借り換えする際の住宅ローンの金利タイプの選び方

住宅ローンの借り換えを検討する理由に、金利が低いことがあげられます。住宅ローンは借り入れ金額も大きいため、金利差が支払い総額に大きな影響を与えるものです。したがって、借り換えで総返済額が少なくなれば、毎月の支払い額を減らしたり、返済期間を短縮したりすることができます。
そこで、借り換えを検討する時の金利タイプについて、考えていきます。

住宅ローン借り換えの基礎

江﨑真奈美,1級ファイナンシャル・プランニング技能士

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、会計事務所に勤務し、巡回監査業務に従事。その後、社会福祉法人をはじめ、地元の上場企業などで長年経理業務を担当。勤務していた事務所の閉鎖に不安を感じ、これをきっかけとして2016年に最短1年で1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得する。FPとして独立し、執筆、講師業を中心に精力的に活動中。
【企画・編集/SAKU株式会社】

金利タイプは「変動金利」「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」

国土交通省の平成27年度の国土交通省の住宅ローンに関する調査によると、平成26年度末時点で利用されている民間住宅ローンの金利タイプは、変動金利が約半数を占めています。次いで固定金利期間選択型が多く、全期間固定金利型にいたっては3.4%と少数にすぎません。
※「平成27年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書/国土交通省より」

金利タイプ 適用期間
変動金利 一定期間ごとに適用金利が見直しされる
年2回見直しされるタイプが一般的
固定金利期間選択型 3、5、10年など一定期だけ金利が固定
全期間固定金利型 全返済期間の適用金利が一定

どんな住宅ローン金利タイプを選ぶべきか

変動金利への借り換えを検討するときにおさえておきたいポイントをご紹介します。

メリット

・固定金利より金利が低めに設定されている
・金利が下がると返済額が減る

デメリット

・固定金利からの借り換えの場合、将来の金利上昇リスクを負わなければならない

適している人

・現状の固定金利で返済に余裕のある方
・ローン残高が少ない方
・残りの返済期間が短い方
・金利が高いときに借り入れた方

適していない人

・収入に対してローン残高が多い方
・金利が上昇し、毎月の返済額が上昇した時に対応できない

住宅ローン固定金利への借り換え

固定金利への借り換えを検討するときにおさえておきたいポイントをご紹介します。

【固定金利期間選択型】

メリット

・金利は借入当初は全期間固定型より低めに設定されている
・固定金利の間は生活設計がしやすい

デメリット

・長期の生活設計がしにくい
・固定期間終了後の金利上昇リスクを負わなければならない

適している人

・返済に余裕があり、固定期間終了後の金利上昇に対応できる方

適していない人

・残りの返済期間が長い方
・一定期間、返済額を固定したい方

【全期間固定金利型】

メリット

・金利上昇リスクが抑えられる
・今後の生活設計がしやすくなる

デメリット

・変動金利よりも金利が高めに設定されている
・さらに金利が下がっても、その恩恵を受けることができない

適している人

・収入に対して借入金額の割合が高く、住宅ローンの返済額が増えると困る方
・安心して将来設計をしたい方

適していない人

・借入金額が少ない方
・残りの返済期間が短い方

住宅ローンの返済額を減らすためには、できるだけ低い金利への借り換えが重要ですが、金利だけに注目すると、実は思ったほど負担軽減効果がなかったということにもなりかねません。

住宅ローンの借り換えに必要な諸費用

低い金利への借り換えでローンの負担は減っても、借り換えの際には諸費用が発生します。この諸費用も含めて借り換えにメリットがあるのかどうかを判断する必要があります。

◆借り換えにかかる諸費用

項目 内容 概算
融資事務手数料 ローンの借り入れ手数料 0円~金融機関によって異なる
ローン保証料 保証を受けるため保証会社に支払う費用 0円~金融機関・融資金額によって異なる
団体信用生命保険料 住宅ローン返済中に、死亡・高度障害になった場合に備えて加入する保険 金利に含まれることが多い。
住宅金融支援機構の場合、借り入れ1,000万円あたり35,800円が目安
火災保険 住宅ローンの借り入れに義務づけられる 保険会社によって異なる
印紙税 一定額に達した取引契約書に必要 借り入れ金額で異なる
登録免許税 抵当権の抹消と新たな設定時にかかる税金 抵当権抹消:2,000円
抵当権設定:借り入れ金額の0.4%
登録手数料 司法書士への報酬 依頼する司法書士によって異なる

借り換えの際にはこうした諸費用を含んだ実質金利で、現在の住宅ローン金利と比較する必要があります。また、どの金利タイプを選べばよいのか、迷うところでしょう。
借り換えの際に選ぶ金利タイプは返済計画・生活設計に影響を及ぼしますから、変動金利を選んだ際は、今後の金利推移もチェックしておきましょう。

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