「スワップだけで暮らしている人がいるらしい。実際にいくら元手があれば届くのか、その数字が知りたい」
こういった疑問に答えます。
先に数字を出します。ヒロセ通商が2026年7月22日に公表した水準で月10万円のスワップ収入を得るには、米ドル/円で約20万8,300通貨、取引金額にして約3,387万円の建玉が必要になります。同じ月10万円をメキシコペソ/円で狙うなら約238万1,000通貨、取引金額は約2,143万円。いずれも、為替が1円逆行しただけで20万円から238万円が動く規模の玉です。可能か不可能かという問いより、この建玉を1年間持ち続けられるかどうかが本当の分かれ目になります。
各社の公表単位や日数がそろっていない事情は国内主要口座のスワップポイントを比較した記事にまとめました。口座ごとの取扱通貨や条件を先に見ておきたい方は、主要FX会社の比較ページもあわせてご覧ください。
| 通貨ペア | 1万通貨1日の買い | 月10万円に必要な数量 | 取引金額 | 必要証拠金(4%) | 1円逆行時の損益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 米ドル/円 | 160円 | 約20万8,300通貨 | 約3,387万円 | 約135万5,000円 | 約20万8,300円 |
| トルコリラ/円 | 24円 | 約138万9,000通貨 | 約556万円 | 約22万2,000円 | 約138万9,000円 |
| メキシコペソ/円 | 14円 | 約238万1,000通貨 | 約2,143万円 | 約85万7,000円 | 約238万1,000円 |
| 南アフリカランド/円 | 14円 | 約238万1,000通貨 | 約2,262万円 | 約90万5,000円 | 約238万1,000円 |
※スワップはヒロセ通商が2026年7月22日に公表した3日分の値を1万通貨あたり1日に換算したもの、1か月は30日として計算しています。米ドル/円のレートは日本銀行が公表した2026年7月21日17時の値、ほかの3通貨ペアは試算のために置いた仮定値です。スワップは日々変動し、支払いに転じることもあります。最新の条件は各社の公式サイトで確認してください。
必要な建玉は、目標額を1万通貨あたりの受取で割るだけで出せる
逆算の手順は驚くほど単純です。割り算を2回するだけ。
逆算の起点になる数値を先に押さえます。この記事で使うのは、2026年7月22日更新のヒロセ通商の一覧に載っている実額です(ヒロセ通商「LION FXスワップポイント」)。ただしそのままでは使えません。表示は3日分ですし、1Lotが1,000通貨のペアと10,000通貨のペアが混在しているためです。以下はすべて1万通貨あたり1日に直した数字で進めます。
この公表値を3で割り、1Lotの通貨数に応じて1万通貨あたりに直すと、買いは米ドル/円160円、トルコリラ/円24円、メキシコペソ/円と南アフリカランド/円が14円。ここまでが下ごしらえです。
あとは目標額を日数で割り、1万通貨あたりの受取で割るだけ。月10万円なら1か月を30日として1日3,333円、これを米ドル/円の160円で割ると20.83という数字が出ます。1万通貨の20.83倍、つまり約20万8,300通貨。
念のため逆から検算しておきます。20万8,333通貨は1万通貨の20.8333倍なので、1日の受取は160円かける20.8333で3,333円。30日で10万円。合っています。
「1か月を30日で計算していいのか」と気になるかもしれません。厳密には月ごとに日数が違いますし、祝日でロールオーバーが行われずスワップが発生しない営業日もあります。ここでは前提を単純にして、月30日・年365日で通します。
月10万円から月30万円までを並べると、必要な取引金額は最大1億円を超える
目標額を3段階に分けて、通貨ペアごとに必要な数量と取引金額を並べます。証拠金は取引金額の4%で計算しました。個人顧客との店頭FXでは、2011年8月1日以降、取引金額の4%以上の証拠金を預かることが業者に義務づけられています(金融先物取引業協会「FX取引の規制について」)。
| 通貨ペア | 目標 | 必要数量 | 取引金額 | 必要証拠金(4%) |
|---|---|---|---|---|
| 米ドル/円 | 月10万円 | 約20万8,300通貨 | 約3,387万円 | 約135万5,000円 |
| 米ドル/円 | 月20万円 | 約41万6,700通貨 | 約6,775万円 | 約271万円 |
| 米ドル/円 | 月30万円 | 62万5,000通貨 | 約1億162万円 | 約406万5,000円 |
| トルコリラ/円 | 月10万円 | 約138万9,000通貨 | 約556万円 | 約22万2,000円 |
| トルコリラ/円 | 月20万円 | 約277万8,000通貨 | 約1,111万円 | 約44万4,000円 |
| トルコリラ/円 | 月30万円 | 約416万7,000通貨 | 約1,667万円 | 約66万7,000円 |
| メキシコペソ/円 | 月10万円 | 約238万1,000通貨 | 約2,143万円 | 約85万7,000円 |
| メキシコペソ/円 | 月20万円 | 約476万2,000通貨 | 約4,286万円 | 約171万4,000円 |
| メキシコペソ/円 | 月30万円 | 約714万3,000通貨 | 約6,429万円 | 約257万1,000円 |
| 南アフリカランド/円 | 月10万円 | 約238万1,000通貨 | 約2,262万円 | 約90万5,000円 |
| 南アフリカランド/円 | 月20万円 | 約476万2,000通貨 | 約4,524万円 | 約181万円 |
| 南アフリカランド/円 | 月30万円 | 約714万3,000通貨 | 約6,786万円 | 約271万4,000円 |
米ドル/円のレートは日本銀行の外国為替市況にある2026年7月21日17時の162.59円台を使いました(日本銀行「外国為替市況(日次)」)。トルコリラ/円は4.00円、メキシコペソ/円は9.00円、南アフリカランド/円は9.50円と仮定しています。この3通貨ペアは日本銀行の掲載対象外で、公的統計ではレートを裏づけられないためです。
表を縦に見ると、取引金額の幅の広さに気づくはずです。月30万円を米ドル/円で狙うと約1億162万円、トルコリラ/円なら約1,667万円。同じ収入なのに、必要な取引金額は6倍違います。
理由は受取の利回りにあります。米ドル/円の年間受取58,400円を取引金額162万5,900円で割ると3.59%。トルコリラ/円は仮定レート4.00円のもとで21.90%。取引金額あたりの効率が6倍違うので、必要な金額もそのまま6倍違うということ。
ここだけ見ると、トルコリラが圧倒的に有利に見えます。ただし数量の列も見てください。同じ月10万円で、米ドル/円は約20万8,300通貨、トルコリラ/円は約138万9,000通貨。通貨の数は6.7倍に膨らんでいます。
この建玉は、為替が1円動くだけで20万円から714万円が動く玉でもある
必要証拠金の列だけを見ていると、話が小さく見えます。月10万円ならトルコリラ/円で22万2,000円。手が届く金額に思えるかもしれません。
ですが、証拠金は「建てるために最低限必要な額」であって、「持ち続けられる額」ではありません。同じ建玉を、値動きの側から見直します。
| 通貨ペア | 目標 | 必要数量 | 為替が1円逆行したときの含み損 | 必要証拠金の何倍か |
|---|---|---|---|---|
| 米ドル/円 | 月10万円 | 約20万8,300通貨 | 約20万8,300円 | 約0.15倍 |
| 米ドル/円 | 月30万円 | 62万5,000通貨 | 62万5,000円 | 約0.15倍 |
| トルコリラ/円 | 月10万円 | 約138万9,000通貨 | 約138万9,000円 | 約6.3倍 |
| トルコリラ/円 | 月30万円 | 約416万7,000通貨 | 約416万7,000円 | 約6.3倍 |
| メキシコペソ/円 | 月10万円 | 約238万1,000通貨 | 約238万1,000円 | 約2.8倍 |
| メキシコペソ/円 | 月30万円 | 約714万3,000通貨 | 約714万3,000円 | 約2.8倍 |
| 南アフリカランド/円 | 月10万円 | 約238万1,000通貨 | 約238万1,000円 | 約2.6倍 |
| 南アフリカランド/円 | 月30万円 | 約714万3,000通貨 | 約714万3,000円 | 約2.6倍 |
トルコリラ/円で月10万円を狙うと、1円の逆行で必要証拠金の6.3倍の含み損が乗ります。仮定レート4.00円に対する1円は25%の下落。米ドル/円で25%といえば約40円ぶんに相当する動きです。
つまり、必要証拠金が小さいのは価格が安いからであって、リスクが小さいからではありません。ここは何度でも強調したいところ。安い通貨は必要証拠金も安く見えますが、同じ収入を得るための通貨の数がそれ以上に増えています。
自分の口座で確かめたい方は、外為どっとコムが個人の必要保証金を「基準レート×1,000通貨×保証金率(4%)」で算出し、基準レートは前々週木曜から当週水曜の終値のうち最も高いレートを通貨ペアごとに毎週算出すると公表しています(外為どっとコム「取引通貨ペア・必要保証金」)。必要証拠金は固定ではなく、週ごとに動く数字です。
1年分のスワップ収入は、米ドル/円なら5.84円の逆行で消える
もう一歩踏み込みます。1年間受け取り続けたスワップが、為替の逆行何円ぶんで打ち消されるのか。
計算は単純で、年間の受取額を保有通貨量で割るだけです。米ドル/円なら1万通貨あたり年58,400円なので、1通貨あたり5.84円。通貨量をいくつに増やしても、この値は変わりません。
| 通貨ペア | 1万通貨あたり年間受取 | 1年分が消える逆行幅 | 仮定レートに対する比率 |
|---|---|---|---|
| 米ドル/円 | 58,400円 | 5.840円 | 3.59% |
| トルコリラ/円 | 8,760円 | 0.876円 | 21.90% |
| メキシコペソ/円 | 5,110円 | 0.511円 | 5.68% |
| 南アフリカランド/円 | 5,110円 | 0.511円 | 5.38% |
米ドル/円が1年で5円以上動く場面は珍しくありません。メキシコペソ/円の0.511円も、仮定レート9.00円に対しては5.68%の下落にすぎない値です。
トルコリラ/円だけが21.90%と大きく見えます。ただしこれは「21.90%下がらなければ元が取れる」という意味ではなく、「1年持って初めて21.90%ぶんの下落と釣り合う」という意味。持ち始めた翌月に10%動けば、その時点では受取が追いついていません。
ここは断言しますが、スワップ収入と為替差損は同じ口座の中で足し算される同じ性質のお金です。片方だけを見て設計すると、必ずどこかで帳尻が合わなくなります。
レバレッジを3倍まで落とすと、必要資金は取引金額の3分の1になる
では、必要証拠金ぎりぎりではなく、余裕を持たせるといくら要るのか。実効レバレッジ3倍を基準に置いて計算します。
3倍というのは、取引金額の3分の1を口座に入れておくということ。月10万円の目標に必要な資金は次のようになります。
| 通貨ペア | 取引金額 | レバレッジ3倍で必要な資金 | ロスカットまでの下落率 | 下落幅に直すと |
|---|---|---|---|---|
| 米ドル/円 | 約3,387万円 | 約1,129万円 | 29.33% | 約47.69円 |
| トルコリラ/円 | 約556万円 | 約185万円 | 29.33% | 約1.173円 |
| メキシコペソ/円 | 約2,143万円 | 約714万円 | 29.33% | 約2.640円 |
| 南アフリカランド/円 | 約2,262万円 | 約754万円 | 29.33% | 約2.787円 |
ロスカット水準はヒロセ通商の基準に合わせました。同社は取引要綱で有効比率100%割れによるロスカットと、追証制度がないことを明記しています(ヒロセ通商「取引要綱(LION FX)」)。資金が取引金額の3分の1、必要証拠金が4%なので、含み損が取引金額の29.33%に達した時点で有効比率が100%を割る計算です。
下落率の列がすべて29.33%で並んでいる点に注目してください。レバレッジを同じにすれば、ロスカットまでの距離は通貨ペアによらず同じ割合になります。違うのは、その割合が何円に相当するかだけ。
そして前の章の逆行幅と見比べると、余裕の大きさが見えてきます。米ドル/円は47.69円に対して1年分が5.84円、トルコリラ/円は1.173円に対して0.876円。前者は8年ぶん、後者は1年半ぶんにも届きません。
なお必要証拠金は期間中一定として計算しています。実際にはレートが下がれば必要証拠金も下がるため、ロスカットまでの距離はこの計算より少し伸びます。
資金100万円で受け取れるスワップは、レバレッジの置き方で20倍変わる
「100万円あるとスワップはいくらになるのか」という質問をよく見かけます。この問いには、そのままでは答えが出ません。
100万円が証拠金として預ける資金なのか、建てる取引金額なのかで、答えが桁ごと変わるからです。ここでは資金100万円として、米ドル/円1本で並べます。
| レバレッジ | 取引金額 | 保有数量 | 年間スワップ | 必要証拠金 | ロスカットまでの値幅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1倍 | 100万円 | 約6,150通貨 | 約35,900円 | 4万円 | 約156.09円 |
| 3倍 | 300万円 | 約1万8,451通貨 | 約107,800円 | 12万円 | 約47.69円 |
| 5倍 | 500万円 | 約3万752通貨 | 約179,600円 | 20万円 | 約26.01円 |
| 10倍 | 1,000万円 | 約6万1,504通貨 | 約359,200円 | 40万円 | 約9.76円 |
| 20倍 | 2,000万円 | 約12万3,009通貨 | 約718,400円 | 80万円 | 約1.63円 |
レバレッジ1倍の年35,900円と、20倍の年718,400円。受取は20倍になりますが、ロスカットまでの値幅は156.09円から1.63円へ、約96分の1に縮みます。受取だけが増える選択肢は、この表のどこにもありません。
上限まで使うとどうなるかも書いておきます。個人のレバレッジ上限は25倍なので、資金100万円で建てられる取引金額は最大2,500万円。年間スワップは約89万8,000円になりますが、必要証拠金がちょうど100万円となり、有効比率100%の状態でスタートすることになります。建てた瞬間にロスカット水準という置き方です。
逆から見ると規模がはっきりします。月30万円のスワップを米ドル/円で得るには取引金額が約1億162万円必要で、上限の25倍で建てても資金は約406万5,000円。倍率を3倍に落とせば約3,387万円になります。
セントラル短資FXは「スワップポイントは、金利動向等により日々変動し、受取り・支払いのいずれにもなります」と明記しています(セントラル短資FX「スワップポイント(FXダイレクトプラス)」)。ここまでの表はすべて、2026年7月22日の水準が1年続くという仮定の上に立っています。
スワップが高いのは金利の高い国だが、受取額の順位とは一致しない
「どの国の通貨を選べばいいのか」という問いにも触れておきます。政策金利の水準だけなら、答えは中央銀行の公表値で確認できます。
トルコ共和国中央銀行の1週間物レポ金利は37.00%で、2026年7月23日の金融政策委員会でも据え置きが決まりました(トルコ共和国中央銀行「MPC Meeting Decisions」)。南アフリカ準備銀行のレポ金利は7%で、2026年7月に据え置きとなっています(南アフリカ準備銀行「Statement of the Monetary Policy Committee(2026年7月)」)。メキシコ銀行の翌日物銀行間金利の誘導目標は6.50%です(メキシコ銀行「Monetary policy statement, Press release June 25, 2026」)。
金利の順位はトルコ、南アフリカ、メキシコ。ところがこの記事の逆算表では、南アフリカランド/円とメキシコペソ/円で必要な数量が同じ約238万1,000通貨になり、取引金額はランドのほうが約119万円多く必要でした。金利の順位と、必要資金の順位は一致していません。
理由は、受け取る金額を決めているのが金利差ではなく、円換算した元本の大きさと会社が提示する実額だからです。金額をそろえた横並びの比較は高金利通貨5つを同じ金額で比べた記事にまとめました。ズロチや人民元まで含めて見たい方は、そちらで確認してください。
なお、ポーランドの政策金利はこの記事では書きません。ポーランド国立銀行の金利ページから応答を得られず、数値を確認できなかったためです。
スワップ生活の必要資金について、口座を開く前によく出る質問
必要な建玉の大きさは掴めたはずです。ここからは、実際に始める前に出てくる細かい疑問に答えます。
FXで100万円を保有するとスワップポイントはいくらになりますか?
100万円が資金なのか取引金額なのかで変わります。資金100万円をレバレッジ1倍で米ドル/円に置くと約6,150通貨となり、ヒロセ通商の2026年7月22日の水準が続いた場合で年約35,900円。
同じ100万円をレバレッジ10倍で使えば年約359,200円になりますが、ロスカットまでの値幅は156.09円から9.76円まで縮みます。受取額だけを答えると、この縮み方が見えなくなってしまいます。
スワップポイントが高い国はどこですか?
政策金利で見れば、この記事で確認できた範囲ではトルコの37.00%が最も高く、南アフリカ7%、メキシコ6.50%と続きます。日本は1.0%程度です。
ただし金利の高さと受取額の順位は一致しません。1万通貨あたりで比べると米ドル/円の160円が最も大きく、トルコリラ/円は24円。比べる基準を通貨量にするか金額にするかで、答えが入れ替わります。
スワップポイントだけを出金することはできますか?
会社によります。みんなのFXは「スワップの途中受取が可能で、ポジションを決済する前にスワップだけ受取ることができます」と明記しています(みんなのFX「スワップについて」)。DMM FXも取引ツールのポジション照会からスワップ振替を行えば同じことができると回答しています(DMM FX よくあるご質問「ポジションを決済せずにスワップポイントだけを受け取ることができますか?」)。セントラル短資FXは、スワップを建玉の持越日に未決済スワップへ反映すると公表していますが、決済せずに受け取れるかどうかまでは書かれていません。
一方、ヒロセ通商とGMOクリック証券については、決済せずにスワップだけを受け取れるかどうかを公式ページで確認できませんでした。長く持つ前提なら、口座を開く前に確認しておきたい項目です。
スワップ生活を始めるなら税金はどうなりますか?
ここで見落とされやすいのが税です。スワップも為替差益と同じ枠に入り、合計20.315%の申告分離課税を受けます(国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」)。生活費として使えるのは、逆算した金額そのものではなく、そこから2割を引いた残りということになります。
年120万円のスワップなら、単純計算で約24万3,780円が税になります。生活費として使える額は受取額そのものではない、という点は設計に入れておいてください。
スワップ水準が下がったら、必要な建玉はどれだけ増えますか?
受取額に反比例して増えます。1万通貨あたりの受取が半分になれば、同じ収入を得るのに必要な数量は2倍。米ドル/円の月10万円なら、約20万8,300通貨が約41万6,700通貨に増える計算です。
すでに建てている場合は数量を増やす資金が要りますし、増やせば1円あたりの損益も倍になります。スワップが下がる局面は、収入が減るだけでなくリスクを取り直す判断も迫られる局面ということ。
スワップ生活は可否ではなく、必要な建玉に耐えられるかどうかの問題
ここまで見てきたとおり、必要な数量そのものは割り算で出てしまいます。判断が難しいのは金額の側ではなく、その建玉を抱えたまま1年、2年と過ごせるかどうかのほう。
- 月10万円のスワップに必要な取引金額は、米ドル/円で約3,387万円、トルコリラ/円で約556万円
- 月30万円まで伸ばすと、米ドル/円では取引金額が約1億162万円に達する
- その建玉は、為替が1円逆行するだけで20万8,300円から714万3,000円が動く
- 1年分の受取が消える逆行幅は、米ドル/円5.840円、メキシコペソ/円0.511円にすぎない
- レバレッジ3倍ならロスカットまでは取引金額の29.33%で、通貨ペアが変わっても比率は同じ
数字を見て「思ったより大きい」と感じたなら、その感覚は正しいと思います。一度に大きな建玉を持つのではなく、少額を積み上げながら値動きへの反応を確かめる方法もあります。積立サービスの仕様とレバレッジの効き方はFX積立とほったらかし運用の注意点をまとめた記事で整理したので、規模を落として考えたい方はそちらへ進んでください。

