戸建て住宅を建てる際、コストの目安として「坪単価」を参考にすることが一般的です。しかし、単純に坪単価の数字を比較するだけでは不十分であり、注意すべきポイントもあります。
そこで、本記事では坪単価に関する最新の基礎知識を解説します。
坪単価とは?
坪単価とは、住宅を建築する際の 1坪(約3.3平方メートル)あたりの建築費用 を指します。通常、
本体価格 ÷ 延床面積(または施工床面積) = 坪単価
という計算式で求められます。
坪単価は住宅の建築方法や使用する材料、ハウスメーカーによって大きく異なります。坪単価を参考にすると、建築費用の概算を把握しやすくなりますが、延床面積の取り方や本体価格に含まれない費用があるため、正確な比較には注意が必要です。
坪単価を比較する際の3つの注意点
坪単価を比較する際には、次の3点に注意しましょう。
① 延床面積と施工床面積の違い
坪単価を計算する際に使われる面積は、「延床面積」 と 「施工床面積」 のどちらかになります。
- 延床面積:ベランダ、地下室、ポーチなどは含まない。
- 施工床面積:ベランダや吹き抜け部分も含む。
ハウスメーカーによっては、施工床面積を基準に坪単価を計算することで、坪単価を安く見せるケースもあるため、どの面積を使っているのかを確認しましょう。
② 本体価格に含まれない費用
坪単価の計算に使用される本体価格には、以下の費用が含まれていないことが多いです。
- 外構工事費(庭や駐車場の造成費用)
- 付帯工事費(上下水道、ガス、電気の引き込み費用)
- 諸費用(設計費、登記費用、住宅ローンの手数料など)
総予算を考える際は、これらの追加費用も考慮する必要があります。
③ ハウスメーカーごとの価格帯の違い
ハウスメーカーの坪単価は、建築工法やブランド力によって異なります。最新の市場動向を反映した坪単価の目安を見てみましょう。
最新のハウスメーカー坪単価の目安
■ ローコストハウスメーカー
- 坪単価:40万~60万円
- 特徴:規格住宅や大量発注によるコスト削減で低価格を実現。間取りやデザインの自由度は限定的。
■ 木造ハウスメーカー(在来軸組工法・ツーバイフォー工法)
- 坪単価:60万~90万円
- 特徴:日本の住宅市場で最も多い。断熱性能が高く、デザインの自由度も比較的高い。
■ 大手鉄骨ハウスメーカー
- 坪単価:90万~130万円
- 特徴:耐震性・耐久性に優れるが、コストが高め。ビルドインガレージや大開口の間取りが可能。
■ 高級・プレミアムハウスメーカー
- 坪単価:130万~150万円以上
- 特徴:注文住宅の自由度が高く、ハイグレードな建材・設備を使用。大手メーカーの最上位モデルが該当。
まとめ
坪単価は住宅の価格を比較するうえで便利な指標ですが、単純な数字だけで判断するのではなく、以下のポイントに注意しましょう。
- 坪単価の計算方法(延床面積 or 施工床面積)を確認する
- 本体価格に含まれない外構工事費や付帯工事費を考慮する
- 最新の市場価格に基づいた坪単価を参考にする
2025年現在、坪単価は全体的に上昇しており、50万円/坪以下の住宅は少なくなっています。予算を計画する際は、坪単価だけでなく総額でのシミュレーションを行うことが重要です。
坪単価を正しく理解し、自分に合ったハウスメーカーを選びましょう。