FXリピート系自動売買を比較!トラリピ型の選び方

FXリピート系自動売買を比較!トラリピ型の選び方

「自動売買を始めたいけれど、トラリピもループイフダンも説明が似ていて違いが分からない。結局どれが一番稼げるのか知りたい」

こういった疑問に答えます。

先に結論を書きます。リピート系自動売買は、価格が設定した値幅の中を往復するかぎり利益が積み上がる仕組みで、この前提はどのサービスでも変わりません。だから比べるべきは利回りの実績ではなく、最小取引単位と手数料、そして自分の資金でレンジをどこまで外れても耐えられるかという設計のほうです。実際に米ドル/円162.59円で11本の注文を並べた設定を計算すると、入金50万円と20万円ではロスカットに届くレートが28円以上ずれました。同じシステムを動かしても、生き残るかどうかを決めるのは資金量ということ。

リピート系は取り扱う会社が限られるため、対応口座を先に見比べておくと候補が絞れます。主要FX会社の比較ページに取引単位やスプレッドを一覧にしてあるので、口座の当たりをつける用途に使ってください。

論点この記事の結論
リピート系の共通点設定した値幅ごとに新規注文と決済注文を自動で繰り返す
利益が出る条件価格が値幅の中を往復し続けること
共通の弱点レンジを抜けると決済が止まり、含み損だけが伸びる
比較する項目最小取引単位、取引手数料、通貨ペア数、ロスカット水準
最小取引単位1,000通貨単位から使えるサービスが複数ある
必要資金の考え方注文本数と通貨量と想定逆行幅から含み損を先に計算する
試算の結論11本×1,000通貨が平均建値160円から15円逆行すると含み損16万5,000円
選ぶ順番方式の理解、最小単位の確認、資金の耐久計算、口座開設

リピート系自動売買は、値幅の中の往復を利益に変える仕組み

リピート系と呼ばれる自動売買は、どれも同じ骨格を持っています。あらかじめ一定の間隔で新規注文を並べ、その1本ごとに決済注文をセットしておく。約定したら同じ場所に注文が再び置かれ、価格が行き来するたびに小さな利益が確定していきます。

アイネット証券は自社のループイフダンを、一定値幅レートが動いたら自動で売買を繰り返すシステムだと説明しています(アイネット証券「ループイフダンとは」)。FXブロードネットも、トラッキングトレードを値動きに合わせて連続でリピート型自動売買を発注する自動注文機能だと説明しています(FXブロードネット「トラッキングトレードの仕組み」)。

マネースクエアはトラリピについて、たくさんの注文を広い範囲に仕掛けておくことで日々の上下をリピート機能で狙い続ける戦略だと書いています(マネースクエア「トラリピ(自動売買)って何?」)。表現は各社で違いますが、やっていることは共通です。

ここで押さえておきたいのは、この仕組みが「上がるか下がるかを当てない」代わりに、「動き続けること」に賭けているという点。方向を当てないので予想は要りませんが、価格が一方向に走り去ってしまうと、仕込んだ注文が全部取り残されます。

なお国内の登録業者であれば、自動売買であっても手動の裁量取引であっても、ロスカットルールの整備と遵守は2010年2月1日から全業者に義務づけられています(金融先物取引業協会「FX取引の規制について」)。自動売買だから青天井に損が膨らむ、という話ではありません。

主要リピート系5サービスを、方式と最小取引単位と公表条件で並べる

各社の公式ページで確認できた範囲だけを表にしました。確認が取れなかった項目は空欄にせず、確認できなかったことをそのまま書いています。

サービス提供会社方式の考え方最小取引単位公式ページで確認できた条件出典
トラリピ株式会社マネースクエア広い価格帯に多数の注文を仕掛け、日々の上下をリピートで狙う公式ページで確認できず関東財務局長(金商)第2797号、日本証券業協会と金融先物取引業協会に加入マネースクエア公式
ループイフダン株式会社アイネット証券一定値幅動くたびに自動で売買を繰り返す。B15やB25のように値幅を数字で選ぶ1ロット1,000通貨(南アフリカランド/円とメキシコペソ/円は1万通貨)21通貨ペア、取引手数料無料、有効証拠金が取引証拠金の100%割れでロスカットアイネット証券公式
トライオートFXインヴァスト証券株式会社既成の設定を選ぶ方式と、自分で複数の注文群を組む方式の2本立て1,000通貨単位(一部の通貨ペアは1万通貨単位)34通貨ペア、取引手数料0円(100万通貨超は大口マークアップが加算される場合あり)、有効比率100%以下でロスカットインヴァスト証券公式
トラッキングトレード株式会社FXブロードネット一定間隔で新規を出しつつ、値動きに合わせて注文を仕掛ける範囲をスライドさせる1,000通貨単位のコースあり24通貨ペア、取引手数料はブロードコースが1ロット片道0円から200円、ブロードライトコースが0円から20円(税込)、関東財務局長(金商)第244号FXブロードネット公式
iサイクル2取引外為オンライン設定した値幅に沿って自動で細かく売買を繰り返し、注文の範囲がトレンド方向へ移動する1,000通貨単位のminiコースありコース区分は標準期限と1か月期限の4種類、手数料はコースにより異なる外為オンライン公式

※2026年7月時点で各社の公式ページを確認した内容です。最新の条件は必ず公式サイトで確認してください。

数値の裏づけは次のとおりです。ループイフダンの取引単位と通貨ペア数、ロスカット水準は取引要綱に記載があります(アイネット証券「ループイフダン取引要綱(個人用)」)。トライオートFXの34通貨ペアと有効比率100%以下でのロスカットは取引概要のページ(インヴァスト証券「トライオートFX 取引概要」)、FXブロードネットの1,000通貨コースと手数料は特徴ページ(FXブロードネット「1000通貨からの取引」)、24通貨ペアという本数は別の特徴ページ(FXブロードネット「取引通貨ペア24通貨」)にそれぞれ記載があります。トラリピの登録番号と加入協会は、マネースクエアの会社案内で確認しました(マネースクエア「会社案内」)。

外為オンラインのiサイクル2取引については、設定した値幅に沿って自動で細かく売買を繰り返すという説明とコース区分を公式ページで確認しました(外為オンライン「iサイクル2取引・サイクル2取引」)。

トラリピの最小取引単位を空欄にせず「公式ページで確認できず」と書いたのは、比較記事でここを推測で埋めるのが一番危ないからです。取引単位は必要資金に直結する項目。他社サイトの孫引きではなく、口座を開く前に自分で公式の取引要綱を開いてください。

サービス単体の詳しい仕様や利用者の評判は、トラリピの評判とマネースクエアのリピート注文ループイフダンの評判とアイネット証券の自動売買にそれぞれ分けてあります。

レンジを抜けた瞬間に決済は止まり、含み損だけが伸びていく

ここが本題です。比較表を眺めても差は小さく見えますが、どのサービスを選んでも同じ形で損が出ます。

試算の起点になるレートを先に固定します。2026年7月21日17時時点の米ドル/円は162.59円台でした(日本銀行「外国為替市況(日次)」)。リピート系は1本の注文ではなくレンジ全体で損益が決まるため、次の設定を丸ごと置いたうえで計算します。

前提条件設定値
通貨ペア米ドル/円
稼働開始レート162.59円
注文レンジ155.00円から165.00円
注文間隔1.00円ごと
注文本数買い11本
1本あたり通貨量1,000通貨
利確幅1.00円

レンジの中を上下しているあいだは、1本決済されるたびに1,000円の利益が入ります。1円の値幅を1,000通貨で取るので1,000円。ここまでは想定どおりです。

問題は、165円まで上がったあとに反落し、下限の155円を割ってさらに145.00円まで下げた場合。計算はこうなります。

  1. 11本すべてが約定し、建値は155円から165円まで1円刻みで並ぶ
  2. 建値の平均は160.00円、合計建玉は11本×1,000通貨で11,000通貨
  3. 145.00円時点の含み損は(160.00円-145.00円)×11,000通貨=16万5,000円

含み損16万5,000円に対して、レンジ内の決済1回で入る利益は1,000円。単純に割ると、この含み損を利確だけで埋めるには165回の決済が必要になります。

「下がっている途中でも決済されるのでは」と思うかもしれません。買いのリピート設定は上昇で利確する作りなので、下げ続けている局面では決済が1本も発生しません。利益が止まり、含み損だけが伸びる。これがレンジを抜けたときに起きることのすべてです。

しかもこの16万5,000円は、まだロスカットされていない状態の数字。145.00円で必要な証拠金は11,000通貨×145円×4%で6万3,800円ですから、口座に十分な残高があれば持ちこたえます。証拠金率4%以上は個人の店頭FXに課された規制で、これがレバレッジ上限25倍の正体です(金融先物取引業協会「FX取引の規制について」)。

同じ設定でも、入金額でロスカット到達レートは28円ずれる

では、どこまで下げたら強制決済になるのか。先ほどの11本設定を、ロスカット水準が有効比率100%のサービスで動かしたと仮定して逆算します。

到達レートをRとすると、次の2式が等しくなった時点がロスカットです。

  • 有効証拠金=入金額-11,000通貨×(160.00円-R)
  • 必要証拠金=11,000通貨×R×4%=440R

入金20万円のケースは、200,000-1,760,000+11,000R=440Rを解いて10,560R=1,560,000、R=約147.73円。入金50万円なら10,560R=1,260,000となり、R=約119.32円です。

入金額ロスカット到達レートレンジ下限155円からの距離145.00円まで下げた時点の状態
20万円約147.73円約7.27円到達前にロスカット済み
50万円約119.32円約35.68円有効証拠金33万5,000円、証拠金維持率約525%

差は28.41円。同じサービス、同じ通貨ペア、同じ注文設定なのに、耐えられる距離がおよそ4.9倍も変わりました。20万円のほうは、レンジを7円下抜けただけで退場です。

つまりリピート系で先に決めるべきは、どのサービスを使うかではなく、いくら入れるか。私はここを逆順にしている人をよく見かけます。サービス選びより資金設計のほうが、結果に効く度合いは圧倒的に大きいということ。

なお、上の維持率は証拠金率4%と平均建値160.00円を使った単純計算です。実際の必要証拠金は会社ごとの計算方法や通貨ペアで変わり、急変時は想定した価格で決済されないこともあります。

注文間隔を狭めるほど、レンジアウト時の負担は本数に比例して重くなる

「利益を増やしたいなら注文を細かくすればいい」と考えたくなります。ただ、細かくした分だけレンジアウト時の含み損も増えます。

条件は先ほどと同じ155円から165円の10円レンジ、1本あたり1,000通貨、利確幅は注文間隔と同じ。

注文間隔注文本数全約定時の建玉決済1回の利益150円まで下げたときの含み損
0.5円21本21,000通貨500円21万円
1.0円11本11,000通貨1,000円11万円
2.0円6本6,000通貨2,000円6万円

3行とも建値の平均は160.00円なので、150円まで下げたときの含み損は建玉に正比例します。本数を6本から21本に増やせば約3.5倍、含み損も約3.5倍。

決済の回数が増えるので利益を取る機会は確かに増えますが、それはレンジの中にいるあいだだけの話です。抜けた瞬間に、増やした本数がそのまま重さに変わる。ここはトレードオフであって、細かくすること自体が優れているわけではありません。

FXブロードネットは、注文を仕掛ける範囲を値動きに合わせてスライドさせる機能を公表しています(FXブロードネット「トラッキングトレードの仕組み」)。外為オンラインのiサイクル2取引も、注文の範囲がトレンド方向へ移動する設計です。こうした追従機能はレンジのずれに対応するためのものですが、追従したぶん建値が動くだけで、逆行に対する必要資金が消えるわけではない点は理解しておいてください。

比較の軸は利回りの実績ではなく、最小取引単位と手数料と止めやすさ

ランキング記事の多くは過去の運用成績を並べます。ただ、リピート系の成績はレンジが続いた期間かどうかでほぼ決まるため、期間を切り替えれば順位も入れ替わります。

見るべきは次の3つだと考えています。

  1. 最小取引単位。1,000通貨単位なら、同じ資金で注文本数を増やせる、あるいは同じ本数で必要資金を下げられます。試算で見たとおり、通貨量は含み損に直結する変数です。
  2. 取引手数料の形。ループイフダンとトライオートFXは取引手数料を無料または0円と公表しています。一方でFXブロードネットはコース別に1ロットあたりの手数料を公表しています。公表値は片道の金額なので、新規と決済で1往復すると2回分かかる計算です。リピート系は決済回数が多いので、1往復あたり数十円の差でも回数で効いてきます。手数料の条件は2026年7月時点の公表内容であり、最新の条件は公式サイトで確認してください。
  3. 止めやすさ。FXブロードネットは、自動注文の継続を優先して売買を続けるため、停止の判断は利用者自身が行う必要があると明記しています。自動売買は始めるより止めるほうが難しい、というのが正直なところ。

国内の店頭FXの規模も参考になります。金融先物取引業協会の月次速報では、2026年6月の個人向け店頭FXの取引金額は6,675,552億円、建玉合計は111,265億円、取扱会員は46社でした(金融先物取引業協会「店頭FX月次速報」)。取引金額は建玉の約60倍。日本の個人FXは持ち続ける市場ではなく回す市場で、リピート系はその回転を機械にやらせる道具だと捉えると位置づけが見えてきます。

汎用口座に外部の自動売買ツールを持ち込むなら、先に約款を読む

ここまで挙げた5サービスは、いずれも会社が自社で提供する自動売買です。これとは別に、通常のFX口座で外部のツールを動かす形もあります。この2つは扱いがまったく違います。

たとえば外為どっとコムは、取引約款に抵触する行為を5類型として明示したうえで、取引システム以外のツール等を使用した取引をそのひとつに数えています。どの類型も他の顧客や同社のシステムに著しい悪影響を及ぼす行為であることが前提に置かれ、抵触した場合は契約の解除や取引の制限を実施できるとされています(外為どっとコム「取引約款に抵触する行為」)。会社が自社機能として用意したリピート系と、外から持ち込むプログラムでは、出発点から扱いが違うということ。

JFXも、スキャルピングを理由に口座凍結することはないと明言したうえで、システム売買など約款で禁止する行為が確認された場合は規定に基づき口座凍結する場合があると書いています(JFX「スキャルピングならJFX」)。

つまり、自動売買という言葉でひとくくりにできません。会社が提供するリピート系サービスを使うぶんには当然その会社が想定している使い方ですが、外部ツールを持ち込む場合は約款の確認が先です。ここを飛ばして口座を凍結されると、含み損を抱えたまま身動きが取れなくなります。

FX自動売買の比較で最後まで残る5つの疑問

方式と資金の話はここまでで揃いました。とはいえ、口座を開く直前に引っかかりやすい点がいくつかあります。検索でよく調べられているものから5つ挙げます。

リピート系自動売買はどの会社が一番稼げますか?

一番はありません。仕組みが同じで、成績を決めるのは相場がレンジだったかどうかと、自分が設定した値幅と通貨量だからです。

利回りを保証する書き方をしているサイトは、期間の取り方を見てください。レンジが続いた1年を切り出せばどのサービスも良く見えますし、トレンドが出た年を含めれば数字は反転します。

自動売買は最低いくらから始められますか?

必要証拠金だけなら少額でも足ります。ただ、それは「1本目を建てられる金額」であって、レンジを外れても耐えられる金額ではありません。

この記事の11本設定なら、145円までの含み損16万5,000円を吸収できるかどうかが基準になります。想定する逆行幅を先に決め、注文本数と通貨量を掛けて必要額を出す。この順番で計算してください。

自動売買はデモ口座で試せますか?

デモ環境の有無も、試せる範囲も会社ごとに違います。この記事で参照したのはサービス紹介と取引要綱のページなので、デモの条件までは扱っていません。口座を開く前に各社の公式ページで確かめてください。

なお、インヴァスト証券はトライオートFXの紹介ページで、始める前にシミュレーションで過去の成績を見てからスタートできると案内しています(インヴァスト証券「トライオートFX」)。設定を試す手段はデモ口座だけではない、ということ。

国内のリピート系と海外業者の自動売買ツールは何が違いますか?

前提となる規制が違います。国内の登録業者は個人向けに証拠金率4%以上を確保する義務があり、ロスカットルールの整備も義務づけられています。

金融庁の登録を受けていない業者はこの記事の比較対象外です。金融庁は、無登録の海外所在業者が日本の規制を上回る高レバレッジを掲げて勧誘する例があり、トラブルが生じても業者への追及は極めて困難だと注意を促しています(金融庁「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」)。

レバレッジを上げても、含み損の金額そのものは1円も減りません。減るのは必要証拠金だけ。同じ資金で本数や通貨量を増やせてしまう分、レンジを外れたときの傷はむしろ深くなります。

スプレッドは比較する意味がありますか?

あります。リピート系は決済回数が多いため、1回あたりの差が回数分だけ積み上がるからです。

ただし比較の順番としては、最小取引単位と手数料の形を確認したあとで構いません。スプレッドは時間帯や指標発表時に広がるものであり、常時同じ値ではない点を多くの会社が注記しています。

リピート系は当てる道具ではなく、耐える資金設計で決まる

5社を並べて分かるのは、方式の細部より前に、レンジを前提にしているという共通点のほうがはるかに大きいということです。どれを選んでも、値幅を抜けたときの含み損の出方は同じ形をしています。

  • リピート系は設定した値幅の中を価格が往復するかぎり利益が出る仕組みで、この前提は5社共通
  • レンジを抜けると決済が止まり、含み損だけが伸びる。買い設定は下落局面で1本も利確しない
  • 11本×1,000通貨の設定が平均建値160円から145円まで逆行すると、含み損は16万5,000円
  • 同じ設定でも入金20万円は約147.73円、50万円は約119.32円でロスカットに届き、差は28.41円
  • 比較の軸は利回りの実績ではなく、最小取引単位と手数料の形、そして止めやすさ

サービスを決める前に、想定する逆行幅と注文本数と通貨量を紙に書いて掛け算してみてください。その金額を入れられないなら、本数か通貨量を減らすのが先です。

自作や配布のプログラムを使う自動売買を検討している方は、選び方の基準がリピート系とは別物になります。FXのEAとは何かと失敗しない選び方に、ランキングの見方と確認すべき項目をまとめてあるので、そちらを先に読んでおくと判断を誤りにくくなります。

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