地震保険料控除とは?火災保険は年末調整(確定申告)の税金控除の対象?

毎年10月ごろになると、保険会社から「地震保険料控除証明書」のハガキが届くため、地震保険料控除という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。今回は地震保険料控除の内容とその手続き方法について解説していきます。

目次

地震保険料控除とは

地震保険料控除とは、1月~12月に支払った地震保険の保険料から、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。
2007年1月から、政府が地震保険加入率を高めることを目的として地震保険料控除制度が開始しました。
日本は地震の多い国ですが、地震保険の加入率は充分と言えないため、普及を促す必要があるのです。

地震保険料控除の対象

地震保険料控除の条件は下記に当てはまる場合に適用されます。
地震保険料控除は賃貸の場合も受けることが出来ます。

2007年1月1日以降に契約した地震保険で、控除を受ける本人、または生計を同一にする配偶者その他の親族が所有する居住用家屋や生活用動産を対象としている地震保険に加入している

では、地震保険料控除でいくらくらい控除が受けられるのでしょうか。
これはその年の1月~12月にいくら地震保険料を支払ったか、所得税か住民税かにより金額が異なります。
控除される金額は、下記を参照ください。1年間で支払った地震保険料が5万円以下の場合、所得税は支払金額の「全額」、住民税は支払金額の「2分の1」が控除されます。
【例】地震保険料として支払った金額が30,000円の場合=所得税30,000円、住民税15,000円の控除

年間支払保険料の合計年間控除限度額
所得税5万円以下支払い保険料と同額
5万円超5万円
住民税5万円以下支払い保険料の1/2
5万円超2万5千円

地震保険料控除を受けるための手続き

地震保険控除を受けるためには、自身で手続きが必要となります。必要な書類や申請方法を見ていきましょう。

控除を受けるために必要な書類は、保険会社から送られてくる「地震保険料控除証明書」です。
地震保険の年額保険料が記載されておりますので、この金額が控除対象額となります。

また申請方法は年末調整、確定申告の2つの方法があります。

①年末調整
会社員の方など給与所得者は勤務先の年末調整で地震保険料控除を申告できます。「給与所得者の保険料控除申告書」という書類の「地震保険料控除」の欄に、必要事項を記入し「地震保険料控除証明書」と一緒に勤務先に提出します。
②確定申告
会社経営者や自営業の方などは確定申告で地震保険料控除を申告できます。
確定申告書に地震保険料控除に関する必要事項を記入し、「地震保険料控除証明書」を添付し税務署に提出します。

火災保険は税金控除の対象にならない

結論から言うと、火災保険は税金控除の対象になりません。
ただし、保険金を受け取った場合に大きなメリットがあります。
2006年までは損害保険料控除があり、自動車保険や積み立て型の保険と共に対象となっていましたが、2006年の税制改正によって廃止されました。
しかし、経過措置として下記の条件を満たす火災保険契約には「旧長期損害保険料控除」が適用されます。

【1】2006年12月31日までに加入した長期損害保険契約
【2】2007年1月1日以降に保険料変更を伴う契約変更を行なっていない
【3】満期返戻金のあるもので保険期間または共済期間が10年以上


以前に損害保険の保険料に対して負担軽減のための措置を行なっていた理由は、加入者の少なかった火災保険の加入を一般に広く促すためでした。この方法は成功し、現在では一戸建てやマンションを所有している人はほとんどが火災保険に加入しています。賃貸住宅でも火災保険への加入を、入居時の必須条件にしている住宅が多くなりました。これにより広く普及したと認められ、税金の負担軽減をしてまで火災保険の加入を促す必要がないと判断されたために廃止となりました。

火災保険で受け取る保険金は非課税

火災保険の保険料は年末調整での税金控除の対象ではありませんが、その代わり、保険金を受け取ったときに大きなメリットがあります。
保険金を受け取った場合、その保険金は非課税です。火災保険は損害の補填という目的であるため、保険金を受け取っても大きな利益はでないという考え方に基づいています。

また、火災保険契約者と保険金受取人が不一致の場合、例えば夫が契約者、妻が保険金受取人である場合でも、贈与税はかかりません。
さらに、建物が全壊して保険金を満額受け取ると火災保険契約は終了となりますが、もし満額受け取らないと、保険金は復活します。たとえば、家に3,000万円の保険金をかけ、半壊して1,500万円の保険金を受け取ったとします。この場合、次に災害で全壊したとしたら、残りの1,500万円分を受け取るのではなく、3,000万円の保険金を受け取ることができるのです。

直近で火災保険の補償の見直しを行っていない方や、加入後、家族構成が変わった方は、保険の見直しの時期となります。どんな補償が必要か分からない、同居する人数が変わったので家財の保険金額を変更したい等、お気軽に保険のプロに相談(オンラインも可能)してみてはいかがでしょうか。

まとめ

火災保険では保険料控除は受けることが出来ませんが、地震保険では控除を受けることが出来ます。
控除を受けるためには、自身で申請が必要となるため、忘れないように注意しましょう。

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執筆者紹介

マネーライフ本舗 編集部

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