXの取引ルール」)。裏を返せば、10倍コース以下を選べば追証の心配から離れられるということ。
ロスカットの通知も2段階で用意されています。スタンダード25倍コースでロスカット水準を50%に設定した場合、維持率100%でプレアラート、70%でアラートのメールが届く仕組みです(楽天証券「ロスカット(楽天FX)」)。
ただし同じページには、正直な注記も添えられています。ロスカットの判断となる純資産の評価は一定間隔で行っているため、リアルタイムで時価評価する場合に比べてロスカットの執行までにタイムラグが生じること。設定した水準ちょうどで切られるとは限らない、と会社自身が書いているわけです。
「では水準を高めに設定しておけば安全なのか」と思うかもしれません。半分は正しい。ただ、95%に設定すれば必要証拠金の95%まで減った時点で切られるため、通常の値動きでも建玉が閉じられます。水準を上げるほど、生き残りやすさではなく決済されやすさが増える点は理解しておいてください。
楽天MT4を本番で使うには、口座が2つ必要になる
「楽天fx mt4」で調べて来た方のために、ここははっきり書いておきます。
楽天証券は楽天MT4を提供しており、Expert Advisors(EA)による自動売買が可能です。ただし公式ページには、EAを本番口座で利用するには楽天FX口座と楽天MT4口座を開設する必要があると明記されています(楽天証券「楽天MT4」)。
手順としては、楽天FX口座を開設し、そのうえで楽天MT4口座を開設し、MT4で取引を始めるという3段階です。
| やりたいこと | 必要な口座 |
|---|---|
| マーケットスピードFXやiSPEED FXで裁量取引をする | 楽天FX口座 |
| MT4にEAを導入して自動売買を動かす | 楽天FX口座と楽天MT4口座の2つ |
ここは面倒に感じる部分でしょう。ただ、口座が分かれていること自体には合理性があります。裁量の資金とEAの資金を物理的に分けられるため、片方の損失がもう片方の証拠金を巻き込みません。
一方で、資金の移動という手間は確実に増えます。EAの証拠金が薄くなるたびに口座間で動かす必要があるなら、その頻度も含めて運用設計に入れておいてください。
MT4が使える国内口座は限られており、各社で条件も違います。どこを選ぶかで迷っているなら、MT4が使える国内FX口座の比較で選択肢を確認してから決めるほうが早く済みます。
楽天ポイントは、1ポイント貯めるのに約1,626万円ぶんの取引が要る
ここがこの記事で最も伝えたい部分。ポイント連携を口座選びの理由にしていいのか、金額で確かめます。
楽天証券の案内によれば、楽天FXはハッピープログラムの対象で、10枚(10万通貨)ごとに楽天ポイント1ポイントが付きます。米ドル/円の取引なら1万ドル10枚買いで1ポイント、という具体例も添えられています。あわせて、取引項目やポイント数、ポイント計算基準等は事前の予告なく変更することがあるとの注記もあります(楽天証券「FXなら『楽天FX』」)。
1ポイントは1円相当です。これを取引金額に換算します。前提は米ドル/円が2026年7月21日17時時点の162.59円台(日本銀行「外国為替市況(日次)」)。
| 取引した枚数(1枚=1万通貨) | 取引数量 | 取引金額 | 付与される楽天ポイント | 1ポイントあたりの取引金額 |
|---|---|---|---|---|
| 10枚 | 10万通貨 | 約1,626万円 | 1ポイント | 約1,626万円 |
| 100枚 | 100万通貨 | 約1億6,259万円 | 10ポイント | 約1,626万円 |
| 500枚 | 500万通貨 | 約8億1,295万円 | 50ポイント | 約1,626万円 |
| 1,000枚 | 1,000万通貨 | 約16億2,590万円 | 100ポイント | 約1,626万円 |
1,000万通貨を動かして100円。これが楽天ポイント連携の実力です。数字を出す前は私ももう少し期待していましたが、口座選びの決め手になる規模ではありません。
必要証拠金と比べると、感覚がつかみやすくなります。1枚(1万通貨)の必要証拠金は、証拠金率4%として約6万5,036円(金融先物取引業協会「FX取引の規制について」)。10枚建てるには65万円ほどの証拠金が要り、そこで得られるのが1円です。
誤解のないように付け加えると、これは楽天証券が渋いという話ではありません。FXのポイント還元は、業界としてこの水準だということ。ポイントは取引をした結果として受け取るおまけであって、取引の理由にはならないと考えてください。
取扱いは38通貨ペア、取引時間は火曜以降の開始が少し早い
条件面の残りを確認します。通貨ペア数は国内でも多い部類です。
取引ルールによれば、楽天FXの取扱いは38通貨ペア。対円が18種類で、ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、NZドル/円、ランド/円、カナダ/円、スイス/円、香港ドル/円、SGドル/円、Nクローネ/円、トルコリラ/円、人民元/円、メキシコペソ/円、フォリント/円、チェココルナ/円、ズロチ/円、Sクローナ/円。残る20種類がその他の通貨ペアです。
シンガポールドルやノルウェークローネ、スウェーデンクローナの対円まで揃っている点は、通貨ペアの幅を重視する人には効いてきます。取引単位は1枚が1万通貨で、1,000通貨単位から取引できると案内されています。
取引時間は少し独特です。冬時間は月曜が午前7時開始で、火曜から金曜は午前7時10分開始、終了は翌日午前6時55分。夏時間は月曜が午前7時開始、火曜から金曜は午前6時10分開始、終了は翌日午前5時55分となります(楽天証券「取引可能日(楽天FX)」)。
同じページには、原則として取引時間内でカバー取引が可能な状態であれば、年始を除いて同社の休業日でも取引できると書かれています。祝日に相場が動いたときに触れないという事態は起きにくい設計です。
スプレッドと信託保全先は、私が確認した範囲では特定できなかった
正直に書いておくべきことがあります。この記事で埋められなかった項目です。
米ドル/円をはじめとする通貨ペアのスプレッドについて、具体的な数値を掲載している公式ページを、私は特定できませんでした。数値そのものが確認できない以上、この記事で他社と比較することはしません。ここまで条件を並べてきた記事で、損益に直結する項目が1つ埋まらないのは正直つらいところ。
信託保全先の金融機関名も同様です。楽天証券が顧客資産の区分管理を行っていること自体は制度上の前提ですが、どの信託銀行に預けているかを明記したページには到達できませんでした。
制度としての土台だけは確認しておきます。金融先物取引業協会によれば、顧客から預かった証拠金の区分管理は2010年2月1日から信託に一本化されました(金融先物取引業協会「FX取引の規制について」)。預け先の銀行名までは分からなくても、信託によって区分されていること自体は登録業者に共通の前提だということ。
会社としての登録は確認できました。楽天証券株式会社の登録は関東財務局長(金商)第195号で、日本証券業協会、金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会などに加入しています(楽天証券 会社情報)。この番号は読者側でも照合できます。金融庁が2026年1月30日に運用を始めた一括検索機能を使えば、業種を横断して登録状況を調べられるからです(金融庁「金融事業者一括検索機能の運用開始について」)。
スプレッドは損益に直結する条件です。数値が確認できないまま口座を開くのではなく、申し込み画面に進む前に、契約締結前交付書面か取引画面の提示レートで必ずご自身の目で確かめてください。
楽天FXが向く人と、口座がいらない人
条件は出そろいました。ここからは読者の状況に置き換えて線を引きます。
向いているのは、上限を自分で設計したい人です。レバレッジコースを5段階から選び、さらにロスカット水準を5%刻みで指定できる会社は多くありません。10倍コース以下なら追証も発生しないため、想定外の請求を構造的に避けられます。
MT4でEAを動かしたい人にも選択肢になります。国内でMT4を提供する会社は限られており、そのうえで裁量とEAの口座を分けられる設計は、資金を混ぜたくない人と噛み合います。
一方、楽天証券の総合口座を持っているからという理由だけでFX口座を作るのは勧めません。FXの口座は開いた瞬間から管理対象が増えます。株式の取引ついでに眺めるだけなら、口座を作らないという判断のほうが合理的です。
楽天ポイントを目当てにしている人にも、はっきり伝えておきます。1ポイントに約1,626万円ぶんの取引が必要な水準では、ポイントは口座選びの材料になりません。他社と比べるなら、スプレッドと約定、ロスカットの条件で判断してください。
楽天FXの口座とMT4について、よく調べられている質問
上限の設計、口座の数、ポイントの実額。判断に要る材料はここまでで出しました。残っているのは手続きの細部なので、検索数の多い5つを、口座を2つ持つ前提で片づけます。
楽天MT4を使うには口座はいくつ必要ですか?
2つです。EAを本番口座で利用するには、楽天FX口座と楽天MT4口座の両方を開設する必要があると公式ページに明記されています。
手順は、楽天FX口座を開設してから楽天MT4口座を開設し、MT4で取引を始めるという流れ。資金は口座ごとに管理することになるため、EA側の証拠金が薄くなったときの移動手順を先に確認しておくと安心です。
楽天FXのロスカット水準は変更できますか?
できます。スタンダード25倍コースなら50%から95%の範囲を5%刻みで、レバレッジ10倍コースなら40%から95%、5倍・2倍・1倍の各コースなら20%から95%の範囲で設定できます。
ただし、ロスカットの判断となる純資産の評価は一定間隔で行われるため、設定した水準ちょうどで執行されるとは限らないと会社自身が注記しています。水準を細かく詰めても、その通りに切られる保証はない点は理解しておいてください。
楽天FXで楽天ポイントはどれくらい貯まりますか?
10枚(10万通貨)ごとに1ポイントです。米ドル/円が162.59円なら、約1,626万円ぶんの取引で1円相当という水準になります。
なお、取引項目やポイント数、計算基準は予告なく変更されることがあると注記されています。ポイントの条件を前提に運用計画を立てるのは避けたほうがいいでしょう。
楽天FXの取引時間は何時から何時までですか?
冬時間は月曜が午前7時開始、火曜から金曜は午前7時10分開始で、終了は翌日午前6時55分。夏時間は月曜が午前7時開始、火曜から金曜は午前6時10分開始で、終了は翌日午前5時55分です。
年始を除けば、同社の休業日であっても取引時間内でカバー取引が可能な状態なら取引できると案内されています。祝日に相場が動く局面でも対応しやすい設計です。
楽天FXは危ないという書き込みを見かけますが、根拠は何ですか?
公表されている条件から挙げられるのは2点です。ひとつはスタンダード25倍コースで追加証拠金が発生すること。もうひとつは、ロスカットの評価が一定間隔で行われるためタイムラグが生じうると会社自身が注記していることです。
どちらも隠されている話ではなく、公式ページに書かれている内容です。気になるなら10倍以下のコースを選べば追証は対象外になりますし、評価のタイムラグは他社でも起こりうる事象。書き込みの多さではなく、公表条件を読んで判断してください。
楽天FXは、上限とツール環境を自分で組みたい人の口座
ポイントでも知名度でもなく、レバレッジコースとロスカット水準を自分で決められること。楽天FXを選ぶ理由があるとすれば、そこに尽きると考えています。
- レバレッジコースは25倍、10倍、5倍、2倍、1倍の5種類で、ロスカット水準も5%刻みで設定できる
- 追証が発生するのはスタンダード25倍コースと法人口座だけで、10倍以下のコースは対象外
- 楽天MT4でEAを動かすには、楽天FX口座と楽天MT4口座の2口座が必要になる
- 楽天ポイントは10枚(10万通貨)ごとに1ポイントで、米ドル/円162.59円なら約1,626万円の取引で1円相当
- スプレッドと信託保全先は公式ページで確認できなかったため、申し込み前に自分の目で確かめる
最初は10倍コースを選び、ロスカット水準は動かさずに少額で回す。追証の対象外という状態で自分の癖を確かめてから、コースを上げるかどうか決めれば十分です。
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