FXの注文方法まとめ!指値逆指値からIFDOCOまで

FXの注文方法まとめ!指値逆指値からIFDOCOまで

「指値と逆指値の違いはなんとなく分かるけれど、OCOとかIFDOCOになると急に分からなくなる。トレールに至っては、何が自動なのかも掴めていない」

こういった疑問に答えます。

FXの注文方法は、突き詰めると成行・指値・逆指値の3つしかありません。OCO・IFD・IFDOCOはこの3つの組み合わせ、トレールは逆指値の価格を相場に追随させる仕組みです。つまり新しく覚える概念は「価格を指定するかしないか」と「注文をいつ有効にするか」の2軸だけ。この2軸で整理すると、7種類が1枚の表に収まります。

注文の種類が豊富かどうかは会社ごとに差が出る部分です。どの口座がどこまで対応しているかを先に眺めておきたい方は、主要FX会社の比較ページで取引条件を並べて確認できます。

注文の種類発注時に決める項目約定条件向いている場面
成行注文通貨ペア、売買の別、数量発注した時点で提示されているレートで約定する今すぐ入りたい、今すぐ抜けたいとき
指値注文上記に加えて注文価格と有効期限現在より有利な価格に届いたときに約定する押し目や戻りを待って入るとき
逆指値注文上記に加えてトリガー価格と有効期限現在より不利な価格に届いたときに約定する損切りを置くとき、ブレイクを追うとき
OCO注文指値と逆指値の2つの価格先に条件を満たした一方が約定し、他方は失効する利確と損切りを同時に置いておきたいとき
IFD注文新規の価格と決済の価格新規が約定してはじめて決済注文が有効になる発注したあと画面を離れるとき
IFDOCO注文新規の価格と、決済側の指値と逆指値新規約定後にOCOが有効になる新規、利確、損切りを1回で置きたいとき
トレール注文トレール幅(値幅)高値が更新されるたび逆指値の価格が同じ幅を保って切り上がる伸びる方向は残したまま、逆行時の決済水準だけ上げたいとき

※2026年7月時点の一般的な整理です。呼び名と仕様は会社ごとに異なるため、最新の内容は各社の公式ページで確認してください。

注文方法は7種類で足り、残りの20種類は判断ではなく操作の道具

FX会社の案内を開くと、注文方法が20種類以上あると書かれていることがあります。ヒロセ通商のLION FXは注文方法27種類と掲げており、実際に一覧ページには時間指定成行注文やドテン注文まで並びます(ヒロセ通商「LION FXの注文方法について」)。

これを全部覚えようとすると挫折します。私が最初に伝えたいのは、27種類の内訳が「3つの基本形」「基本形の組み合わせ」「発注操作の効率化」の3層に分かれているということ。

基本形は成行・指値・逆指値の3つだけ。OCOとIFDはこの3つを束ねたもの、IFDOCOはさらにその入れ子。トレールだけが少し毛色が違い、逆指値の価格を後から動かす仕組みです。

ヒロセ通商の一覧でいえば、残りの20種類はワンクリック注文や一括決済注文のような操作系と、時間指定成行注文のように時刻を条件に加えたものが中心。取引の判断を変えるものではなく、手を速くするための道具にあたります。

「では、どれから使えばいいのか」と思うかもしれません。答えははっきりしていて、成行と逆指値の2つです。入る手段と、想定が外れたときに逃げる手段。この2つだけで取引は成立します。

なお、注文の種類より先に効いてくるコストがスプレッドのほうです。同じ注文でも会社と時間帯で往復コストが変わるので、FXのスプレッドの仕組みと広がる時間帯もあわせて確認しておくと、発注前の判断材料が揃います。

成行と指値と逆指値は「価格を決めるか、どちら側に決めるか」で分かれる

3つの基本形は、たった2つの質問で分類できます。価格を指定するか。指定するなら現在より有利な側か、不利な側か。

質問成行注文指値注文逆指値注文
価格を指定するかしないするする
どちら側の価格か該当なし現在より有利な側現在より不利な側
約定するタイミング発注した瞬間指定価格に到達したとき指定価格に到達したとき
主な使い道新規の飛び乗り、即時決済押し目買い、戻り売り、利益確定損切り、ブレイクへの追随

成行注文は価格を指定しないぶん、確実に約定させたいときに使います。GMOクリック証券は成行注文について、通貨ペア、数量、売買の別を指定して発注する注文と説明しています(GMOクリック証券「FXネオ 取引ルール 注文方法」)。

指値注文は「現在より有利な価格」を指定する注文。買いなら今より安い価格、売りなら今より高い価格を置きます。届かなければ約定しないので、待つ注文と言い換えてもよいでしょう。

逆指値注文はその逆で、「現在より不利な価格」を指定します。買いなら今より高い価格、売りなら今より安い価格。損をする方向に置く注文と聞くと奇妙に感じるかもしれませんが、これが損切りの正体です。

ここで用語がひとつ増えます。逆指値注文は英語圏の呼び方に合わせてストップ注文とも呼ばれ、外為どっとコムは公式の取引概要で「ストップ注文」という名称を使っています(外為どっとコム「外貨ネクストネオ 取引概要」)。名前は違っても中身は同じもの。

私が新規の建て方より先に逆指値を説明しているのには理由があります。入る方法は成行ひとつで足りるのに対して、逃げる方法を持たないまま入ると、判断の余地がすべて後ろに残るからです。

OCOとIFDは、決済を先に置いておくための2つの道具

基本形を覚えたら、次は「決済同時発注」に進みます。新規と決済をセットで置く発想で、ここから注文が急に楽になります。

OCO注文は、2つの注文を同時に出しておき、先に条件を満たした一方が約定したらもう一方が失効する仕組み。GMOクリック証券はOCO注文を、2つの注文を同時に発注し一方が約定するともう一方が取り消される注文と説明しています(GMOクリック証券「FXネオ 注文方法の解説」)。

保有中のポジションに対して、利益確定の指値と損切りの逆指値を同時に置く。これがOCOのいちばん多い使い方です。相場がどちらに動いても、どちらかで必ず決済される状態を作れます。

IFD注文は時間軸のほうを扱います。新規注文と決済注文をあらかじめ両方出しておき、新規が約定してはじめて決済注文が有効になる仕組み。新規が約定しなければ、決済注文は待機したまま動きません。

DMM FXの決済注文の画面では、指値と逆指値を同時に発注するOCO注文のほか、選択したポジションを成行で決済するクイック決済注文や、保有建玉をまとめて処理する一括決済注文が用意されています(DMM FX「クイックガイド DMMFX STANDARD 決済注文」)。決済側の選択肢は、会社ごとに粒度が違うところ。

なお、IFDとOCOはどちらも「注文を出しておく」ものであって、約定を保証するものではありません。指定価格に届かなければ、注文は有効期限まで残ったまま何も起きません。

IFDOCOなら、新規と利確と損切りを1回の操作で置ける

IFDOCOはIFDとOCOを入れ子にした注文です。名前が長いだけで、やっていることは単純。

流れは3段階になります。まず新規注文を指値または逆指値で置く。次にその新規が約定したら、決済側のOCOが自動で有効になる。最後に利確か損切りのどちらかが約定して、残ったほうが失効する。

GMOクリック証券はこれをIFD-OCO注文と表記しており、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文として案内しています(GMOクリック証券「FXネオ 注文方法(IFD-OCO注文)」)。

具体例を置きます。米ドル/円の基準を、日本銀行が公表した2026年7月21日17時時点の162.59円台とします(日本銀行「外国為替市況(日次)」)。ここで162.20円まで下げたら3,000通貨を買い、163.20円で利確、161.70円で損切りと決めたとします。

この3つを別々に発注しようとすると、162.20円に届くのを画面の前で待ち、約定を確認してから決済の2本を出す必要があります。IFDOCOなら1回の発注で済み、その日は端末を閉じていて構いません。

数字も先に確定します。3,000通貨なら1pipsが30円ですから、利確の163.20円までは100pipsで3,000円、損切りの161.70円までは50pipsで1,500円。損益比は2対1です。発注の時点でこの2つの金額が確定するところが、IFDOCOの本質だと考えています。

どの価格に置くかという判断そのものは、注文方法では解決しません。根拠の重ね方についてはFXのエントリータイミングと根拠の重ね方で扱っているので、置き場所の考え方はそちらを参照してください。

トレール注文が動かすのは利益ではなく、逆指値の価格そのもの

ここは誤解が多いところなので、はっきり書きます。トレール注文は利益を確定させる注文ではありません。動くのは逆指値の価格だけです。

ヒロセ通商はトレール注文を、レートが上昇するとともに逆指値注文の値も上昇していく注文方法と説明しています。同社の解説では、現在レートが100円のときに99円へ逆指値を置くと、その差額の1円がトレール幅になる、という例が示されています(ヒロセ通商「トレール注文(LION FX 注文方法)」)。

大事なのは追随の向きが一方通行だという点。高値が更新されると逆指値も切り上がりますが、レートが下がっても逆指値は下がりません。最高値からトレール幅を引いた水準に留まり続けます。

では実際にどう動くのか。前提を置いて刻みごとに追います。米ドル/円を162.59円で3,000通貨買い、トレール幅は30pips(0.30円)。1pipsは0.01円で、3,000通貨なら1pipsあたり30円、30pipsで900円です。

時点の価格その時点までの高値逆指値の価格ここで約定した場合の損益含み益
162.59円(建てた瞬間)162.59円162.29円900円の損失0円
162.70円162.70円162.40円570円の損失330円
162.85円162.85円162.55円120円の損失780円
162.89円162.89円162.59円0円(建値)900円
163.00円163.00円162.70円330円の利益1,230円
163.10円163.10円162.80円630円の利益1,530円
163.20円163.20円162.90円930円の利益1,830円
163.05円へ反落163.20円162.90円(切り下がらない)930円の利益1,380円
162.90円まで下落163.20円162.90円で約定930円の利益決済済み

この表で確認してほしい行が2つあります。ひとつは4行目。162.89円に到達した時点ではじめて逆指値が建値の162.59円に並び、そこから先は損失で終わる可能性が消えます。トレール幅30pipsなら、30pips伸びるまでは逆指値がマイナス圏にあるということ。

もうひとつは8行目です。163.20円まで伸びたあと163.05円へ反落しても、逆指値は162.90円のまま動きません。ここが「切り上がるだけで切り下がらない」という性質の中身になります。

結果として、この例では162.90円で決済され930円の利益が残りました。ただし最高値の163.20円で決済できていれば1,830円ですから、900円ぶんは取り逃しています。トレール幅30pipsを選んだ時点で、最高値から30pips戻った水準で降りることが決まっていたわけです。

つまりトレール注文は、利益を最大化する道具ではありません。逆指値を手で動かす作業を自動化し、その代わりにトレール幅ぶんの戻りを毎回受け入れる注文。この理解で使えば、幅の設定に迷わなくなります。

同じ注文でも、会社によって呼び名が変わる

注文方法を調べていて混乱する最大の原因は、機能が違うのではなく名前が違うことです。実際に4社の公式ページを並べると、表記の揺れがそのまま見えます。

機能ヒロセ通商 LION FXGMOクリック証券 FXネオSBI FXトレード外為どっとコム 外貨ネクストネオ
逆指値逆指値注文逆指値注文逆指値ストップ注文
IFDIF-DONE注文IFD注文IFDIFD注文
IFDOCOIF-OCO注文IFD-OCO注文IFDOCOIFO注文
トレールトレール注文掲載なしトレールトレール注文
即時発注系ストリーミング注文ほかスピード注文2WAY注文マーケット注文

出典は各社の公式ページです。ヒロセ通商は注文方法の一覧でIF-DONE注文とIF-OCO注文という表記を使い(ヒロセ通商「LION FXの注文方法について」)、SBI FXトレードは取引ルールに2WAY注文、成行、指値、逆指値、IFD、OCO、IFDOCO、トレールと並べています(SBI FXトレード「取引ルール」)。外為どっとコムはIFO注文とストップ注文という名称を使っています(外為どっとコム「外貨ネクストネオ 取引概要 注文の種類」)。

注目したいのがトレールの行です。GMOクリック証券のFXネオは、注文方法のページにトレール注文の記載がありません。掲載されているのはスピード注文、成行、指値、逆指値、OCO、IFD、IFD-OCOの7つ。トレールを前提に口座を選ぶなら、この差は決定的です。

「じゃあGMOクリック証券ではトレールができないのか」と聞かれたら、私は「公式の注文方法ページで確認できませんでした」としか答えられません。取引ツールの実装は変わりうるものなので、必ず自分で最新の公式ページを見てください。

会社名を出して機能を語るときは、この確認をひとつ省くだけで記事全体の信頼が落ちます。読む側も同じで、他人の解説より各社の取引ルールページのほうが速くて正確です。

注文を出したのに約定しない理由は、価格以外にもある

「注文状況を見たら未約定のままだった」という場面。原因は価格に届かなかったことだけとは限りません。

まず有効期限です。指値や逆指値には有効期限があり、DMM FXは今日中、今週中、無制限、期間指定という区分を公表しています(DMM FX「サービス概要」)。今日中で出した注文は、翌日には消えています。

次に決済の順番です。同じ通貨ペアで複数の建玉を持っているとき、どれから決済されるかは会社の設定によります。先に建てたものから順に決済する方式はFIFOと呼ばれ、これが強制される口座では、決済したい建玉を自分で選べません。国内の主要社では建玉を指定して決済できる形が一般的ですが、口座ごとに確認が必要な項目です。

3つめが取引時間。注文自体は出せても、市場が閉じている時間帯には約定しません。GMOクリック証券のFXネオは取引時間を月曜7:00から土曜7:00までと公表しています(米国夏時間は土曜6:00まで)(GMOクリック証券「FXネオ 取引ルール(個人のお客様)」)。

そして注文数量の単位。ヒロセ通商のLION FXは1Lotが1,000通貨で一部通貨ペアは異なると明記し(ヒロセ通商「取引要綱(LION FX)」)、GMOクリック証券は最小0.1取引単位で、これが1,000通貨にあたります。ただしハンガリーフォリント/円、南アフリカランド/円、メキシコペソ/円だけは0.1取引単位が10,000通貨。単位を勘違いすると、想定の10倍の建玉が入ります。

注文が通らないときは、この4項目を上から順に見ると原因がだいたい判明します。価格の話に飛びつく前に、期限と時間帯を疑ってください。

FXの注文方法を調べた人が、次に引っかかる5つの疑問

ここまでで7種類の役割は整理できたはずです。とはいえ、実際に発注画面を前にすると細かい部分で手が止まります。検索でよく調べられている5つに絞りました。

指値と逆指値はどちらを先に覚えるべきですか?

逆指値です。理由は単純で、逆指値がないポジションは損失の上限が決まっていないからです。

指値は「入り損ねる」「利益を取り損ねる」で済みますが、逆指値の欠落は資金の減り方に直結します。順番としては、逆指値、成行、指値、そのあとにOCOとIFD。この並びが遠回りに見えて一番早いと思います。

OCO注文は新規でも使えますか?

使えます。新規で使う場合は、上に逆指値の買い、下に逆指値の売りを置く形が典型。

どちらに動くか読めないが、動き出したほうに乗りたい。そういう場面で使われます。ただし往復とも損切りになる展開もあるため、幅の設定は慎重に決めてください。

トレール注文は必ず利益が出る注文ですか?

いいえ。トレール注文が動かすのは逆指値の価格だけで、利益を保証するものではありません。

建てた直後に逆行すれば、初期の逆指値で損切りされます。この記事の例でいえば、162.59円で建てた直後に162.29円まで下げれば900円の損失です。トレール幅ぶん伸びるまでは、逆指値は建値より下にあります。

FIFOとは何ですか?

First In First Outの略で、先に建てた建玉から順に決済される方式のことです。

同一通貨ペアで複数の建玉を持ち、あとから建てたものだけを決済したい場面で影響します。国内の主要社では建玉を選んで決済できることが多いものの、ツールや口座区分によって扱いが異なるため、実際に持つ前に確認してください。

注文の種類が多い会社を選んだほうがいいですか?

取引スタイル次第です。成行と逆指値とIFDOCOがあれば、裁量の短期売買はほぼ回ります。

種類の多さが効いてくるのは、発注操作を秒単位で削りたい人と、決まった条件を自動で繰り返したい人。月に数回しか取引しないなら、27種類の口座を選ぶ理由は薄いと私は思います。

注文方法を覚える価値は、判断を発注前に前倒しできることにある

7種類を並べてきましたが、本当の効用は種類の多さではありません。決済の条件を発注の時点で確定させ、相場を見ながら迷う時間を消せることのほうです。

  • 基本形は成行、指値、逆指値の3つ。OCO、IFD、IFDOCOはその組み合わせ
  • IFDOCOは新規、利確、損切りを1回で置ける。発注時点で損益比が確定する
  • トレール注文が動かすのは逆指値の価格で、利益が確定するわけではない
  • 3,000通貨をトレール幅30pipsで持つと、30pips伸びるまで逆指値は建値より下にある
  • 注文の呼び名は会社ごとに違う。ストップ注文、IF-OCO注文、IFO注文はいずれも既出の機能

まずは成行と逆指値の2つだけで1往復してみてください。そこにOCOを足すだけで、画面を見続ける必要はほぼなくなります。

注文の応用として必ず名前が挙がるのが両建てです。禁止と言われる中身と、証拠金がどう扱われるかをFXの両建てが禁止と言われる理由と使いどころで分解しているので、売りと買いを同時に持つ発想に興味がある方はそちらへ進んでください。

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