住宅ローンとがん保険について

住宅ローンとがん保険について

住宅ローンを借りるにあたり、病気のリスクに備えることはとても大切です。がん保険付き住宅ローンを借りた事例を元に説明します。

目次

住宅ローンとがん保険について

がん保険付き住宅ローンなら、もしもの時に住宅ローン残高が0円になる

住宅ローンの加入時に契約する団体信用保険は、ローン返済者の死亡か高度障害状態になった時でないと、保険金は支払われません。それ以外の病気やケガなどで働けなくなったとしても、ローンは返済し続けなくてはいけません。そのような場合にローンの返済をサポートしてくれる保険付きのローンが色々あります。
がん保険付き住宅ローンは、がんと診断されたらローンの残高が0円になる保険です。ローンの返済を気にすることなく治療に専念でき、家を失う心配もなく家族の生活も安定します。契約者が男性の場合、配偶者の乳がんや子宮がんなど女性特有のガンまで保障してくれるものもあります。保険料は金利に上乗せされるか、別途支払いが必要となります。

がん保険付き住宅ローンを利用した谷本さんの場合

2014年に妻の実家近くの物件を購入し、
3,980万円の建売戸建住宅を手に入れた谷本さんご夫妻
(夫/40歳会社員、妻/34歳主婦)

一般的に銀行から住宅ローンを借りる場合、借りた人(契約者)が返済中に死亡や高度障害の状態に陥ると、その時点の残債に保険金がおり、その後のローンの支払いが不要になる「団体信用生命保険(団信)」に加入することが義務付けられています。谷本さんは住宅ローンを契約する際、その「団信」に「がん保障」の特約がつけられるプランがあると知り、迷わず選んだと言います。

主人のお父さんやお兄さんをはじめ、家系にがんを患う人が多いことを知ってから、『主人もいつかがんになるのでは』と、主人の体のことが気がかりでなりませんでした。1人目の子どもを出産するタイミングで私が退職し、専業主婦になって以来、我が家の家計は主人の収入だけで支えられています。主人が病気になって、長期療養にでもなったら、住宅ローンを支払い続けられるのだろうか?

妻の香織さんには、住宅ローン契約時にそんな心配がよぎったと言います。
中でもがんにかかった時の心配は、親族が闘病している姿を知っているだけに不安が大きかったそう。

それで契約の際、銀行の方から、がん保障の特約をつけた団信の説明を受け、迷わず選択しました。

現在、多くの銀行などの金融機関で実施している「疾病保障付き」の住宅ローン。
当初はがんだけを保障する特約が多かったのですが、後にがんに加え、急性心筋梗塞、脳卒中の「三大疾病」に発展し、4つの生活習慣病を加えた「七大疾病」、さらには「八大疾病」「九大疾病」とカバーの範囲は広がり、最近では全疾病を対象とする住宅ローンも一部地銀などで見受けられます。

がん保険の保障内容と保険料

もちろん、これらは保険の役割のため、無料で付けられるものではありません。カバーする範囲が広ければ広いほど、上乗せされる保険料も高くなる傾向にあります。この保険料は、ローン金利に上乗せするのが主流です。がん保障の上乗せ金利は一般的に0.2%ほどのようで、最近は「がん保障だけなら金利負担なし」、「がん保障特約50%(がんになったら残債が半分になる)なら金利負担なし」など、地銀やネット銀行で金利負担ゼロのがん保障も登場しています。

実際、谷本さんの場合、地銀で3,170万円を0.775%の変動金利型で35年間借り入れました。
がん保障はローン金利に0.2%上乗せで0.975%の金利で毎月返済を行っているそうです。

下の図は、谷本さんの条件で「疾病保障付き」の住宅ローンを借り入れた場合、支払いの負担がどれぐらい増えるかを表したものです。

 上乗せなし0.1%上乗せ0.2%上乗せ0.3%上乗せ
毎月返済額8万6,198円8万7,648円8万9,115円9万596円
総返済額3,620万3,160円3,681万2,160円3,742万8,300円3,805万320円
負担合計0円60万9,000円122万5,140円184万7,160円
※借入金額3170万円(35年返済)、借入金利0.775%の場合

谷本さんは0.2%の金利上乗せタイプのため、上乗せなしと比較して月々の負担は3,000円弱、35年間では約122万円の負担となっています。

このように月々の支払い額は増えるので、我が家の状況やリスクを考えた上で、本当に必要なのか、利用するのかどうかを検討しましょう。

がん保険付き住宅ローンは選択肢の一つ

谷本さんの場合は、「万が一、主人ががんになった時の残りの支払いがゼロになることで、ローン支払いへの不安がなくなったので、この選択は正解だったと思っています」と話します。

この安心のおかげで、『主人が元気なうちに一刻も早く繰り上げ返済をしなくては!』と焦ることがなくなりました。繰り上げ返済も大切ですが、今は今後必要になる2人の子どもの教育資金を重点的に貯めることを優先しています。さらに、戸建の場合、マンションと違って自分たちで建物をメンテナンスしなくてはならないことを知りました。我が家の修繕が必要になる時期と長女の教育資金がピークになる時期が重なることに気づき、修繕用の資金を貯めることも始めました。

今や2人に1人が「がん」を患う時代。
谷本さんのように共働きでない場合や、がんの不安がある場合、資金に余裕があれば備えておくのも良いのではないでしょうか。

執筆者紹介

マネーライフ本舗 編集部

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