暗号資産に消費税はかかる?売買と決済の扱いを整理

暗号資産に消費税はかかる?売買と決済の扱いを整理

暗号資産の譲渡が消費税非課税と聞くと、暗号資産で商品を買った場合も消費税がなくなるように見えます。
しかし、暗号資産そのものを譲渡する取引と、商品やサービスを購入する取引は別です。

現行制度では、国内の暗号資産交換業者を介して行う暗号資産の譲渡は消費税が非課税です。
一方、交換業者の手数料や購入する商品、サービスの対価は、それぞれの課税関係を確認します。

取引方法と各社の費用は、暗号資産取引所17社の比較ページで比較できます。

取引 消費税の基本的な扱い
暗号資産そのものの譲渡 一定の国内取引は非課税
売買や仲介の手数料 役務提供として課税対象になり得る
暗号資産で商品を購入 商品側の消費税を判定
暗号資産を貸し付ける 現行と将来措置を分けて確認

暗号資産そのものの譲渡は非課税

国税庁の暗号資産FAQは、国内の暗号資産交換業者を介して行う暗号資産の譲渡を消費税の非課税取引として説明しています。
売却額へ消費税10パーセントを上乗せして買い手へ請求する取引ではありません。

ここでいう非課税は、そもそも消費税の対象外となる不課税とは区別されます。
国税庁の非課税と不課税の説明にあるように、非課税売上は課税売上割合の計算へ影響する場合があります。

個人投資家が所得税の利益計算をすることと、事業者が消費税を計算することも別です。
消費税が非課税でも、売却益について所得税や法人税の計算が不要になるわけではありません。

手数料はサービスの対価として分ける

暗号資産そのものの譲渡と、交換業者が提供する仲介や取引サービスは同じ取引ではありません。
国税庁FAQの交換業者手数料に関する説明では、暗号資産の売買に係る仲介料が課税対象となることを示しています。

請求書や取引履歴では次の項目を分けます。

  • 暗号資産の売却代金
  • 取引手数料
  • 日本円の入出金手数料
  • 暗号資産の送付手数料
  • 月額利用料や計算サービス料

国税庁の消費税課税対象の説明を踏まえ、国内で事業者が対価を得て行うサービスか、国外取引かなどの要件も確認します。
手数料の名称だけで課税仕入れを判断しません。

決済に使っても商品側の消費税は残る

国税庁の消費税課税対象の説明に照らすと、暗号資産で商品やサービスを購入した場合、支払手段が日本円ではないという理由で商品側の消費税が消えるわけではありません。
商品販売と、支払いに使った暗号資産の譲渡を分けて考えます。

税込11万円の商品を暗号資産で購入した例では、販売者は商品販売について本体10万円と消費税1万円を処理します。
購入者側では、支払いに使った暗号資産の時価と取得価額との差について、所得税や法人税の計算も必要になる場合があります。

この二つを一つにすると、「暗号資産は非課税だから商品も税抜きになる」という誤りが生じます。
請求書には商品価格と消費税を記録し、暗号資産台帳には支払数量と支払時の円換算額を記録します。
国税庁の暗号資産決済に関するFAQも、商品購入時の暗号資産の所得計算を示しています。

将来の改正は適用日まで確認する

令和8年度税制改正大綱の消費課税には、金融商品取引法の改正を前提に、暗号資産譲渡に係る課税売上割合の扱いや貸付けの非課税化について将来措置が示されています。
適用時期は関連法の施行年との関係で定められており、現行取引へ先取りしてはいけません。

金融庁の税制改正資料も、規制整備と税制措置の関係を説明しています。
事業者は次の三つの日付を分けて管理します。

  1. 取引を行った日
  2. 関連法が施行される日
  3. 消費税の改正措置が適用される日

レンディングや大量の暗号資産取引がある事業者は、適用日前後で処理が変わる可能性があるため、顧問税理士へ確認します。

暗号資産の消費税に関するよくある質問

暗号資産を売ると消費税10パーセントが引かれますか?

国税庁FAQの消費税に関する説明によると、国内の暗号資産交換業者を介した暗号資産そのものの譲渡は、現行制度では消費税の非課税取引です。
売却代金から一律10パーセントが消費税として引かれるわけではありません。ただし、取引手数料や所得税の利益計算は別に確認します。

取引所の売買手数料には消費税がかかりますか?

暗号資産の譲渡とは別に、仲介などの役務提供に対する手数料は消費税の課税対象となる場合があります。
国税庁FAQの手数料の取扱いと取引所の請求明細を照合し、税込表示かも確認してください。

暗号資産で商品を買うと消費税はかかりませんか?

国税庁の課税対象の説明にある要件を満たす商品やサービスなら、暗号資産で支払っても商品側の消費税は通常かかります。
さらに、支払った暗号資産について取得時からの値上がり益があれば、所得税や法人税の計算も別に必要となる可能性があります。

何を売った取引かで分ける

消費税を正しく判定するには、暗号資産、仲介サービス、購入商品を別々の取引として見る必要があります。
非課税という一語をすべての支払いへ広げないでください。

  • 暗号資産そのものの一定の国内譲渡は非課税です。
  • 取引所の手数料は役務の対価として別に判定します。
  • 暗号資産決済でも商品側の消費税はなくなりません。
  • 所得税や法人税の利益計算は消費税と別です。
  • 将来措置は施行日と適用日を確認してから反映します。

個人の税金全体へ戻る場合は、暗号資産の課税タイミングと税率で整理できます。

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