返済日が3回あり、残高も適用金利も別々だと、「一社に借り換えたいが、他社借入が複数ある時点で審査に通らないのでは」と迷います。
借り換えは複数債務を整理するための契約ですが、現在の借入れが消えてから審査されるわけではありません。
申込時点の全残高と返済状況を抱えたまま、新しい契約を返せるか判断されます。
複数借入があっても、借り換えへの申込み自体は禁止されていません。
ただし、可能かどうかを分けるのは件数だけではなく、希望額で対象債務を完済できるか、借り換え後の毎月返済が家計に収まるか、返済期間を延ばして総支払額が増えないかの3点です。
借り換えを含む主な商品の金利と申込条件は、カードローン総合おすすめに一覧でまとまっています。
| 知りたいこと | 先に押さえる答え |
|---|---|
| 複数社でも借り換えできるか | 申込みはできますが、全社の残高と返済状況を含めて新たに審査されます |
| 審査で何を見られるか | 申告内容、収入資料、契約残高、入金状況、希望額などが判断材料になります |
| 一本化すれば負担は下がるか | 月額が下がっても、期間が延びれば総利息は増える場合があります |
| 何を準備するか | 全社の完済額、適用金利、返済日、毎月返済を同じ時点でそろえます |
| 申込みを止める境界は何か | 借り換え後も毎月赤字になるなら、新しい借入れではなく返済相談の段階です |
複数借入の借り換えは新しい契約の審査を受ける
借り換えは、今ある借入れを別の借入先から受けた資金で返し、その後は新しい借入先へ返済する方法です。
複数社を一社へ移す場合は、おまとめと呼ばれることもあります。
既存3社の審査を通った事実が、新しい1社の審査通過を保証するわけではありません。
貸金業者には、収入や資力、借入状況、返済計画などから返済能力を調べ、能力を超える貸付けをしないことが求められます。
この考え方は金融庁の貸金業者向け監督指針にも示されています。
借り換え目的でも審査がなくなるのではなく、資金の使いみちが追加消費から既存債務の返済へ変わるだけです。
では、総量規制の上限を超えていたら、借り換えもできないのでしょうか?
一定条件を満たす貸金業者の借り換えは、総量規制の例外になり得ます。
日本貸金業協会の総量規制に関する説明では、借り換え後の金利と月額負担が従前を上回らず、残高が段階的に減ることなどが条件として挙げられています。
例外は審査免除ではないため、「年収の3分の1を超えているから通る商品」ではなく、「返済を改善する契約として審査対象になり得る」と捉えるのが正確です。
借入件数より先に残高と返済状況の整合を見られる
複数借入の審査では、件数だけを切り離して見ることはできません。
同じ3社でも、合計30万円を遅れなく返している状態と、合計150万円で入金が遅れている状態では、返済に必要な金額が違うからです。
信用情報には、ローンの契約額、残高、返済状況、延滞などの客観的な取引情報が登録されます。
JICCの登録情報に関する説明では、契約内容、残高、入金日、延滞、申込情報の内容と登録期間が公開されています。
CICの信用情報に関する説明にも、契約内容、請求額、入金額、残高、返済状況などが含まれます。
銀行の審査でも、銀行系の信用情報だけを見て消費者金融の残高を無視するとは限りません。
全国銀行個人信用情報センターの概要では、ローンの契約内容と返済状況が与信判断の参考資料になると説明されています。
件数を少なく見せるより、全社の数字を同じ基準日でそろえ、申告と資料の食い違いをなくすほうが審査前の準備になります。
3社70万円の計算例では月額と総利息を分けて比べる
借り換えの効果は、「返済日が一つになる」だけでは判断できません。
月額と総利息を同じ返済期間で比べると、管理の楽さとは別に金額面の差が見えます。
仮に、次の3件をいずれも残り36回の元利均等返済で返すとします。
実際のカードローンは返済方式や日割計算が商品ごとに異なるため、以下は手数料を含めない概算です。
| 借入れ | 残高 | 年率 | 毎月返済の概算 | 36回の利息概算 |
|---|---|---|---|---|
| A社 | 30万円 | 18.0% | 10,846円 | 90,446円 |
| B社 | 25万円 | 15.0% | 8,666円 | 61,988円 |
| C社 | 15万円 | 14.5% | 5,163円 | 35,873円 |
| 3社合計 | 70万円 | それぞれ異なる | 24,675円 | 188,307円 |
| 借り換え後の想定 | 70万円 | 12.0% | 23,250円 | 137,001円 |
この条件なら、借り換え後は月額が約1,425円、利息が約51,306円下がる計算です。
金利だけを見ず返済回数も36回にそろえたため、何が差を生んだかを説明できます。
毎月返済をもっと下げるため60回へ延ばしたらどうでしょうか?
月額はさらに軽くなりますが、元本が長く残る分だけ利息が積み上がります。
全国銀行協会の借り換えシミュレーションも、金利だけでなく残り期間などの条件を入れて差額を試算する仕組みです。
比較時は「新しい最低返済額」ではなく、今と同じ完済日で月額と総額がどう変わるかを先に見ます。
銀行の商品を候補に含める場合、金利帯と申込条件は銀行カードローンおすすめにまとまっています。
表示金利の下限ではなく、希望額に適用され得る金利と返済期間を同じ行で比べる必要があります。
借り換え審査の前に全社の完済額を一枚へそろえる
申込画面へ進む前に必要なのは、記憶にあるおおよその残高ではありません。
借り換え資金で完済できるよう、各社の基準日時点の数字を一枚へ集めます。
- 借入先名と契約番号
- 現在残高と、借り換え実行予定日の完済額
- 実際に適用されている年率
- 毎月返済額と返済日
- 直近の入金状況と遅れの有無
- 借り換え対象に含めたい債務と、対象外で残る債務
残高と完済額は同じとは限りません。
完済日までの利息が加わる場合があるため、70万円の残高に対して70万円だけ用意しても、数日分の利息が不足することがあります。
「とりあえず多めに申し込めば足りる」と考えると、今度は希望額が返済能力に対して大きく見えます。
全社の完済額を確定し、対象外債務を足さず、必要額の根拠を説明できなければ申込額を決められません。
借り換え後も家計が赤字なら新規申込みを止める
借り換えに向くのは、返済先と条件を組み替えれば、現在の収入で元本を減らせる場合です。
返済のために毎月不足する生活費まで新たに借りる状態では、一本化しても赤字の原因が残ります。
判断は次の順に分けられます。
- 借り換え後の毎月返済を、収入から生活費と固定支出を引いた範囲で払えるかを見ます。
- 現在と同じ完済日で、総利息と手数料を含む支払額が減るかを比べます。
- 対象外の債務が残るなら、その返済を足しても家計が黒字かを計算します。
- 3条件がそろう場合は借り換え候補を比較し、一つでも赤字になる場合は新規申込みを止めます。
すでに返済のための借入れを繰り返しているなら、借り換えの可否だけを追う段階ではありません。
法テラスの債務に関する案内は、返済のために借金を重ねる状態を多重債務とし、任意整理、個人再生、破産、特定調停などの選択肢を説明しています。
銀行カードローンの返済については、全国銀行協会のカードローン相談・苦情窓口も案内されています。
相談は借り換えを諦める宣言ではなく、元本を減らせる返済方法へ戻すための選択です。
毎月赤字になる試算が出た時点が、商品比較から返済条件の相談へ切り替える境界になります。
複数借入の借り換え審査に関するよくある質問
他社借入が3社あっても借り換えへ申し込めますか?
3社という件数だけで申込みが禁止されるわけではありません。
ただし、全社の残高、返済状況、収入、希望額を含めて新しい審査が行われ、結果は会社ごとの基準で決まります。
貸金業者のおまとめが総量規制の例外条件を満たす場合でも、返済能力の確認は残るため、申込可能と審査通過は分けて考えます。
複数借入の件数を少なく申告すると審査に有利ですか?
有利になるとはいえません。
JICCとCICの説明にあるとおり、契約内容や残高、返済状況は信用情報へ登録されます。
申告と客観的な取引情報が食い違えば事実確認が増えるため、各社の明細を基に件数と残高を正確に入力することが前提です。
借り換えで毎月返済が下がれば得になりますか?
月額が下がっただけでは、得になったと決められません。
返済期間が延びると、低い金利でも利息を払う期間が長くなり、総支払額が増える場合があります。
全国銀行協会の借り換えシミュレーションのように、現在と借り換え後の残高、金利、期間をそろえ、月額と総額を別々に比べます。
借り換え審査に通らず返済も難しいときはどうしますか?
別の会社への連続申込みより、返済日前に現在の借入先へ支払可能な時期と金額を伝えることが先です。
家計全体で返済が成り立たない場合も、法テラスが案内する債務整理の方法など、元本と返済条件を扱う道がないわけではありません。
新しい借入れで一回分を埋めても翌月の返済先が増えるため、返済原資が戻らない状態では相談へ切り替えます。
全社の完済額と借り換え後の家計をそろえて判断する
複数借入があること自体より、借り換え後に元本が減る計画を作れるかが判断を分けます。
件数を一つにする見た目だけでは足りず、全社を完済できる金額と毎月黒字になる返済条件を欠かせません。
- 複数借入があっても申込みはできますが、現在の全残高を抱えた状態で新規審査を受けます
- 総量規制の例外は審査免除ではなく、返済を改善する一定条件の借り換えです
- 比較する数字は件数だけでなく、完済額、適用金利、月額、返済回数、総利息です
- 月額が下がっても期間が延びれば、総支払額が増える場合があります
- 借り換え後も家計が赤字なら、商品探しではなく返済相談へ切り替える段階です
金利差だけでなく、旧契約の完済と借り換え後の返済期間まで含めた全体像は、カードローン借り換えのメリット・デメリットにまとまっています。
全社の数字を一枚にそろえた後なら、自分のケースが借り換えに向くかを同じ基準で照らせます。

