住宅ローン金利だけでなく借り換え時にチェックすべきこと

住宅ローンの借り換えを行う方の多くが「金利が低くなるから」を理由に挙げています。総返済額を減らす目的で借り換えを行うとき、金利だけで比較しがちです。しかし、借り換えの際には、金利以外にもチェックすべきことがあります。今回は借り換え時にチェックすべき事項についてご紹介します。

住宅ローン借り換えの流れ・費用

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

江﨑真奈美 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学卒業後、会計事務所に勤務し、巡回監査業務に従事。その後、社会福祉法人をはじめ、地元の上場企業などで長年経理業務を担当。勤務していた事務所の閉鎖に不安を感じ、これをきっかけとして2016年に最短1年で1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得する。FPとして独立し、執筆、講師業を中心に精力的に活動中。
【企画・編集/SAKU株式会社】

住宅ローンの借り換えは実質金利でシミュレーション

借り換えに際しては金利だけに目がいきがちですが、諸費用も含めてシミュレーションすることが大切です。住宅ローンの借り換えでは多くの人が期待しているように、今のような低金利においては借り入れから1年後の借り換えでも金利差次第では総返済額を軽減できるケースがあります。しかし、借り換えには新規で借り入れする場合とほぼ同様の諸費用がかかります。借り換えのシミュレーションは各銀行などの金融機関のHPから簡単にできますが、その際忘れてならないのがこの諸費用です。諸費用抜きで試算しても本当の借り換えの効果は見えてきません。さらに銀行などの金融機関によって借り換えに必要な諸費用が異なりますので、それら諸費用を含んだ実質金利で総返済額を比較することが重要です。
借り換えの諸費用の中でも保証料・融資事務手数料・団体信用生命保険料(団信)の3つは負担が大きい費用といえます。保証料と事務手数料については借入金額や各金融機関によって、かかる金額が異なります。みずほ銀行の保証料と・融資事務手数料を例に挙げてみます。

【住宅ローン借り換え時に必要な保証料と諸費用】

保証料 元利均等返済 元金均等返済
外枠方式※ 85,440円~299,090円 76,060円~266,330円
内枠方式 金利に0.2%上乗せ
事務手数料 32,400円

※外枠方式は借入時に一括して前払いする方法で、上記金額は借入金額1,000万円、返済期間10年の場合に必要な金額です。

みずほ銀行の場合、団体信用生命保険料は銀行が負担することになります。みずほ銀行に限らず、一般的に団体信用生命保険料は銀行などの金融機関等が負担しています。
尚、フラット35を利用する場合は保証料が不要ですが、団体信用生命保険に関しては任意加入のため利用者が保険料を負担しなければなりません。また、事務手数料は手数料定額型で32,400円、手数料定率型の場合には、「借入金額×手数料率」円(最低融資手数料:32,400円)が必要です。

住宅ローン借り換えによって一時的に費用が発生するのであれば注意が必要

借り換え時の諸費用のひとつである保証料を外枠方式で支払う場合、借入時に一括して支払うことになります。つまり、必要な資金はご自身で用意するという点に注意が必要です。外枠方式と内枠方式を比較すると外枠方式の方が総支払額は少ないのですが、借入時に手元資金が減るというデメリットがあります。したがって、手元資金に余裕があるという方であれば一括払いでもいいかもしれませんが、手元に資金を残しておきたいと考えるのであれば内枠方式を選択する方がよいでしょう。同じ費用でも返済方法や支払い方法で総支払額が異なります。今後のライフプランや資金に影響のないように慎重にシミュレーションすることが大事です。

住宅ローン借り換えによる金利タイプの変更に注意

住宅ローンの借り換えを変動金利や固定期間選択の金利タイプで実行した方は、金利上昇リスクがあることを念頭に置いておく必要があります
住宅ローン金利は、固定金利より変動金利の方が低く設定されています。固定期間選択型の金利も固定期間が長いほど金利が高く、短いほど低く設定されています。住宅ローンは、金利が低い変動金利を選ぶ方が多いようですが、金利上昇リスクがあることを忘れてはなりません。変動金利の金利見直しは通常年2回で、実際の返済金額の変更は5年ごと(元利均等返済の場合)に行われます。ローン返済中に金利が上昇した場合、返済金額の変更をするわけにはいかないため、上昇分は毎月の返済額の中で調整されます。仮に金利が上昇し続けた場合には毎月返済額の金額がすべて利息分となり、さらに上昇すると毎月返済額を超えて利息が発生する可能性があります。この超えた部分を未払い利息といい、毎月の返済額とは別に支払わなければならないローンになります。

【未払い利息の仕組み】

未払い利息の仕組み

ただし、未払い利息が発生した場合でも返済額の増加には上限が設けられていて、元の返済額の1.25倍までとなります。例えば毎月返済額を10万円とすると、金利が上昇した場合でも毎月の返済額は12.5万円が上限です。
毎月の返済額に上限が設けられていても、利息の負担が増加した場合は元金の返済が遅れることになり、最終的には総返済額が多くなることがあります。
借り換えの金利競争が続く中、各金融機関は手数料を安くしたり、その他様々なサービスを付けたりしています。金利の低さだけにとらわれず、諸費用や各金融機関で提供しているサービスなども考慮して借り換えを検討するとよいでしょう。

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