「暗号資産と仮想通貨は別の商品なのか、それとも同じものなのか」。
検索結果には両方の言葉が残る一方、法律や金融庁の資料は「暗号資産」を使うため、別物に見えてしまいます。
現在の日本では、同じ対象を指す場面が大半です。
ただし、法律や公的資料では「暗号資産」が正式な呼称であり、「仮想通貨」は一般に残っている旧称として読み分けます。
取引先を探す段階では、暗号資産取引所17社の比較ページに各社の取扱通貨と手数料をまとめています。
| 疑問 | 答え |
|---|---|
| 二つは別物か | 多くの場面で同じ対象を指す |
| 正式な呼び方はどちらか | 日本の法令上は暗号資産 |
| 仮想通貨は使えない言葉か | 日常語や検索語として今も使われる |
| 英語では何と呼ぶか | crypto-assetsやvirtual assetsなど、制度で異なる |
| 今後も制度は同じか | 2026年公布の改正法で規制体系が変わる予定 |
暗号資産と仮想通貨は同じもの?
ビットコインやイーサリアムを指す日常会話では、暗号資産と仮想通貨はほぼ同じ意味で使われています。
銘柄の中身が名称変更によって別の商品へ変わったわけではありません。
違うのは言葉の法的位置づけです。
金融庁は、2020年5月1日に施行された資金決済法改正によって、法令上の「仮想通貨」を「暗号資産」へ変更したと説明しています。
根拠は金融庁の暗号資産制度の案内と日本銀行の暗号資産の説明で確かめられます。
このため、利用規約、行政資料、税務や法律の記事では「暗号資産」を使うのが正確です。
一方、検索や会話で「仮想通貨」と書かれていても、それだけで古い銘柄や別制度を指すとは限りません。
なぜ仮想通貨から暗号資産へ変わった?
「通貨」という語は、日本円や米ドルのように国が発行し、支払いへ広く使える法定通貨を連想させます。
暗号資産には国家や中央銀行の価値保証がないため、法定通貨と同じものだと受け取られない呼び方が必要でした。
国際的な資料でも、crypto-assetsやvirtual assetsという資産を示す語が使われます。
FATFのVirtual Assetsの定義は、デジタルに取引、移転でき、支払いや投資へ使える価値の表現として整理しています。
制度上の動きを時系列にすると、名称変更だけを切り取らずに理解できます。
- 2017年に国内の暗号資産交換業へ登録制が導入されました。
- 2020年に法令上の呼称が仮想通貨から暗号資産へ変わりました。
- 2025年には仲介業の創設などを含む資金決済法改正が成立しました。
- 2026年7月23日には、暗号資産取引の規制を金融商品取引法へ移す改正法が公布されました。
時系列の1番目と2番目は金融庁の暗号資産制度ページ、4番目は金融庁の第221回国会提出法案情報に基づきます。
施行前の改正内容は、成立したことと、実際に適用が始まったことを分けて読む必要があります。
場面別の呼び方
どちらの語を使うかは、正誤の二択より、読む資料の目的で決めると混乱しません。
| 場面 | 適した読み方 | 理由 |
|---|---|---|
| 法律や行政資料 | 暗号資産 | 法令上の正式名称だから |
| 取引所の規約 | 暗号資産 | 登録制度や顧客説明と表記を合わせるため |
| ニュースや会話 | どちらも見かける | 旧称が一般語として残っているため |
| 検索 | 両方を同義語として探す | 情報の掲載時期で表記が違うため |
| 海外資料 | 定義欄を先に読む | crypto-assetとvirtual assetの範囲が制度で異なるため |
古い記事を読むときは、掲載日と根拠法令をセットで見ます。
表記が「仮想通貨」でも内容が直ちに誤りとは限りませんが、登録制度や規制の説明は現行情報とずれている可能性があります。
現在の法的定義はe-Gov法令検索の資金決済法で確認できます。
2026年公布の改正法が施行された後は、参照条文と業者区分が変わるため、公開時点の法令を再確認する必要があります。
2026年の制度改正で呼び方も変わる?
2026年7月に公布された改正法でも、対象を示す基本語は「暗号資産」です。
変更の中心は名称ではなく、投資対象として取引される実態を踏まえ、規制の軸を資金決済法から金融商品取引法へ移す点にあります。
金融庁の国会提出法案等には、同法が2026年7月15日に成立したことが掲載されています。
ただし、施行前に必要な政令や内閣府令が整うまでは、将来のルールを現在の取引へそのまま当てはめることはできません。
暗号資産と仮想通貨の呼び方に関するよくある質問
暗号資産と仮想通貨は同じものですか?
日本の日常会話では、多くの場合に同じ対象を指します。
法令上は2020年から「暗号資産」が正式名称になったため、公的資料や利用規約では暗号資産と書くのが正確です。
変更の経緯は金融庁の暗号資産利用者向けページで確認できます。
仮想通貨という言葉を使うと間違いですか?
会話や検索語として使うことまで誤りではありません。
ただし、制度、税金、登録業者の説明を書くときは、現在の法令と表記を合わせるため「暗号資産」を使うほうが誤解を減らせます。
資料の掲載年が2020年より前なら、旧称として読めば内容を追いやすくなります。
英語では暗号資産を何と呼びますか?
一般にはcrypto assetまたは複数形のcrypto-assetsが使われますが、マネーロンダリング対策ではvirtual assetも使われます。
FATFのVirtual Assetsページは両者を併記しています。
英語表現だけで範囲を決めず、その資料の定義欄まで読むことが必要です。
呼び方に迷ったときの読み分け
名称だけを見て別物だと判断すると、同じ銘柄の説明を二重に探すことになります。
資料の目的と掲載時期を先に見れば、言葉の差を制度の差と取り違えずに済みます。
- 日本の法令上の正式名称は「暗号資産」です。
- 「仮想通貨」は2020年以前の法令と、現在の日常語に残っています。
- 海外ではcrypto-assetsとvirtual assetsの範囲が資料ごとに異なります。
- 2026年公布の改正法は呼称より規制体系を見直すものです。
名称の次に仕組みを知りたい場合は、暗号資産の取引記録が改ざんされにくい理由で、共有台帳と承認の役割を分けて説明しています。

