「利益が20万円以下なら申告不要」という説明には条件があります。
一定の給与所得者が所得税の確定申告要否を判定するときの基準であり、誰にでも、すべての税へ適用される免税額ではありません。
暗号資産以外の副所得、還付申告の有無、住民税申告を分けて確認します。
年間取引履歴の取得条件は、暗号資産取引所17社の比較ページで比較できます。
| 状況 | 20万円以下でも確認が必要な理由 |
|---|---|
| 給与が一か所ではない | 給与収入や年末調整の状況で要件が変わる |
| 他の副所得がある | 給与以外の所得を合計して判定する |
| 医療費控除などで還付申告する | 申告するなら少額の所得も記載する |
| 住民税を申告していない | 所得税とは別に自治体の申告要否がある |
| 売却額が20万円以下 | 基準は売却額ではなく所得金額で見る |
20万円ルールが使える給与所得者
一般に参照される20万円基準は、給与所得者について、給与所得と退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下である場合などの所得税申告要否に関するものです。
国税庁の確定申告が必要かを調べる案内で、給与収入や所得の状況から申告要否を確認できます。
国税庁の給与所得者向け申告要否FAQには、給与以外の所得がある場合の判定が示されています。
給与収入が一定額を超える人、二か所以上から給与を受ける人、年末調整されていない給与がある人などは別の要件も確認します。
暗号資産所得だけを見て不要と決めません。
国税庁の給与所得者と確定申告に関する説明も参照し、自分の給与と年末調整の状況を当てはめます。
20万円は売却額ではなく所得
判定に使うのは、暗号資産を売った金額ではなく、取得価額や必要経費を差し引いた所得金額です。
たとえば暗号資産を50万円で売り、対応する取得価額が35万円、売却手数料が1万円なら、所得は14万円です。
反対に売却額が20万円以下でも、報酬として取得した暗号資産や他の副所得があれば合計額は変わります。
国税庁の暗号資産に関する税務資料で、売却、交換、報酬などの所得計算を確認します。
一つの取引でなく、対象年の暗号資産取引全体を集計します。
さらに、原稿料、フリマ取引、講演料など給与以外の所得があれば、該当する所得区分で計算したうえで判定対象を合計します。
収入と所得を混同しないよう、種類別に計算表を分けます。
還付申告では少額所得も含める
給与以外の所得が20万円以下でも、医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除の初年度などで所得税の確定申告をする場合があります。
確定申告書を提出するなら、暗号資産を含む所得を省略しません。
国税庁の20万円以下の所得に関する説明は、確定申告をする場合にはその所得も申告する必要があることを示しています。
税金が戻る見込みだけを計算し、暗号資産所得を入れ忘れると還付額も変わります。
確定申告書等作成コーナーの暗号資産入力案内に沿い、雑所得その他へ年間の収入金額と必要経費を入力します。
住民税の申告は別に判定
所得税の確定申告が不要でも、住民税では申告が必要な場合があります。
20万円基準を住民税の一律な申告不要制度として使いません。
| 比較項目 | 所得税の確定申告 | 住民税の申告 |
|---|---|---|
| 提出先 | 税務署 | 1月1日時点の住所地の自治体 |
| 20万円基準 | 一定の給与所得者に申告不要規定がある | 自治体の案内で別に判定 |
| 所得税申告を提出した場合 | 国へ申告 | 通常は申告情報が自治体へ送られる |
| 確認資料 | 国税庁の対象年分案内 | 住所地自治体の最新案内 |
横浜市の市民税・県民税申告案内は、所得税の確定申告をしない人を含む申告対象を案内しています。
大阪市の市民税・府民税申告案内でも、申告が必要な人と不要な人を分けて確認できます。
自治体ごとに様式、期限、郵送や電子申告の対応が異なります。
居住地の公式サイトで対象年分を確認します。
申告要否を決める5段階
次の順で判定すると、20万円という数字だけで結論を出さずに済みます。
- 給与の支払先数、給与収入、年末調整の有無を確認する。
- 暗号資産の年間所得を取得価額と必要経費から計算する。
- 給与と退職所得以外の所得を種類ごとに計算して合計する。
- 控除目的を含め、所得税の確定申告を提出するか確認する。
- 所得税を提出しない場合は住所地の住民税申告を確認する。
判断が分かれる場合は、取引履歴、源泉徴収票、他の所得の計算表を持って税務署または自治体へ相談します。
相談日時と確認内容も記録します。
暗号資産の20万円基準に関するよくある質問
暗号資産所得がちょうど20万円なら確定申告は不要ですか?
一定の給与所得者については、給与と退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下という条件があります。
ただし、給与の状況、他の申告義務、還付申告の有無で結論が変わります。
住民税の申告要否も住所地の案内で別に確認します。
暗号資産の損失は他の副業所得と相殺できますか?
暗号資産取引が原則として雑所得に当たる場合でも、損失の扱いは他の所得の内容や業務性によって判断が必要です。
給与所得などから差し引けるとは限りません。
利益と損失の内訳を残し、個別事情は税務署や税理士へ確認します。
複数の副業がある場合も暗号資産だけで20万円を判定しますか?
暗号資産だけでなく、給与と退職所得以外の対象となる所得金額を合計して判定します。
国税庁の給与所得者向け確定申告案内で、給与以外の所得を含む判定条件を確認できます。
収入金額ではなく、各所得の必要経費を差し引いた所得金額で集計します。
所得区分や赤字の扱いを自己判断でまとめず、種類別の計算表を作ります。
20万円という金額だけで申告不要と決めない
20万円基準は、一定の給与所得者の所得税申告要否を判断する条件の一つです。
所得の種類と提出する申告を分けると、暗号資産所得や住民税の申告漏れを防げます。
- まず給与と年末調整の状況を確認します。
- 売却額ではなく年間所得を計算します。
- 暗号資産以外の副所得も合計します。
- 還付申告をするなら少額所得も記載します。
- 所得税を出さない場合も住民税を確認します。
税制改正案と現行制度の違いは、暗号資産の税制改正で何が変わるかを解説する記事で施行条件とともに確認できます。

