「FXブロードネットのトラッキングトレードが気になっている。ただ、取引手数料がかかる会社だという話も見かけたので、実際いくら取られるのかを先に知っておきたい」
こういった疑問に答えます。
結論から書くと、裁量取引の手数料は0円ですが、看板のトラッキングトレードには手数料がかかります。しかも表記は片道。公式サイトはブロードコースを1ロットあたり片道0円から200円(税込)、ブロードライトコースを1ロットあたり片道0円から20円(税込)と公表しており、よくある質問では1ロット10,000通貨の場合に新規200円と決済200円で計400円、1ロット1,000通貨のライトコースでは新規20円と決済20円で計40円と説明されています。1往復で2回かかる、ここを見落とすとコスト計算が丸ごとずれます。
自動売買を含めて各社の手数料体系を並べたい方は、主要FX会社の比較ページで条件の一覧を先に見ておくと、この記事の数字がどの位置にあるか分かりやすくなります。
| 項目 | FXブロードネットの公表内容 |
|---|---|
| 取扱通貨ペア | 24通貨ペア |
| 取引単位 | ブロードコースは1ロット10,000通貨、ブロードライトコースは1ロット1,000通貨 |
| 裁量取引の手数料 | 0円 |
| トラッキングトレードの手数料 | ブロードコースは片道200円、ライトコースは片道20円(1ロットあたり) |
| 公表表記 | ブロードコース片道0円から200円、ライトコース片道0円から20円(いずれも税込) |
| くりっく365の手数料 | 無料。ラージは1枚につき片道1,100円(税込) |
| ロスカット水準 | コースで異なる。ブロード1は1%、ブロード20系は8%、ブロード25系は20%、25S系は100% |
| 追証 | ブロード25MCコースは翌日午前6:30(夏時間は5:30)までの解消でポジション維持が可能 |
| 取引時間 | 冬時間は月曜7:00から土曜6:55、夏時間は月曜7:00から土曜5:55 |
| スプレッド | 原則固定。市場の価格急変時は拡大する場合あり |
| 信託保全先 | 三井住友銀行への金銭信託により区分管理 |
| 登録番号 | 関東財務局長(金商)第244号 |
※上表の手数料、取引単位、コース別ロスカット水準は、2026年7月時点でFXブロードネットの手数料ページと取引要綱に掲載されていた内容です。トラッキングトレードの手数料にはキャンペーン適用の記載もあったため、申し込み前に現行の適用条件を公式サイトで確かめてください。
手数料が0円の取引と、片道でかかる取引が同じ口座に同居している
まず、この会社の手数料表記の読み方を固めます。ここを誤解したまま試算すると、結果が半分になります。
公式サイトの手数料ページでは、ブロードコースが1ロットあたり片道0円から200円(税込)、ブロードライトコースが1ロットあたり片道0円から20円(税込)と案内されています。取引所FXのくりっく365は無料で、くりっく365ラージは1枚につき片道1,100円(税込)です(FXブロードネット「取引手数料 0円」)。
0円から200円という幅は、値切り交渉の余地ではありません。裁量で発注すれば0円、トラッキングトレードで発注すれば200円、という2つの状態を1つの表記にまとめたものです。
そしてもう一点。表記が「片道」であること。1回の売買を完結させるには新規と決済の2回が必要なので、往復では2倍になります。
取引要綱によれば、取引単位はブロードコースが1ロット10,000通貨(南アフリカランドは100,000通貨)、ブロードライトコースが1ロット1,000通貨(南アフリカランドは10,000通貨)で、取扱いは24通貨ペア。裁量取引の取引手数料は0円と明記されています(FXブロードネット「取引要綱(個人)」)。
裁量だけで使うなら、この会社は手数料0円の口座です。トラッキングトレードを使う瞬間に、別の料金体系へ切り替わると考えてください。
トラッキングトレードは、レンジそのものを相場に追随させる仕組み
では、その手数料を払って何を買うのか。仕組みのほうを先に押さえます。
公式のよくある質問によれば、トラッキングトレードの最大の特徴は、相場の価格変動に追尾して発注する価格レンジを移動していく点にあります。事前に設定したレンジの中だけで完結する従来型のリピート注文と、この点が違う設計です。設定項目としては、過去の変動幅から想定変動幅を自動計算するボラティリティ参考期間、注文が並ぶ価格レンジの幅を決める想定変動幅、開始時の金額を決める対象資産が挙げられています(FXブロードネット「トラッキングトレード よくあるご質問」)。
リピート系の注文でいちばん困るのは、相場がレンジから抜けたときです。設定した価格帯の外へ動いてしまうと、注文が並んでいるだけで何も約定しなくなる。
その弱点に対して、レンジごと動かすという答えを出したのがトラッキングトレードです。理屈としては素直で、レンジ抜けによる稼働停止は起きにくくなります。
ただし、いいことばかりではありません。レンジが動き続けるということは、約定が止まりにくいということでもある。約定が止まらなければ、片道200円の手数料も止まりません。
この構造を理解したうえで、次の章の数字を見てください。
往復400円は、利確幅が20銭なら利益の2割を持っていく
ここがこの記事の核心です。手数料を金額のまま眺めても判断できないので、利確幅に対する比率へ直します。
公式のよくある質問には、1ロット10,000通貨の場合に新規200円と決済200円で400円、1ロット1,000通貨のライトコースでは新規20円と決済20円で40円という説明があります。キャンペーンにより半額が適用される旨の記載もありました(2026年7月時点)。
まず損益分岐点を出します。10,000通貨で400円のコストは、1通貨あたり0.04円。つまり4銭です。スプレッドを別に払うことを考えると、実際にはそれ以上動かないと手数料すら回収できません。
ではトラッキングトレードの1回の利確で、手数料はどれくらいの割合を占めるのか。ブロードコース1ロット(10,000通貨)で計算します。
| 1回の利確幅 | 約定1往復の利益 | 手数料(往復) | 手数料が占める割合 | 手取り |
|---|---|---|---|---|
| 10銭 | 1,000円 | 400円 | 40.0% | 600円 |
| 20銭 | 2,000円 | 400円 | 20.0% | 1,600円 |
| 50銭 | 5,000円 | 400円 | 8.0% | 4,600円 |
| 1円 | 1万円 | 400円 | 4.0% | 9,600円 |
利確幅を狭く刻むほど、手数料の比率が跳ね上がります。10銭で刻む設定なら、利益の4割が手数料に消える計算。
「ライトコースにすれば軽くなるのでは」と思うかもしれません。答えは、なりません。1,000通貨で10銭なら利益は100円、手数料は40円で、比率は同じ40%です。金額は10分の1になっても、負担の重さは変わらない。
ここは断言しますが、この口座で効いてくるのはコース選びではなく利確幅の設定です。想定変動幅を狭くして約定回数を稼ぐ発想は、手数料が片道でかかる会社では逆効果になりやすい。
手数料は約定本数で積み上がる。設定は本数を決める行為でもある
もう一段、期間で見ておきます。自動売買は「1回いくら」より「月にいくら」で効いてくるからです。
前提は、ブロードコース1ロット(10,000通貨)とブロードライトコース1ロット(1,000通貨)、往復あたりそれぞれ400円と40円。月間の約定往復数を変えて並べます。
| 月間の約定往復数 | ブロードコースの手数料 | ブロードライトコースの手数料 |
|---|---|---|
| 20往復 | 8,000円 | 800円 |
| 50往復 | 2万円 | 2,000円 |
| 100往復 | 4万円 | 4,000円 |
| 300往復 | 12万円 | 1万2,000円 |
300往復で12万円。これは相場が読めたかどうかとは無関係に、動いた分だけ確定していく支出です。
ここで気づいてほしいのは、想定変動幅の設定が、そのまま月間コストの設定になっているということ。値幅を半分にすれば約定回数はおおむね増え、手数料も増える。自動売買の設定画面で決めているのは、戦略だけではありません。
なお、これとは別にスプレッドもかかります。公式のよくある質問では、スプレッドは原則固定だが市場の価格急変時には拡大する場合があると案内されています(FXブロードネット「手数料・スプレッド よくあるご質問」)。実質コストは手数料とスプレッドの合算で見てください。
リピート系の各サービスを同じ物差しで並べた結果は、FXリピート系自動売買を比較した記事にまとめています。手数料の有無は会社ごとに違うため、コスト構造から先に絞るのが早道です。
ロスカット水準はコース名で決まっているので、申し込み前に確認する
条件表を作っていて、いちばん見落とされそうだと感じたのがここでした。
取引要綱によれば、ロスカット水準はコースごとに異なります。ブロード1が1%、ブロード20とブロード20ライトが8%、ブロード25系とそのMCコースが20%、ブロード25Sとブロード25ライトSが100%。追証については、ブロード25MCコースの場合、翌日午前6時30分(サマータイム中は5時30分)までに不足金額を解消すればポジションを維持できると案内されています。
取引時間は、冬時間が月曜の午前7:00から土曜の午前6:55、夏時間が月曜の午前7:00から土曜の午前5:55です。
コース名に数字とアルファベットが並ぶため、申し込み画面で選ぶときに意味を取り違えやすい構成だと思います。ここは自分が選ぶコースの水準だけでも、公式ページで確認してから進めてください。
参考までに、必要証拠金の感覚もつかんでおきます。日本銀行の外国為替市況によると、2026年7月21日17時時点の米ドル/円は162.59円台でした(日本銀行「外国為替市況(日次)」)。個人の店頭FXでは取引金額の4%以上の証拠金が業者に義務づけられているため(金融先物取引業協会「FX取引の規制について」)、ブロードコース1ロット10,000通貨なら約6万5,036円、ライトコース1ロット1,000通貨なら約6,504円が目安になります。
信託保全先と登録番号は、取引要綱にまとめて書かれている
会社としての信用は、口コミより公表資料のほうが早く確認できます。
取引要綱には、証拠金が三井住友銀行への金銭信託により区分管理されること、登録番号が関東財務局長(金商)第244号であることが記載されています。信託先の金融機関名まで書かれている点は、確認する側からすると助かるところ。
もっとも、この枠組み自体は登録業者に共通の土台です。金融先物取引業協会によれば、区分管理は2010年2月1日から信託に一本化され、同日から個人顧客と取引するすべての業者にロスカットルールの整備と遵守が義務づけられました。信託保全があること自体は、この会社を選ぶ理由にも外す理由にもなりません。
読者の側でも裏は取れます。金融庁は2026年1月30日から、業種を横断して登録金融事業者を検索できる一括検索機能の運用を始めました(金融庁「金融事業者一括検索機能の運用開始について」)。登録番号を控えておけば、照合は一度で済みます。
FXブロードネットのトラッキングトレードについて、よく調べられている質問
片道表記の読み方と、想定変動幅が月間コストを決めるという話は済みました。残るのは、コースを選ぶ画面で迷いやすい点でしょう。よく調べられている4つに答えます。
FXブロードネットの手数料は、結局いくらかかりますか?
裁量取引なら0円です。トラッキングトレードを使う場合は、ブロードコースで1ロットあたり片道200円、ライトコースで片道20円。
片道表記なので、新規と決済で2回かかります。1往復ではブロードコースが400円、ライトコースが40円という計算です。
ブロードコースとブロードライトコースは、どちらを選ぶべきですか?
資金量で決めてください。ブロードコースは1ロット10,000通貨、ライトコースは1ロット1,000通貨で、証拠金もスワップも10分の1の規模になります。
ただし前の章で示したとおり、手数料が利益に占める比率はどちらも同じです。ライトコースにすればコスト負担が軽くなる、という理解は誤りなので注意してください。
トラッキングトレードの設定では、何を決めるのですか?
公式のよくある質問では、ボラティリティ参考期間、想定変動幅、対象資産の3つが挙げられています。
このうち損益への影響が大きいのは想定変動幅です。幅を狭くすれば約定は増えますが、そのぶん片道手数料の発生回数も増えます。設定は戦略であると同時に、月間コストの決定でもあります。
トラッキングトレードのスワップポイントはどこで確認できますか?
公式サイトに通貨ペア別のスワップポイント一覧が掲載されています。数値は日々更新されるため、特定の日の数字で会社を選ぶ意味は乏しいところ。
リピート系の注文は建玉を持ち越す設計になりやすいので、売り建てが中心になる通貨ペアでは支払い側に回る点だけ意識しておいてください。
FXブロードネットは、利確幅を広めに取れる人だけがコストに勝てる
トラッキングトレードという仕組み自体は、レンジ抜けに強い合理的な設計です。ただし片道手数料という条件がある以上、この口座の評価は設定の粗さで決まります。
- 裁量取引の手数料は0円。トラッキングトレードはブロードコースで片道200円、ライトコースで片道20円
- 片道表記なので1往復では2回かかり、それぞれ400円と40円になる
- 10,000通貨での往復400円は4銭分。利確幅が10銭なら利益の40%、20銭なら20%を手数料が占める
- 手数料の比率はコースを変えても同じ。軽くしたいなら利確幅を広げるしかない
- 掲載した数値は2026年7月時点の公表内容で、キャンペーン適用の記載もあるため申し込み前に公式サイトで確認する
まずは想定変動幅を広めに置いて、月間の約定往復数がどこに着地するかを1か月だけ観察する。手数料の総額が読めるようになってから、幅を詰めるかどうかを決めれば十分です。
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