「クレジットカードの審査に不安がある。でも、高速道路ではETCを使いたい」。この迷いが生まれるのは、ETCカードの種類によって「審査」の意味が違うためです。
結論から言うと、個人がクレジットカード会社の与信審査を受けずにETCを持つ中心的な方法は、ETCパーソナルカードです。ただし、申込みに関する審査が一切ないわけではありません。高速道路6社が利用規約に基づいて申込内容を審査するため、「誰でも作れる」「必ず審査が通る」とは断定できません。
このカードは、年会費1,257円(税込)とデポジット(保証金)が必要で、申込みから発行までは順調でも概ね1か月です。費用を抑えたいのか、クレジット契約を避けたいのか、利用日が迫っているのかで選択肢を分けると、必要なカードがはっきりします。
この記事で使った同カード、高速道路各社、信用情報機関の公式情報の確認日は、2026年8月20日。
最初に分かる結論
- クレジットカード会社の与信審査なしで個人が申し込める中心的な選択肢は、このカード
- 利用規約に基づく審査があり、発行保証はない
- 最低3,000円のデポジットと年会費1,257円(税込)が必要
- 申込みから発行までは概ね1か月で、即日利用には向かない
- カードローンとクレジットカードの審査を受けられる人は、ETCカードも年会費永年無料のモビット VISA-Wが比較候補
| 検索時に気になること | 先に分かる答え |
|---|---|
| 必ず審査が通るETCカードはあるか | ない。パソカにも規約に基づく審査がある |
| 個人がクレカ審査なしで申し込めるか | パソカなら、信用情報機関の情報等に基づく与信審査とは異なる審査で申し込める |
| 「ブラックリスト」が気になる場合 | 「ブラックリスト」は正式名称ではない。信用情報に不安があっても申込みはできるが、発行は保証されない |
| 審査なしで即日発行できるか | できない。パソカは順調でも発行まで概ね1か月 |
| おすすめの方法 | 与信審査を避けるなら同カード、手持ちのクレカがあるなら追加発行、今日必要なら別の支払手段を選ぶ |
個人がクレカの与信審査なしでETCを持つ中心はETCパーソナルカード
ETCカードには、ETCクレジットカード、ETCパーソナルカード、ETCコーポレートカードの3種類があります。個人がクレジットカード契約をせずに日常利用するなら、このカードが中心です。
ETC総合情報ポータルサイトのカード案内では、同カードを高速道路6社が共同発行し、クレジットカード会社による与信審査の代わりにデポジットを預けるカードと説明しています。
| ETCカードの種類 | 主な対象 | 審査・条件 | 個人の選び方 |
|---|---|---|---|
| ETCクレジットカード | クレジットカード会員 | 親カードの審査がある。既存会員の追加発行条件はカード会社ごとに異なる | 手持ちのクレカがある人は、追加発行の費用と到着日を先に比べる |
| パソカ | 個人・法人 | 与信審査とは異なる規約審査とデポジットがある | クレジット契約を避けてETCだけ持ちたい個人に合う |
| ETCコーポレートカード | 大口・多頻度利用の事業者 | 車両単位の条件があり、申込先によって条件が異なる | 仕事で高速道路を高頻度利用する個人事業主・法人が比較する |
このカードはプリペイドカードではありません。デポジットは通行料金の前払いではなく、利用代金は毎月、指定した金融機関口座から引き落とされます。買い物には使えず、ETCによる有料道路の支払いに特化したカードです。
モビット VISA-WはETCカードを年会費永年無料で追加できる
パソカの年会費とデポジットを避けるために審査を受けられるなら、モビット VISA-Wが比較候補です。クレジットカードとETCカードは、年1回の利用といった条件なしで年会費永年無料。カードローンとVisaのクレジット機能を1枚にまとめられます。
ただし、モビット VISA-Wは「審査なしのETCカード」ではありません。先にSMBCモビットのカードローン審査と契約があり、その後に三井住友カードのクレジットカード審査を受けます。申込条件は、年齢満20歳から74歳で安定した定期収入がある人です。
| 比較項目 | ETCパーソナルカード | モビット VISA-W |
|---|---|---|
| 向いている人 | クレジット会社の与信審査を避けてETCだけ持ちたい人 | 審査を受け、年会費をかけずETCとクレジットを使いたい人 |
| 審査 | 信用情報機関の情報等に基づく与信審査とは異なる規約審査 | カードローン審査後にクレジットカード審査 |
| 年会費 | 1,257円(税込) | クレジットカードとETCカードともに永年無料 |
| デポジット | 最低3,000円 | 不要 |
| 発行時期 | 申込みから概ね1か月 | クレジット申込手続き完了後、最短4営業日で発送 |
| 買い物 | 利用不可 | 国内外のVisa加盟店で利用可能 |
SMBCモビットの公式商品情報によると、クレジットカードの支払い方法は「マイ・ペイすリボ」です。入会時の毎月支払額は5,000円に設定され、設定額を超えた残高には実質年率18.00%のリボ払い手数料がかかります。年会費だけで選ばず、この支払条件まで含めて比較します。
モビット VISA-W

ETCカードとクレジットカードの年会費が永年無料
- カードローンとVisaのクレジット機能が1枚にまとまる
- ETCカードはクレジットカード申込時に同時申込みできる
- クレジット利用200円(税込)につきVポイントが1ポイント貯まる
- クレジット申込手続き完了後、最短4営業日で発送
※カードローン審査通過後にクレジットカードの審査があります。
※外国籍の方は、特別永住者証明書または在留カードが必要です。
※クレジットカードのお支払いは「マイ・ペイすリボ」となります。
審査を避けたい人に合うのはパソカです。審査を受けられ、年会費とデポジットを抑えながら買い物にも使いたい人は、モビット VISA-Wの条件に合います。
必ず審査が通るETCカードはなく、パーソナルカードにも審査がある
「必ず審査が通るETCカード」はありません。ETCパーソナルカードの公式Q&Aには、カード発行に利用規約に基づく審査があり、信用情報機関の情報等に基づく与信審査とは異なると明記されています。
違いは、審査の有無ではなく審査の対象です。クレジットカード会社が支払能力を判断する与信審査ではなく、高速道路6社が申込内容や利用規約上の条件を審査します。公式Q&Aでも、発行保証とは案内していません。
ETCパーソナルカードで審査に落ちることがある条件
2026年4月施行の利用規約では、申込内容に疑義がある場合や、所定の拒絶事由に該当する場合、利用申込みを拒絶することがあると定めています。
| 主な条件 | 申込み前に見る点 |
|---|---|
| 年齢・親権者同意 | 16歳未満は申し込めない。16歳以上の未成年者は親権者の同意が必要 |
| 住民登録 | 住民基本台帳法に基づく届出が必要 |
| 重複申込み・保有 | ほかに申込み中、またはすでに会員資格がある場合は拒絶事由になり得る |
| 申告内容 | 記載内容に疑義がある場合や、利用見込額が著しく高額な場合は拒絶されることがある |
| 高速道路料金等の債務 | 加盟事業者への債務を履行していない場合や、過去の規約違反等は審査に影響する |
クレジットカードの審査に落ちた経験だけで、同カードも同じ結果になるとは限りません。一方で、申込条件を満たさない状態をデポジットだけで補えるわけでもありません。「与信審査がない」と「無条件で発行される」を分けて考える必要があります。
ETCパーソナルカードの費用は年1,257円とデポジット
同カードには、年会費とデポジットが必要です。公式概要によると、年会費は1,257円(税込)、デポジットは月あたりの有料道路利用見込額の4か月分で、最少額は3,000円です。
| 費用・条件 | 2026年8月時点の公式案内 | 家計への意味 |
|---|---|---|
| 年会費 | 1,257円(税込) | 利用しない年も年1回請求される |
| デポジット | 月間利用見込額の4か月分、最低3,000円 | 利用前に預ける保証金。通行料金の支払いには使えない |
| 利用代金 | 毎月27日に口座振替 | デポジットとは別に、実際の通行料金を支払う |
| 利用限度額 | 預けているデポジット額の100%相当 | 未決済残高が限度額を超えると利用停止になることがある |
| 解約時 | 所定の手続きと精算完了後にデポジットを返還 | 年会費と違い、デポジットは条件を満たせば戻る |
たとえば月5,000円の高速道路利用を見込むなら、4か月分は単純計算で20,000円。この金額を通行料金とは別に預けるため、初年度に必要な手元資金は「デポジット+年会費+実際の通行料金」で考えます。
クレジットカード付帯のETCカードは年会費無料の商品もあります。費用だけなら付帯型が有利な場合がありますが、クレジット契約を避けることが最優先なら、デポジットと年会費はその目的のためのコストです。
申込みはWeb完結ではなく、受け取りまで概ね1か月
このカードは、Web上で入力を終えただけでは申し込めません。申込書を印刷して本人確認書類等と一緒に郵送し、審査後に届く払込用紙でデポジットを支払います。
- 申込書を作成する
公式の入力フォームで必要事項を入力し、A4用紙へ印刷します。プリンターがない場合は、事務局から紙の申込書を取り寄せるか、サービスエリア等の配布場所で入手できます。 - 本人確認書類等と一緒に郵送する
個人は運転免許証またはマイナンバーカード等、案内された書類を添付します。個人番号が載るマイナンバーカード裏面は送付しません。 - 審査結果と払込用紙を受け取る
申込内容の審査後、デポジットの払込用紙が郵送されます。 - デポジットを支払う
案内された方法と期限に従い、コンビニエンスストア等で預託します。 - 簡易書留でカードを受け取る
デポジットの入金確認後、カード到着までは約2週間です。申込みから発行までの全体は、順調でも概ね1か月と案内されています。
公式の申込手順には、必要書類、郵送先、デポジット支払い、受け取りまでの流れが掲載されています。
「ブラックリスト」が気になる個人は与信審査との違いを切り分ける
「ブラックリスト」は信用情報機関の正式な制度名ではありません。JICCの公式FAQも、その名称のリストはなく、契約内容、返済・支払状況、利用残高などの客観的な取引事実を信用情報として保有すると説明しています。
同カードの審査は、信用情報機関の情報等に基づく与信審査とは異なります。そのため、過去の支払い遅れやクレジットカード審査への不安がある個人でも、申込みを検討できます。ただし、利用規約上の審査は残るため、「ブラックリストでも必ず作れるETCカード」という意味ではありません。
自分の信用情報が不明なら、推測でクレジットカードへ連続申込みをするより、まず登録内容を把握する方法があります。CICの信用情報案内では、申込情報は照会日から6か月間、クレジット情報は契約期間中と契約終了後5年以内が保有期間とされています。
信用情報とクレジットカード審査の関係は、ブラックリストと呼ばれる状態でもクレジットカードは作れるのかを整理した記事で詳しく扱っています。ETCだけが必要なら、クレジットカードへ何度も申し込む前に同カードと比較するほうが、目的に直結します。
審査なしのETCカードは即日発行できない
クレジットカード会社の与信審査を避けられるこのカードは、即日発行できません。申込書の郵送、規約審査、デポジットの払込み、カードの郵送が必要で、公式の目安は概ね1か月です。
今日または数日以内にETCが必要なら、新規の同カードだけでは間に合いません。状況別の現実的な選択肢は次のとおりです。
| 状況 | 先に検討する方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| すでにクレジットカードを持っている | 会員ページからETCカードを追加発行 | 発送日と到着日は別。追加審査や発行条件はカード会社ごとに異なる |
| レンタカーを使う | レンタカー会社のETCカード貸出 | 在庫、貸出料金、予約条件がある |
| 今日、自分の車で走る | ETCなしで通行できる経路・料金所や別の支払方法を調べる | ETC専用料金所は通れず、迂回が必要な場合がある |
| 利用日まで1か月以上ある | パソカを申し込む | 書類不備や審査、入金状況で1か月を超える場合がある |
即日発行をうたうクレジットカードでも、カード番号の即時発行とETCカード現物の受け取りは別です。利用日が迫っている場合の選び分けは、ETCカードを今日使いたいときの選択肢にまとめています。
審査なしのETCカードは「何を避けたいか」でおすすめが変わる
「審査なしのETCカードでおすすめはどれか」という質問には、1枚のカード名だけでは答えられません。クレジットの与信審査、初期費用、発行期間のうち、どれを優先するかで最適な方法が変わるからです。
| 最優先すること | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| クレジット契約を避けたい | パソカ | クレジットカード会社の与信審査ではなく、デポジットと規約審査で申し込める |
| 新しいクレカ審査を増やしたくない | 手持ちのクレカへETCを追加 | 新規の親カードを増やさずに済む。追加発行条件は発行会社による |
| 年会費や初期費用を抑えたい | モビット VISA-Wなどの年会費無料のクレカ付帯型 | モビット VISA-Wは本カードとETCカードが年会費永年無料。ただし、カードローンとクレジットカードの審査がある |
| 今日使いたい | 貸出カードまたは別の支払方法 | 審査なしの新規発行を待つ方法では間に合わない |
クレジットカード自体にも審査なしの商品はありません。デポジット型やローン一体型を含めてクレカ側の選択肢を比べる場合は、審査なしのクレジットカードがない理由と代替手段と、一般的なカードと異なる申込条件を持つクレジットカードの比較が判断材料になります。
ETCカードの審査なしに関するよくある質問
ETCパーソナルカードは審査に落ちますか?
落ちることはあります。信用情報機関の情報等に基づく与信審査とは異なりますが、申込書の内容や利用規約上の条件は審査されます。記載内容に疑義がある場合、住民登録がない場合、重複申込み、著しく高い利用見込額、高速道路会社への未履行債務などは拒絶事由になり得ます。詳しい条件は公式利用規約に記載されています。
ブラックリストでもETCパーソナルカードを作れますか?
信用情報に不安があることだけで、申込み自体ができなくなるとは案内されていません。同カードは信用情報機関の情報等に基づく与信審査とは異なる審査を行うためです。ただし、「ブラックリスト」という正式なリストはなく、パソカにも利用規約上の審査があります。申込条件を満たせば必ず発行されるわけではありません。
審査なしのETCカードを即日発行できますか?
同カードは即日発行できません。公式FAQでは、審査とデポジット入金が円滑に進んだ場合でも、申込みから発行まで概ね1か月と案内されています。クレジットカード本体が即時発行されても、ETCカードの現物は別送になる場合があります。今日必要なら、候補は貸出カードか、ETC専用料金所を避けられる経路。
個人事業主や法人でもETCパーソナルカードに申し込めますか?
個人だけでなく法人も申し込めます。法人は発行から6か月以内の法人登記簿謄本または抄本の写しが必要です。仕事で大口・多頻度利用をする場合はETCコーポレートカードも候補ですが、申込先や車両ごとの条件があります。利用額と台数に応じて、パーソナルカードとコーポレートカードを分けて比較します。
モビット VISA-Wは審査なしで作れますか?
審査なしでは作れません。先にSMBCモビットのカードローン審査を受け、契約後に三井住友カードのクレジットカード審査を受けます。クレジット申込時にETCカードを同時申込みできますが、モビット VISA-Wの審査に通らなかった場合はETCカードも発行されません。モビット VISA-Wの公式FAQにも、2つの審査が個別に行われると明記されています。
与信審査を避けたいなら費用と1か月の余裕で選ぶ
ETCカードを審査なしで探すときは、「審査がゼロか」ではなく「クレジット会社の与信審査を避けたいのか」を基準にすると、誤解なく選べます。
- 同カードは、与信審査とは異なる規約審査とデポジットで申し込むカード
- 必ず審査が通るETCカードはなく、申込内容や利用規約上の条件は審査される
- 年会費は1,257円(税込)、デポジットは月間利用見込額の4か月分で最低3,000円
- 申込みから発行までは概ね1か月で、審査なし・即日の両立はできない
- 2つの審査を受けられる人は、本カードとETCカードの年会費が永年無料のモビット VISA-Wも比較候補
利用日が迫っているなら、ETCカードの受け取り時期と代替手段を整理した記事で、申込み以外の選択肢まで一度に比べられます。信用情報への不安が中心なら、クレジットカード審査と信用情報の関係が、パソカとクレカ付帯型を分ける判断材料になります。

