住宅ローンの自己資金30%のウソ・ホント

住宅を購入するときによく耳にするのは「自己資金は30%を準備する」ということ。自己資金30%という数字は何を意味するのでしょうか。また、本当に自己資金を30%準備すれば安心なのでしょうか。住宅購入の時に準備しておきたいお金についてお伝えしていきます。

マイホーム購入の基礎知識

江原さとみ,ファイナンシャル・プランナー

江原さとみ ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。SEとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
【企画・編集/SAKU株式会社】

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住宅購入前に準備しておきたい住宅ローンの自己資金とは

住宅ローンの自己資金とは、住宅購入をするときに自分の貯蓄から準備する資金のこと。自己資金30%は物件価格の30%を現金で準備するということです。
では、住宅購入の自己資金をいくらにするか? と考えたとき、頭金のみ準備できればと考えがちです。
じつは、自宅購入時には、物件価格のうち現金で準備する資金である頭金の他に様々な手数料や税金などの「諸費用」がかかります。
一般的に、住宅購入の「自己資金」とは、頭金と諸費用を合わせた金額を指します。

住宅ローンの自己資金30%のうち20%が頭金

一般的に、住宅購入の頭金は購入物件の20%が目安だといわれています。自己資金30%のうち20%は頭金の金額を指しています。この数字の根拠は、以前、住宅金融支援機構の前身である住宅金融公庫の融資金額が80%であったことが背景にあります。
ただ、頭金無しでも住宅ローンを借りることも審査が通れば可能です。しかし、頭金が少ないほど借り入れ金額が多くなるため、その後の返済負担は大きくなります。

実際の住宅購入を考えてみましょう。
例えば4,000万円の物件を購入する場合、頭金20%であれば、800万円を準備することになります。借入期間35年、全期間固定金利1.6%で頭金が無い場合と頭金を20%準備した場合の返済シミュレーションをしてみました。

物件価格 頭金 借入額 月々の返済額 住宅ローン
総返済額
総支払額
4,000万円 無し 4,000万円 12.5万円 5,227万円 5,227万円
800万円 3,200万円 10万円 4,182万円 4,982万円

※「住宅金融支援機構/住宅ローンシミュレーション」にて試算

頭金20%を準備すると、借り入れする額が少なくなるため、頭金無しに比べると総支払額が245万円、月々の返済額は2.5万円も少なくなります。やはり、頭金が多いほど住宅ローンの負担は軽くなることが分かります。

また、フラット35で融資率9割超と9割以下を比べると、融資率9割超の方が金利も高くなる上に借り入れ審査も厳しくなります。そして、何よりも、頭金を貯蓄できない家計管理の状態では、将来的に住宅ローンを無事に返済できるのかという不安が残ります。
では、極端にいってしまうと、家計管理ができていれば、頭金は無くてもよいのかということも考えがちですが、決して頭金の準備をしなくても良いというわけではありません。
頭金を準備できるということはそれだけ家計に余裕がある、貯蓄をしっかりできる家計体質だということになります。
つまりは、20%の頭金を準備できるようであれば、無理のない返済可能な住宅ローンを組むこともできるという理屈です。
したがって、頭金20%を目安にして、きちんとした住宅ローンの返済計画を練ることがとても大切なのです。

自己資金30%のうちの残り10%は諸費用

住宅を購入する時には、その物件の金額以外にも手数料や税金などの費用が必要になります。

●主な購入時の諸費用
・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
・抵当権設定のための司法書士報酬
・融資手数料
・保証料
・火災保険の保険料、地震保険の保険料
・団体信用生命保険料
融資手数料や保証料、団体信用生命保険料は、借り入れる銀行などの金融機関によって取扱いが異なります。保証料がかからない銀行などの金融機関もあれば、団体信用生命保険は住宅ローンの金利に含まれていて別途現金で用意する必要が無い場合もあります。
また、中古物件などの不動産仲介業者を利用した住宅購入では、上記の諸費用の他に不動産仲介手数料がかかるため、新築に比べて諸費用についても考慮が必要になることがあります。

また、意外に忘れがちなのが購入後の引越し費用や新しい家具・家電などの購入費用です。一般的に、自己資金の10%とある諸費用は、これらの費用も含むことが多いです。費用に余裕がなければ、新しい家具や家電は予算に応じて、購入を控える、または、購入のタイミングを変えることはできますが、引越しは待ったなしです。引越し費用はしっかり別に用意しておきましょう。
自己資金30%のウソ・ホントについてお伝えしました。自己資金が多いほど住宅ローンの返済の負担は軽くなるため安心です。ただし、自己資金と一緒に準備して欲しいのが、半年~1年分の生活費です。病気やケガで入院、急な年収ダウンなどの不測の事態にも対処できるよう、頭金については緊急予備資金となる現金を手元にいくら残すかを考えてから判断しましょう。

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