住宅ローンの金利の基礎知識

住宅ローンを検討する時にはどうしても金利に目が行きがちです。低い金利は魅力的ですが、「変動」「10年固定金利」といった金利タイプの表示にも意識を向けてみましょう。
同じ金額を同じ金利で借り入れたとしても、金利タイプによって将来の返済額が大きく変わるかもしれません。
金利タイプは、「固定金利型」「変動金利型」「固定金利選択型」の3つに大きく分けられます。それぞれの特長と違いを確認しておきましょう。

住宅ローンの金利

森田 和子(もりた かずこ)

森田 和子(もりた かずこ) 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

金融商品の仲介業を行わない独立系のFPとして個人の方への資産・家計のコンサルティングを行っている。お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。企業・学校・イベント等で行うマネープランセミナー・講演も好評。「おかねネット」主宰http://okane-net.com/
【企画・編集/SAKU株式会社】

金利が変わらない住宅ローンの固定金利(長期)

固定金利型は、借入時の金利が変わらずにそのまま契約が終了するまで続きます。そのため、毎月の返済額は返済終了まで変わりません。
代表的な固定金利型の住宅ローンには、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット35」があります。借り入れした時の金利がずっと続くので、途中で返済額が増えてしまう心配はなく、返済計画が立てやすいのは魅力です。ただし、一般的に他の金利タイプに比べて高めの金利が設定されています。
これからお子様の教育費の負担が大きくかかる、老後資金を貯めたい、年収に不安があるなど、返済額のアップに家計が対応しにくい方に向いているローンと言えます。

金利が見直される住宅ローンの変動金利型

変動金利型は、その名称の通り金利が変動する住宅ローンです。3つの金利タイプの中では、最も複雑な仕組みとなっています。金利の見直しは半年ごとに行われます。
その際に利息も再計算されますが、返済額については5年間変わりません。5年ごとの見直し時に返済額が増えるといった場合でも、見直し前の1.25倍までの上限が決められています。見直しによって返済額を超えた分については、次回以降に繰り越されます。大きく金利が上昇した場合には、返済額に占める利息の割合が多くなるので、元金がなかなか減りにくくなることも考えられます。

変動金利の仕組み

一般的に他の金利タイプに比べて最も低い金利が設定されますが、金利の変動の影響を受けやすいので、比較的に短期間で返済したい方や借入額が少ない方に向いています。
変動金利の魅力はローンの負担が軽いという点ですが、金利が上昇して返済額の増える可能性があるということを踏まえておきましょう。
特に子育て中のご家庭では、教育費の負担が重い時期にローンの負担が増えるのは避けたいところです。金利が上昇した時に対応できる“余裕資金”の準備がしにくい進学時期など、ライフプランを確認した上で選ぶとよいでしょう。

住宅ローンの固定金利選択型(短期)

固定金利選択型は、「5年固定金利」や「10年固定金利」のように、一定期間は金利が変わりません。固定金利期間が終了すると金利が見直され、返済額も再計算されます。
金利情勢が高い時期に固定金利期間が終了した場合、返済額は増える可能性があります。一方、金利情勢が低い時期であれば返済額は減るということになります。長期にわたる変動金利型は不安だけれど、低金利のメリットも受けたいという方に人気があるようです。

自分に合った金利タイプを考える

住宅ローンは借り入れる金額も大きく、返済にかかる期間も長期にわたります。家族構成や経済的な状況の変化を予想しながら金利について検討をしてみましょう。

●固定金利…返済額を増やさず計画的に返済したい方に向いています
・返済期間の長い方
・将来の年収に不安のある方
・教育費負担が大きい時期をこれから迎える方
など

●変動金利型…短期間で返済したい方に向いています
・お子様が独立した方
・ディンクスのご夫婦
・借入額の少ない方
など

●固定金利選択型…一定期間を過ぎれば短期間で完済することが可能な方に向いています
・お子様の独立が近い方
など

超低金利の状態で推移している今、どの金利タイプでもその違いがあまり気にならないかもしれません。今後、金利情勢やご自身の経済状況に変化があった時のことも考えて無理のない返済計画を立ててみましょう。

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