親からの住宅資金援助
どうしても購入したい家があるけど、頭金が足りない。そんな時は、親からの資金援助で、お得な税制が。
ファイナンシャルプランナーの渡邊さんが優遇税制についてアドバイス。
住宅本舗 編集部
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茜(20代主婦):どうしても足りないわー
渡邊さん:おや茜さん、難しい顔をしてどうしました?
茜:希望の物件が予算オーバーで、今の貯蓄では目標にしていた頭金の金額に届かないんです。かといって予算に収まる範囲では、ほしい家が見つからないし…
渡邊:確かに、頭金を2、3割くらい用意できれば、後々の返済も安心できますよね。でも、どうしても手に入れたい物件なら、ここはひとつ、他の手を考えましょう。茜さん、ご両親にマイホーム購入の相談はしましたか?
茜:いいえ、これから話そうと思っていたところです
渡邊:ちょうど良かった。実は、住宅の購入にあたって、両親などから資金援助を受ける場合、おトクな税制が用意されているんです。ご両親の懐事情にもよりますが、制度の利用も含めて頭金の準備を考えてみてはいかがでしょうか
茜:“おトク”って言葉、大好き。ぜひ、教えてください!
渡邊:優遇税制には、大きく「住宅取得等資金贈与の非課税特例」と「相続時精算課税制度」の2つがあります。難しい言葉ですが、しっかり覚えてくださいね。前者は、両親や祖父母から住宅購入資金を譲り受けた場合、一般住宅は500万円、省エネや耐震性に優れた住宅なら1千万円までの贈与が非課税になるしくみです。暦年課税の基礎控除も併用できるので、最大1,110万円まで贈与税がかかりません。この特例は今のところ2014年末までの時限措置なので、注目している人も多いですよ
茜:確か贈与税の税率って、最高50%ですよね。それが、1千万円ちょっとまで非課税になるなんてすごい
渡邊:はい。もしこの特例を使わずに1千万円の贈与を受けると、231万円もの贈与税を茜さんが支払うことになります
茜:聞いておいてよかった!では、もう1つの優遇制度はどうですか
渡邊:相続時精算課税制度も基本的には、一定金額までの贈与に対しては贈与税がかからないしくみです。非課税枠は最大2,500万円までで、先の住宅資金贈与特例と合算できますから、合計3,500万円(基礎控除との併用は不可)まで非課税の対象となります。ただこの制度、単純に贈与税が非課税になるというわけではないんです
茜:…と言いますと?
渡邊:確かに両親の生前中は、2,500万円まで贈与税を支払う必要はありませんが、実際の相続時に相続税の対象財産として加算されることになります。つまり、贈与税の計算を相続時まで先送りできるしくみというわけです。そのため、もともと相続税が発生しそうな人にとっては、節税効果はほとんど期待できません
茜:うーん、話が何だか難しくなってきたわ。要はどっちがおトクなのかしら?
渡邊:ご両親に経済力があれば、どちらもおトクな制度と言えるでしょう。ただし相続時精算課税制度は、将来の相続財産によって課税額が変わるので、利用の見極めは難しいかもしれません。その一方、1千万円以下の贈与であれば、確実に非課税の恩恵を受けられる住宅資金特例を利用するほうが得策です
茜:私の場合は、きっと住宅資金特例だけで済みそうね
渡邊:でも茜さん、2つの制度は対象者の年齢や入居先の条件などが細かく決まっていますから、事前によく確認しておいてくださいね。また相続時精算課税制度をいったん選ぶと、途中で暦年課税に戻すことができません。この点もよく注意しておきましょう
茜:ありがとうございました。じっくり勉強してから、両親に相談してみます
(記事提供:ニッキンマネー 2014年8月号 p32-p33)
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