ボリンジャーバンドと一目均衡表!バンド系指標の実践

ボリンジャーバンドと一目均衡表!バンド系指標の実践

「ボリンジャーバンドの±2σに95%が収まると聞いたけれど、本当なのか。一目均衡表は線が多すぎて、どれが何なのか覚えられない」

こういった疑問に答えます。

ボリンジャーバンドの幅は終値のばらつきから、一目均衡表の線は高値と安値の中値から作られます。同じ「バンド系」と呼ばれていても、計算の元も幅の決まり方もまったくの別物。この記事では説明用に置いた終値21本から標準偏差を実際に計算し、±1σで163.9pips、±2σで327.9pips、±3σで491.8pipsという具体的な幅を出します。そのうえで、±2σに約95.4%が収まるという数値が正規分布を前提にした理論値であり、為替の実測と一致する保証はないことを、同じ数列の実測で確かめます。

指標を詰める前に、そもそもの取引条件を確認しておきたい方もいるはず。スプレッドや取引単位を横並びで見るなら主要FX会社の比較ページにスペックをまとめています。

項目この記事の結論
ボリンジャーバンドの元データ終値のばらつき(標準偏差)。中心線は単純移動平均
一目均衡表の元データ高値と安値の中値。遅行スパンだけが終値
実測した幅終値10本のσは0.8197。±1σ163.9pips、±2σ327.9pips、±3σ491.8pips
理論上の確率±1σ約68.3%、±2σ約95.4%、±3σ約99.7%。正規分布を前提にした値
実測との一致この10本では±1σ内が7本(70%)、±2σ内が10本(100%)で一致せず
推奨期間開発者本人は20、外為どっとコムのアプリ既定値は21。標準は決まっていない
エンベロープ幅が一定率。静かな相場でも狭くならない点がバンドと逆
一目均衡表の期間9・26・52・26先行・26遅行。数値の由来は断定できる資料が見当たらない

ボリンジャーバンドと一目均衡表は、幅の作り方がまったく違う

同じチャートに重ねて表示するせいで、この2つは似たものだと思われがちです。中身はほとんど共通点がありません。

ボリンジャーバンドは、n本の単純移動平均を中心に、そこから標準偏差の1倍・2倍・3倍だけ離れた線を引きます(マネックス証券「ボリンジャーバンド」)。使うのは終値だけ。

一目均衡表は違います。転換線は過去9本の最高値と最安値の平均、基準線は過去26本の最高値と最安値の平均です(マネックス証券「一目均衡表」)。参照しているのは高値と安値で、終値を使うのは遅行スパンだけになります。

終値だけを入力にするRSIやMACDとは、この時点で見ているものが違うということ。オシレーター側の計算を先に確かめておきたい方はRSIとMACDを手計算で確かめた記事から読んでください。

比べる点ボリンジャーバンド一目均衡表
中心になる線n本の単純移動平均転換線と基準線(高値と安値の中値)
参照する価格終値のみ高値と安値(遅行スパンのみ終値)
幅が決まる仕組み終値のばらつきに比例して伸縮幅という概念がない。線の位置関係で読む
時間のずらしなし先行スパンは26本先、遅行スパンは26本前
線の本数中心線+上下のバンド5本+雲

中心線が移動平均という点では、ボリンジャーバンドは移動平均線の親戚。一方の一目均衡表は、時間をずらして表示するという発想を持ち込んだ点が独特です。ここは後半で扱います。

終値10本から標準偏差を計算すると、±2σの幅は327.9pipsになった

言葉より計算のほうが早いので、実際に数字を出します。

標準偏差を手で出すために、終値を21本用意しました。断っておくと、この並びは私が作ったもので、どこかのチャートから取ってきた実データではありません。換算は1pips=0.01円、価格の水準は現実の米ドル/円に近いところへ置いてあります(日本銀行「外国為替市況(日次)」による2026年7月21日17時時点は162.59円台)。

1本目から11本目の終値は順に158.00、158.12、157.95、158.08、157.90、158.05、158.15、157.98、158.10、158.02、158.20。この11本は、あとで期間20と期間21を比べるときにも使います。

まず直近10本を取り出します。12本目から21本目までの終値です。

本目終値平均との差差の2乗
12158.60−1.30501.703025
13159.10−0.80500.648025
14159.45−0.45500.207025
15159.20−0.70500.497025
16159.80−0.10500.011025
17160.30+0.39500.156025
18160.05+0.14500.021025
19160.60+0.69500.483025
20161.10+1.19501.428025
21160.85+0.94500.893025

10本の合計は1,599.05で、平均は159.9050。差の2乗を全部足すと6.04725になります。これを9で割ると0.671917、その平方根が0.819705。これが標準偏差です。

公式の形でも検算しておきます。マネックス証券は標準偏差を「√(n×n日間の終値の2乗の合計−n日間の終値の合計の2乗)÷(n×(n−1))」と示しています。終値の2乗の合計は255,702.1375、合計の2乗は1,599.05の2乗。10×255,702.1375−1,599.05の2乗=60.4725、これを10×9=90で割ると0.671917。先ほどと同じ値です。外為どっとコムもほぼ同じ式を掲載しています(外為どっとコム「ボリンジャーバンドとは」)。

中心線が単純移動平均であるという点で、ボリンジャーバンドは移動平均線の延長線上にあります。SMAとEMAで線の位置がどれだけ変わるかは移動平均線のSMAとEMAを実際に計算した記事で数字にしてあるので、中心線の選び方が気になる方はそちらもどうぞ。

σが0.819705と分かれば、あとは掛け算だけ。

バンド下限上限幅(円)幅(pips)
±1σ159.0853160.72471.6394163.9
±2σ158.2656161.54443.2788327.9
±3σ157.4459162.36414.9182491.8

±2σの幅は327.9pips。1万通貨なら3万2,788円ぶんの値幅にあたります。「バンドにタッチしたら反転」という話が、どのくらいの距離を前提にしているのかが数字で見えるはずです。

もう1つ、細かいけれど無視できない話を。上の式は差の2乗の合計を(n−1)で割っています。nで割る計算方法もあり、その場合のσは0.777641。±2σの幅は311.1pipsとなり、先ほどより16.8pips狭くなります。どちらで計算しているかによってバンドの位置は変わります。マネックス証券と外為どっとコムが載せている式はどちらも(n−1)で割る形ですが、自分が使っているチャートツールがどちらで計算しているかまで明記した解説は多くありません。

68.3%や95.4%は正規分布を前提にした理論値で、実測と一致するとは限らない

マネックス証券も外為どっとコムも、バンドに収まる確率として±1σ約68.3%、±2σ約95.4%、±3σ約99.7%という数値を挙げています。この数字の出どころは統計学の正規分布です。

ここが誤解の温床になっています。68.3%や95.4%は「データが正規分布に従うなら」という条件つきの理論値であって、為替の値動きで検証された実測値ではありません。

先ほどの10本で数えてみます。±1σの範囲は159.0853から160.7247。この中に入っているのは13本目から19本目までの7本。12本目が下に、20本目と21本目が上にはみ出しました。10本中7本ですから70%です。

±2σの範囲は158.2656から161.5444。10本すべてが入りました。100%です。

バンド理論上の確率この10本での実測
±1σ約68.3%7本/10本(70%)
±2σ約95.4%10本/10本(100%)
±3σ約99.7%10本/10本(100%)

ここで慎重になってください。10本しかない標本で確率を語ることはできません。しかも、σはその10本自身から計算しているので、外れる本数がもともと少なくなる構造を持っています。実測が理論と食い違ったこと自体が、確率の話の危うさを示しています。

では為替ではどうか。為替の値動きは、正規分布が想定するほど整った形をしていません。平常時は静かに動き、指標発表や要人発言のタイミングで一気に飛ぶ。この「たまに極端に大きく動く」性質は、正規分布から外れる方向に働きます。

FX会社自身の注記からも、相場の条件が一様でないことは読み取れます。ヒロセ通商は米ドル/円のスプレッドをAM9:00から翌AM3:00は0.2銭、AM3:00からAM9:00は5.9銭と時間帯で分けて公表し、流動性の低い時間帯や指標発表時等には広がる場合があると注記しています(ヒロセ通商「LION FXスプレッド情報」)。※2026年7月時点。最新の条件は公式サイトで確認してください。同じ通貨ペアでもスプレッドが時間帯で29.5倍違う市場が、1日中同じばらつきで動いていると考えるほうが不自然でしょう。

なお、為替のリターン分布が正規分布からどれだけ外れているかを数値で示した公的統計は、今回の調査では確認できませんでした。ここは断定を避けて書いておきます。押さえておくべきは、95.4%という数字を「20回に19回は収まる」という実績値として扱わないこと。それだけです。

推奨期間は出所で分かれ、20と21では±2σの幅が2.8pips違った

ボリンジャーバンドの期間について、「20が標準」と書いてある解説をよく見かけます。実際には出所で分かれています。

OANDA証券によれば、開発者ジョン・ボリンジャー氏の推奨は期間20・±2σで、線は移動平均と上下バンドの3本のみ。著書では短期が期間10・±1.9σ、長期が期間50・±2.1σとされ、後年のセミナーでは時間軸に関係なく±2σが好ましいと述べたとされています(OANDA証券「開発者が推奨するボリンジャーバンドの設定」)。

一方、外為どっとコムの外貨ネクストネオ リッチアプリ版のデフォルト期間は21です(外為どっとコム「ボリンジャーバンドとは」)。※2026年7月時点。最新の設定は公式サイトで確認してください。マネックス証券のボリンジャーバンド解説には、推奨期間の記載そのものがありません。

3つの出所で、20・21・記載なしと分かれているわけです。では実際にどれだけ違うのか。同じ21本の終値で、期間20と期間21のバンドを計算しました。

設定中心線σ−2σ+2σ±2σの幅
期間20158.98001.1059156.7681161.19194.4237円(442.4pips)
期間21158.93331.0989156.7355161.13124.3957円(439.6pips)

幅の差は0.0280円、pipsに直すと2.8pips。+2σの位置の差は0.0607円で6.1pipsです。

正直に言えば、この差で勝ち負けが決まるとは思えません。むしろ重要なのは、期間を1本変えただけで線の位置が動く以上、「±2σにタッチした」という判断自体がその設定に依存しているという事実のほうです。

期間を選ぶときは、開発者の推奨に合わせるか、使っているツールの既定値のまま通すか、どちらかに決めて動かさないこと。負けるたびに20と21を行き来しても、得られるものはありません。

スクイーズとエクスパンションは、σが10.31倍に変わる現象として現れる

バンドの幅が狭い状態をスクイーズ、拡大している状態をエクスパンション、ローソク足が±2σに沿って並ぶ状態をバンドウォークと呼びます(外為どっとコム「ボリンジャーバンドとは」)。

言葉だけでは規模感が分かりません。同じ21本の中で、静かな局面と動いた局面を比べます。

先に挙げた1本目から10本目は、高い終値と低い終値の差が0.25円しかありません。平均は158.0350で、σは0.079477になりました。

局面対象平均σ±2σの幅
静かな10本1本目から10本目158.03500.07950.3179円(31.8pips)
動いた10本12本目から21本目159.90500.81973.2788円(327.9pips)

σは0.0795から0.8197へ、10.31倍になりました。±2σの幅も31.8pipsから327.9pipsへ、同じく10.31倍です。

スクイーズの局面で「±2σにタッチしたから逆張り」と考えると、31.8pipsという狭い幅の端で判断することになります。スプレッドが0.2銭(0.2pips)だとしても、幅そのものが小さいぶん往復のコスト比率は跳ね上がります。

バンドの幅は絶対的な水準ではなく、直近n本のばらつきに対する相対値。ここを押さえておかないと、静かな相場と荒れた相場で同じ判断をしてしまいます。

エンベロープは幅が一定率で、静かな相場でも狭くならない

エンベロープは、移動平均線に対して一定の乖離を持つ線を引いてバンドを表示したものです(マネックス証券「エンベロープ」)。幅の決め方が、ボリンジャーバンドとは根本的に違います。

幅の考え方は移動平均乖離率と裏表の関係にあります。移動平均乖離率は「(当日の終値−移動平均の値)÷移動平均の値×100」で求める指標です(マネックス証券「移動平均乖離率」)。乖離率が一定の値に達する線を先に引いておくのがエンベロープ、と考えると腹に落ちます。

先ほどの動いた10本の平均159.9050を中心に、乖離率別の幅を出します。

乖離率下限上限幅(円)幅(pips)
±0.25%159.5052160.30480.799580.0
±0.5%159.1055160.70451.5990159.9
±1.0%158.3059161.50403.1981319.8

ここで静かな10本と比べてみます。平均158.0350の±0.5%は幅1.5803円で158.0pips。動いた10本の±0.5%は159.9pipsですから、比率にして1.01倍しか変わりません。

同じ2つの局面で、ボリンジャーバンドの±2σは31.8pipsと327.9pipsで10.31倍の開きがありました。エンベロープは局面が変わってもほぼ同じ幅のままという性質が、数字ではっきり出ています。

どちらが優れているという話ではありません。ばらつきに反応してほしいならボリンジャーバンド、値幅を固定して機械的に扱いたいならエンベロープ、という使い分けになります。GMOクリック証券のプラチナチャートは、両方をトレンド系の指標として用意しています(GMOクリック証券「プラチナチャート テクニカル指標の説明」)。

一目均衡表の5本の線は、高値と安値の中値を時間をずらして並べたもの

一目均衡表は線が5本あるせいで難しく見えますが、計算はどれも「最高値と最安値を足して2で割る」だけです。違うのは参照する本数と、表示する位置になります。

線の名前計算式参照する本数表示する位置何を表しているか
転換線(過去9本の最高値+最安値)÷29本当日直近9本のレンジの中心
基準線(過去26本の最高値+最安値)÷226本当日直近26本のレンジの中心
先行スパン1(転換線+基準線)÷29本と26本26本先2本の中心線の中値を先に置いたもの
先行スパン2(過去52本の最高値+最安値)÷252本26本先直近52本のレンジの中心を先に置いたもの
遅行スパン当日の終値1本26本前26本前の価格との比較

この期間の組み合わせは、マネックス証券、ヒロセ通商、OANDA証券の3社で一致しています(ヒロセ通商「一目均衡表」OANDA証券「一目均衡表とは」)。

転換線を実際に計算してみます。先ほどの数列の13本目から21本目に、高値と安値を置きました。

本目高値安値終値
13159.25158.55159.10
14159.60159.00159.45
15159.50159.05159.20
16159.95159.15159.80
17160.45159.70160.30
18160.40159.90160.05
19160.75159.95160.60
20161.25160.50161.10
21161.20160.60160.85

9本の最高値は20本目の161.25、最安値は13本目の158.55。転換線は(161.25+158.55)÷2=159.90となります。

面白いのはここから。同じ範囲に近い10本の単純移動平均は159.9050でした。転換線159.90とほぼ同じ値です。ただしこれは偶然で、計算の中身はまったく違います。転換線は9本のうち最高値と最安値の2つしか見ておらず、途中の7本がどこにあっても値は変わりません。

基準線と先行スパン2は、この9本だけでは計算できません。26本ぶんと52本ぶんの高値・安値が必要だからです。遅行スパンも、21本目の終値160.85を26本前に置く線なので、21本しかない数列では描けません。一目均衡表を表示するには、最低でも52本、雲まで意味を持たせるなら78本前後のデータが要ります。

雲は先行スパン1と先行スパン2に挟まれたゾーンです。マネックス証券は、厚い場合は突破に日柄を要し、薄い場合は影響が少ないので抜けやすく転換しやすくなると説明しています。

三役好転は3条件の同時成立で、9・26・52の由来は断定できない

一目均衡表でよく使われる判断が三役好転です。ヒロセ通商は条件を3つ挙げています。転換線が基準線を上回ること、遅行スパンが26日前のローソク足を上回ること、相場が雲の上限を上回ること(ヒロセ通商「一目均衡表」)。この3つすべてを満たしたときに三役好転となります。

OANDA証券も同じ3条件を「転換線>基準線」「遅行スパン>ローソク足」「ローソク足>雲」と整理し、三役逆転はその逆としています。2社で内容が一致しています。

ここで押さえておきたいのは、3条件のうち2つが時間をずらした線を含むという点です。遅行スパンは26本前との比較、雲は26本先に置かれた線。つまり三役好転の判定には、26本ぶんの時間差が構造的に組み込まれています。

では、なぜ9・26・52なのか。ヒロセ通商によれば、一目均衡表は細田悟一氏(ペンネーム一目山人)が都新聞の商況部長時代に考案し、昭和10年に発表したものです。ただし、9・26・52という数字がどのように導かれたのかを説明した公式資料は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。

週6日制の営業日数から来ているという説明を目にすることはあります。しかし、それを裏づける一次資料を確認できていない以上、この記事では断定しません。数字の由来が分からなくても、計算式と参照期間さえ分かれば線は読めます。

私の考えでは、由来を追うより先に「どの線が何本ぶんのレンジを見ているか」を覚えるほうが実用的です。転換線は9本、基準線は26本。この2つの数字だけ頭に入れば、転換線が基準線を上回るという条件の意味が分かります。

FXのボリンジャーバンドと一目均衡表でよく出る5つの疑問

計算と構造の話はここまで。設定画面や実際の判断で迷いやすい5つに答えます。

ボリンジャーバンドの期間は何にすればいいですか?

決まった正解はありません。開発者本人の推奨は20、外為どっとコムのリッチアプリ版の既定値は21、マネックス証券の解説には推奨期間の記載がない、という状態です。

上の計算では、20と21で±2σの幅が2.8pipsしか違いませんでした。どちらを選ぶかより、選んだあと動かさないことのほうが結果に効きます。使っているツールの既定値のまま始めて構いません。

±2σにタッチしたら逆張りしていいですか?

タッチしただけでは根拠になりません。理由は2つあります。

1つは、±2σの位置が期間や標準偏差の計算方法で変わること。上の例では(n−1)で割るかnで割るかだけで、幅が16.8pips違いました。もう1つは、外為どっとコムがバンドウォークとして説明しているように、ローソク足が±2σに沿って並んだまま進む状態があること。タッチを反転の合図として扱うと、この局面で連敗します。

エンベロープとボリンジャーバンドはどちらを使うべきですか?

目的で分かれます。ばらつきの変化に反応させたいならボリンジャーバンド、値幅を固定したいならエンベロープです。

上の計算では、静かな局面と動いた局面でボリンジャーバンドの幅が10.31倍変わったのに対し、エンベロープの±0.5%は1.01倍しか変わりませんでした。「相場が静かなときも一定の値幅で判断したい」という設計ならエンベロープが合います。

遅行線(遅行スパン)は何を見る線ですか?

当日の終値を26本前の位置に置いた線です。見ているのは、いまの価格が26本前の価格より上か下かという1点だけになります。

線が26本前のローソク足を上回っていれば、26本前に買った人が含み益の状態だという意味。三役好転の3条件のうち1つは、この比較で判定されます。時間をずらす発想がなければ、単に26本前との比較にすぎません。

雲が厚いときと薄いときで何が違いますか?

雲の厚さは、先行スパン1と先行スパン2の距離です。マネックス証券は、厚い場合は突破に日柄を要し、薄い場合は影響が少ないので抜けやすく転換しやすくなると説明しています。

厚さが生まれる仕組みを考えると分かりやすくなります。先行スパン2は52本のレンジの中心、先行スパン1は9本と26本の中心の平均。短期のレンジと長期のレンジが大きくずれているときに雲は厚くなります。値動きが一方向に伸びた直後ほど厚くなりやすい、と理解しておけば十分です。

バンド系の指標は水準を当てる線ではなく、いまの散らばりを測る物差し

ボリンジャーバンドも一目均衡表も、将来の価格を示す線ではありません。前者は直近n本の終値がどれだけ散らばっているか、後者は直近9本・26本・52本のレンジがどこにあるかを表示しているだけです。

  • 終値10本のσは0.819705で、±1σ163.9pips、±2σ327.9pips、±3σ491.8pipsの幅になった
  • 68.3%・95.4%・99.7%は正規分布を前提にした理論値で、この10本の実測は70%・100%・100%だった
  • 期間20と21で±2σの幅は2.8pipsしか違わず、「20が標準」と断定できる出所もない
  • ボリンジャーバンドの幅は局面によって10.31倍変わり、エンベロープの±0.5%は1.01倍しか変わらない
  • 一目均衡表は5本とも高値と安値の中値が基本で、9・26・52の由来を示す資料は確認できなかった

バンドやレンジの中心で判断できないときに使うのが、値幅そのものを比率で区切る考え方です。押し目や戻りの目安を数値で置く方法をまとめたフィボナッチの引き方と反発ポイントを解説した記事を読めば、この記事の続きとして使えます。

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